著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
人気教科「体育」の果たす役割は大きい!
大阪府箕面市立萱野小学校教諭垣内 幸太
2017/4/20 掲載
  • 著者インタビュー
  • 保健・体育
 今回は垣内幸太先生に、新刊『学級力が一気に高まる!絶対成功の体育授業マネジメント』について伺いました。

垣内 幸太かきうち こうた

1974年、兵庫県生まれ。大阪教育大学教育学部卒業。
2009年、関西体育授業研究会設立。
「体育科の地位向上」を合言葉に発足。月1回程度の定例会、毎年7月に団体演技講習会、11月に研究大会を開催。
2015年、授業力&学級づくり研究会設立。
「子ども、保護者、教師。みんな幸せ!」を合言葉に発足。月1回程度の定例会、年4回程度の公開学習会を開催。

―「学級力」とは、ズバリ何でしょうか?
  1. すべての子どもの居場所、互いの思いを伝え合える雰囲気
  2. 何か事にあたるときの集団としての勢い
  3. ここちよい笑い、朗らかな笑顔

 これらを集団として持ち合わせている学級、それらを創り出そうとする力のある学級です。もちろん、体育のみならず日々のすべての教育活動で育んでいくものです。しかし、小学校6年間において、国語、算数に次ぐ時間数を有し、子どもたちからも人気の高い体育授業が果たす役割は、決して小さくはありません。

―なぜ、体育授業が上手な教師は学級経営力も高いことが多いのか、体育授業が他教科と違うところを教えてください。

 学級経営力。それは子どもたちを導く力とも言えます。「よい学級」を目指して、教師は日頃より力を磨き、高めていきます。その中でも広い空間でおこなわれ、身体技能の習得という特別な教科である体育だからこそ磨かれる教師力があります。
 体育授業が上手な教師とは、「体育で子どもを思い通りに動かせているかどうか」という表面上のことのみならず、すべての子どもが笑顔で主体的に学習に取り組む授業ができる教師です。毎時間そのような体育授業を構想することに努めていれば、おのずと学級経営力はグンと高まることでしょう。

―教師自身、運動が苦手でも、体育授業のマネジメント力を上げることは可能ですか。

 もちろん可能です。周囲の先生を見ていると、むしろ運動が苦手な先生の方が、マネジメントが優れている場合も多いです。なぜかと考えたときに、運動が得意な人は、自らの経験に任せて、説明や手本を見せることがどうしても多くなる傾向にあります。しかし、苦手だと感じている先生は、子どもたちが考える場、教え合う場、練習する場など子どもが活動する場面をいかに組み込んでいくのかをしっかり準備する傾向があります。「わからない。できない」という子どもの側に立って物事を考えることがマネジメント力をあげる大きな要因ではないでしょうか。

―体育授業のマネジメント力を、他教科のマネジメントに生かすためのアドバイスをお願いします。

 本書に書かれているマネジメントは、他教科にも通じることを意識して述べています。その中でも、子どもたちの学習への参加率をみることは、マネジメントの成否の大きな判断基準になります。参加率とは、「もっとやりたい!」「どうしたらいいか考えよう!」など、学習への意欲があふれ出ている状態です。
 次の4つの視点を意識して授業を組み立てていくことを本書で示しています。

  1. 方向性をはっきり示す
  2. 子どもたちの思考や感情の流れを予測する
  3. 少し頑張れば越えられそうな壁をつくる
  4. 身体と頭の「ずれ」を生み出す場面を設定する

 体育で培ったこれらの視点を、他教科においてもぜひ心がけてみてください。

―最後に、読者の先生方へ向け、ぜひメッセージをお願いします。

 人気教科である体育。同時に、体育の時間に対する子どもたちからの期待が大きいのも事実です。体育の時間が元で学級が崩れていくこともあります。体育の授業が学級力を高め、すべての子どもたちが満足できる時間になるためには、マネジメント力はかかせません。
 本書は、体育を通して一人でも多くの教師と子どもの笑顔が増えることを願って、私たちの経験や知識をまとめたものです。私たち教師は同じ「教師」という職業名ですが、対象としている子どももおかれている環境も様々です。しかし、そのような教師を常につなげてくれるのが目の前の子どもです。私たちと出会った子どもを通して、本書を読んでくださっている方の子どもの前に立ったつもりで書きました。本書を読んだことで、子どもたちが笑顔になることを切に願っています。

(構成:木村)
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