
- 著者インタビュー
- 学級経営
3年目。毎日のことで手一杯だった1、2年目から少し余裕もでてきます。周りのこと、自分のことが見えてきます。ここでステップアップすることができるか、できないか。大きな岐路となります。しかし、人によってそれは2年目かもしれません、5年目かもしれません。一歩踏み出しステップアップしてみるチャンスを「3年目教師」と表現しています。
ステップアップするポイントとして本書では次の5点をあげています。
- ひろげる・・・内容や対象をよりひろげていく
- ふかめる・・・内容をよりふかめていく
- たかめる・・・課題の難易度をあげる
- まかせる・・・より子どもたち自身の自主性を重んじる
- つなげる・・・子ども、親、地域、同僚などとつながる
よい授業が学級を育て、よい学級が授業をよりよくします。よい学級をつくりあげる「学級経営力」は教師に欠かせない力です。しかし、それは目の前の1時間、1日、1週間をうまく過ごすための方策でとどまってはいけません。この学級の子どもたちが、この先異なる集団に所属してもいきる力までをも見通すことが大切です。
同時に、子どもに向き合う時間と心の余裕を生み出すために「校務力」も身につけることも必要です。私たちには子どもたちが帰った後にも、すべきことがたくさんあります。それらを確実に実行していく力も欠かせない力(校務力)です。考え方を少し変えるだけで、きっと余裕が生まれます。
「学級経営力」同様、この「授業力」、1時間をうまく流すための方策であってはいけません。学級の「すべて」の子どもたちを笑顔にするためでなくてはなりません。さらには1年後、2年後、その先数年後を見据え、子どもたちが自己実現を果たしていくうえで、必要な力を培っていくことまでをも志向しなければなりません。そのためには教師自身が自分を磨き、高めていくことは不可欠です。
「授業力」はもちろん、人としての魅力でもある「自分力」もステップアップしなければなりません。それが教師としてステップアップすることにつながります。
授業力&学級づくり研究会は、「子ども、保護者、教師。みんな幸せ!」を合言葉に発足した会です。教科・領域、主義主張にとらわれず、授業力向上とみんなが幸せになれる学級づくりについて研究を進めています。月1回程度の定例会、年4回程度の公開学習会を開催しています。
次回の公開学習会は10月7日、テーマは「子どもをつなぐ授業!」です。
興味のある方は以下のホームページからアクセスしてください。
https://jugakuken.jimdo.com/
教師の仕事に喜びを感じ、「一生の仕事だ!」と誇りをもって言える教師がどれだけいるでしょうか? 目の前には、子どもたちとともに喜びを感じられることがたくさんあるのに、忙しさや次々と起こる課題や問題がある「いま」に、その喜び、誇りを感じられずにいる先生も多いのではないでしょうか?
人を育てる、人の人生にかかわる教師の仕事は、苦労や困難を凌駕するほどのやりがいと喜びに満ち溢れているはずです。「いま」を生きる私たちは、強い信念と経験に裏打ちされた知識と技術、そして仲間を持たなくては、「いま」に太刀打ちすることはできません。教師の職に幸せを感じることなど到底できません。
本書が、お読みいただいた先生たちの「いま」を助け、「教師の幸せ」に少しでも寄与できることを心より願っています。
