著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ルーブリックで小学校・中学校の道徳授業と評価を変えよう!
創価大学大学院教職研究科教授石丸 憲一
2016/7/14 掲載

石丸 憲一いしまる けんいち

兵庫教育大学大学院修了。静岡県公立小学校教諭、創価大学教育学部准教授等を経て創価大学大学院教職研究科教授。専門分野は国語科教育学、道徳教育学。

―石丸先生が道徳授業にルーブリックを取り入れようと思ったのはどういうことがきっかけですか。

 道徳科が創設されて評価しなければならなくなるということについては、皆さんご承知のことと思います。そして、それが所見によって行われるらしいということも耳に入っているでしょう。しかし、先生方は道徳の授業の評価をしたことがありません。どうしたらよいでしょう。これまで総合的な学習や外国語活動でしてきたような経験に頼るような評価では道徳科の授業改善に役立ちません。どう評価するかという評価の観点をできるだけ具体的にしておく必要があり、それを実現するルーブリックを取り入れることが確実で効果的だと考えました。

―ルーブリックを取り入れるメリットにはどのようなことが考えられますか。

 日常的に子供たちを見ていれば大体の評価をすることはできます。しかし、それは自分の物差しで評価し、「自分の授業に子供たちがどれくらいついてくることができたか」を評価することになってしまいます。自分の指導に足りないところがあったから子供たちが十分な成果を得ることができなかったという視点を持って授業を振り返るには、ルーブリックの具体的な観点に基づいて評価することが近道です。それが子供たちの適正な評価にもつながります。

―本書の第3章では評価に使えるルーブリックが内容項目ごとに整理されています。この部分はどのように使うことができるでしょうか。

 まずは、ルーブリックの前にある記述をお読みください。内容項目をよくよく見つめてみると、今まで授業してきた中では考えてもみなかった関係性や奥深さが見えてきます。先生方ご自身が道徳を面白いものと感じるには、まずここで立ち止まって哲学してみることをお勧めします。そして、それをふまえ、この内容項目で子供たちの道徳性の表れがどういう形で見られるかを検討し、自分が授業する子供たちの実態に合わせて手立てを考えます。本書を活用してその次を考えてください。

―「読む」道徳から「考え、議論する」道徳への変化に対応するためには、どのように授業を変えればよいのでしょうか。

 「読む」道徳では、往々にして建て前に終始してしまうことがありました。さらに一歩踏み込み、それぞれの児童・生徒が本音を出し合うことで道徳性に迫ることができ、「考え、議論する」道徳が実現します。そのためは、この内容項目、この教材での建て前と本音は何なのかを押さえ、ダイレクトに本音に切り込んでいきます。実際のところはどうなのか、そういう自分をどう思うのかを問い、メタ認知を促します。

―最後に道徳科授業のアクティブラーニングに取り組む全国の先生方に、メッセージをお願いします!

 道徳科をアクティブラーニングにより活性化させることは、もちろん子供たちに素晴らしい恩恵を与えます。そして、それと同じくらい道徳科に取り組む教師にとっても素晴らしい世界が広がります。教師にとっての最大の楽しみは、楽しい授業をすることです。道徳科の授業にアクティブラーニングを取り入れることによって道徳が型にはまったものでなくなり、格段に楽しい授業になって、子供も教師も共に楽しい時間を共有することができます。先生方、道徳科の授業を楽しんでください。

(構成:木山)
特集 「特別の教科 道徳」
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