著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
トークとネタで、子どもの心をわしづかみ!
東京都中野区立桃花小学校 佐々木陽子
2017/2/7 掲載
 今回は佐々木陽子先生に、新刊『子どもの心をガッチリつかむ! とっておきの教室トーク&学級経営ネタ60』について伺いました。

佐々木 陽子ささき ようこ

1976年島根県松江市生まれ
現在,東京都中野区立桃花小学校勤務
仕事,家族,友達,趣味…それぞれの時間を大切に充実した毎日を過ごしている。

―本書には、教室でそのまま使えるトークとそれにかかわる学級経営のネタがたくさん収められていますが、入学したての1年生には、まずはお話を聞かせるだけでも大変だと思います。佐々木先生は、演出など、どのような工夫をされているのでしょうか。

 入学したての1年生にトークだけで勝負するのは無謀です。手品、ペープサート、ぬいぐるみ、紙芝居、先生自身による変装(笑)など、視覚的なあらゆる手段を使いながらのトークで引き込んでいくことが私のセオリーです。パッと目に入るものの印象が強ければ強いほど、聞く耳をダンボにしてくれますよ。
 また、何かになりきって話すのも手軽で有効な手段です。普通に話している途中に「〇〇だぴょん!」(子どもたち爆笑)「あっ、いけないいけない、先生は実はカエルということがバレるじゃないか」などと言いながらトークを進めると盛り上がります。
 あの手この手で先生自身が楽しんでトークの演出をすることが大切ですね。

―逆に、6年生ともなると、先生がお話で盛り上げようとしても、子どもの反応がイマイチ、ということもありそうです。そんな子どもたちをうまくノセる秘策があれば教えてください。

 そうですね、6年生ともなると、1年生のようにはしゃいで聞いてくれるかと思いきや、ドン引き…ということもありますね。そこを逆手にとって、引いた瞬間に「ここ笑うところなんですけど…」「わぁ、先生サムいなぁ…(自虐)」と切り返すだけでドッと笑いが起こり、トークのやりとりがおもしろくなることもあります。
 子どもが好きなお笑い、ユーチューバーの話題から、今日のニュースや身近な問題などを取り上げると、興味を示してくれます。伝えたいこととテレビのニュースを関連させて話したり、先生の体験談と絡ませて話したりすると盛り上がりますね。

―子どもの前でお話をすることは、学校の先生方が一番大きな時間を割く仕事であると言えると思います。特に「話し方」について、何か気をつけていることはありますか。

 声の大きさ、速さ、抑揚は意識しています。これを変化させるだけで、子どもに与えるインパクトが変わり、指導が入りやすくなりますね。
 例えば、話を聞いてほしいとき、あえて早口で話したり、小さな声で話したりします。すると、子どもたちは「先生、聞き取れません! 今なんて話しましたか?」と聞き返してきます。こうして、自然に話の内容を聞きたい気持ちにさせたり、集中力を高めたりすることができます。

―最後に、読者の先生方へメッセージをお願いいたします。

 子どもと共に歩むこのお仕事。「学校の先生を楽しもう! 味わい尽くそう!」と自分自身がしかけていくと、ものの見方や考え方が変わりますね。
 そんな気持ちでこの本を読んでいただいて、さらに元気になっていただいたら幸いです! まずは、試してみる。次に、アレンジしてみる。さらに、新しいトークやネタを創り出していく。とっておきの教室トーク&学級経営ネタを、思う存分楽しんでください!

(構成:矢口)
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