著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
国語科授業を変えるアクティブ・リーディング
福島大学教授佐藤 佐敏
2017/8/4 掲載

佐藤 佐敏さとう さとし

新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。博士(教育学)。
新潟県公立中学校教諭等を経て,平成27年4月より福島大学教授。
専門は国語科教育学。実践に役立つ授業理論の構築を目指している。

―本書で提案されている「アクティブ・リーディング」とは、どのような読み方のことなのでしょうか。簡単に教えてください。

 「主体的な読み手」になるためには、たとえ無意識であれ〈読みの方略(読み方や読みのコツ)〉を知っていたほうがよいでしょう。〈読みの方略〉を活用し、主体的に読書に向かう子どもの〈読み〉を「アクティブ・リーディング」と名付けました。

―本書では、国語科授業の中で獲得を目指す10の〈読みの方略〉が提示されています。これらを獲得することで、どのような効果があるのでしょうか。

 家庭の文化資本の高い子どもは、はじめから読めています。そういう子は自由に読ませればよいでしょう。しかし、そうでない子どもには、〈読みの方略〉を教えてあげたいと考えます。ここに挙げた授業を繰りかえすことで〈読みの方略〉を身体化させ、最終的には日々の言語生活が豊かになることを期待しています。

―実践編では、小・中学校の定番教材を扱った8つの授業例が載っています。こちらはどのように活用できるでしょうか。

 子どもの実態に応じて、ここに挙げた学習課題を提示してみてください。納得解や最適解は子どもに任せながら、着地点としての〈読みの方略〉や〈物語の法則〉について確認します。リフレクションを工夫することで、物語、小説、漫画、アニメ、映画、ドラマなどに触れる時に、それらの学びが転移されることをねらっています。

―新学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が求められていますが、「深い学び」の実現に向けて国語科の授業ではどのような改善が必要だとお考えでしょうか。

 〈根拠〉と〈理由〉をセットにして〈読み〉を表出させることを推奨します。〈読み〉の深さは、どの叙述に着目したかという〈根拠〉と、どういった経験にアクセスしたかという〈理由〉で明確化します。すでに授業している先生方は実感をともなって理解されていますが、〈根拠〉と〈理由〉が鮮明になると〈対話的活動〉はより活性化し、深い学びに導かれます。

―最後に、全国の小・中学校で国語を教える先生方に一言お願い致します。

 「分からないことが分かるようになること、できないことができるようになることが授業である」という授業観に立つと、現在も国語の授業は、「どんな力が付いたのか」「何が分かったのか」が不鮮明です。子どもたちの「?」が「!」になる国語科授業として、本提案は機能すると思います。その結果、今まで以上に「国語が好き」と言う子どもが増えることを願っています。「国語が好き」と言う子どもをさらに増やしたい先生方は、本書を手にしてみてください。

(構成:木山)
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