著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
生徒を伸ばす部活動で自立を促す!スポーツコーチングの極意とは?
一般社団法人コーチングバリュー協会代表理事東根 明人
2016/2/23 掲載
  • 著者インタビュー
  • 教師力・仕事術

 今回は東根明人先生に、新刊『部活動指導が必ずうまくいく!教師のためのスポーツコーチング入門』について伺いました。

東根 明人あずまね あきと

一般社団法人コーチングバリュー協会代表理事 博士(医学)
社会福祉法人大宝会宝保育園理事

―本書は中学校・高等学校で部活動の指導をする先生に向けたスポーツコーチングの入門書ですが、そもそも「スポーツコーチング」とは一体どのようなものなのでしょうか。

 これまで行われていた、「軍隊型」指導から「チーム型」指導に転換する、「理論と方法」です。軍隊型指導では、教師の指揮命令のもとに生徒を動かしていました。そこに、生徒の自発性、主体性そして創造性はどの程度あったのでしょうか?生徒は、動かす「もの」ではありません。教師は生徒を生かす「こと」を考えなければならないと思います。その具体的な考え方(理論であり指導哲学)と方法が、「スポーツコーチング」になります。

―部活動の指導に、スポーツコーチングを取り入れる最大のメリットは何ですか。

 「新しい価値観」が創造されることです!生徒と教師が一緒に取り組むことにより、これまで想像しなかったことが生まれます。その理由は、生徒と教師がお互いを人間として尊重することによる、「相乗効果」にあると思います。「立場が違うだけで、人間としては対等」という考え方で、みんなが部活動に取り組んだなら、「混乱を生む」と想像する方は、固定観念に自身を縛りつけていますね(笑)!

―本書はスポーツコーチングの理論をもとに、部活動の指導中の具体的な悩みにQ&A形式で応える構成になっています。理論編、Q&Aそれぞれの活用法を教えてください。

 理論編は、「基本」になります。Q&Aは、参考にしていただくための、「一例」です。基本の内容は、スポーツコーチングの「根っこ(考え方、指導哲学)」にあたる部分と、「枝葉(具体的な方法論)」の部分があります。根っこを理解すると、それぞれの環境や状況に応用できます。Q&Aは、ほんの一例ですから、必ずこのような方法を取りなさい、という意味ではありません。教師のみなさんが実践する際の道しるべ、と理解してください!

―本書では、生徒自身の自己決定を尊重することが主体的な学びにつながることが示されています。部活動の指導以外でもスポーツコーチングを応用できる場面はありますか。

 あります!たとえば、授業、生徒指導、学級経営そして学校行事など多岐にわたります。なぜでしょうか?本書をご一読いただき、一緒に考えましょうね!建設的なご批判、生産的なご意見をぜひお寄せください!

―最後に部活動の指導に取り組む全国の先生方に、メッセージをお願いします!

 教師が管理する軍隊型の部活動は、過去の遺物です。あなたが受けた指導だったから、みんなやっているから、他に知らないからといって安易な方法を取るのを、教育とは言いませんよね!生徒たちはみんな、「責任を持ち、みんなと仲良く、誰かの役に立ちたい!」と考えています!教師のみなさんが、継続的に自分の思考能力を研き、それを高める活動を率先しましょう!

(構成:木山)

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