著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「あの先生はプロだ」と感じさせる教師に共通する“視点と思考”大公開!
追手門学院小学校講師多賀 一郎
2014/5/12 掲載
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  • 教師力・仕事術
 今回は多賀一郎先生に、新刊『学級づくり・授業づくりがうまくいく!プロ教師だけが知っている50の秘訣』について伺いました。
多賀 一郎たが いちろう

 神戸大学教育学部卒。附属住吉小学校を経て、私立甲南小学校に31年間勤める。現在、私立追手門学院小学校講師。元日本私立小学校連合国語部全国委員長。専門は国語教育。「親塾」を開催して、保護者の子育て支援を行ったり、若い教師の育成に尽力したりしている。また、公立私立での指導・講演、幼稚園やサークルなどで絵本の話をしている。
 著書に、『ヒドゥンカリキュラム入門―学級崩壊を防ぐ見えない教育力―』『はじめての学級担任4 1から学べる!成功する授業づくり』『小学校国語科授業アシスト これであなたもマイスター!国語発問づくり10のルール』(明治図書)、『子どもの心をゆさぶる多賀一郎の国語の授業の作り方』『全員を聞く子どもにする教室の作り方』『今どきの子どもはこう受け止めるんやで!』『一冊の本が学級を変える』(黎明書房)など多数。

―本書でめざされている「プロ教師」は、よく言われる「カリスマ教師」や「名人教師」とはどう違うのでしょうか?

 頭が痛いと言って来院した患者に、若い医師が「私はまだまだ新米ですから、ちゃんと治るかどうか自信がありません」と言ったら、患者はどう思いますか? 名医と言われるには努力と才能と経験がいるでしょうが、医師として患者の前に立つ以上は、プロとしての意識を持たなければなりません。
 教師だって、同じです。仕事として教師をしている以上は、全員が「プロ教師」です。カリスマでも名人でもなくても、目の前の子どもに対して責任を持たなければならないということです。

―若手の先生がプロ教師を目指すときに、先生が「これだけは」と思われることはなんですか?

 完璧をめざすな、ということです。
 教育は、全て見切り発車です。僕は、完璧に準備ができたと思って教壇に立ったことは、一度もありません。教師としての準備時間は、限られているのです。どこかで「見切り発車」しないと、きりがないのです。「プロ教師」=「完璧」とは、思わないことです。

―中堅・ベテランの先生は、少しハードルが上がるのだと思いますが、プロ教師としてどのようなことが求められるのでしょうか?

 中堅は、教科面でのレベルアップが必要です。小学校で全教科を毎日教えながら、日々の教科を深いものにしていくのは、3年目までの教師には難しいことです。しかし、学校行事、学級づくりというものが、ある程度できるようになってきたら、教科についても深い実践ができるようにならなければいけません。
 ベテランは、保護者対応と他の教師のフォローまでできてこそ、「ベテランプロ教師」です。プロ教師にも、ステップがあるということです。

―第3章では、「プロ中のプロ教師」として、八巻寛治先生、中村健一先生、山田洋一先生とそれぞれ対談的インタビューをされていますが、それぞれのインタビューで印象に残ったことを教えてください

 本文にも書きましたが、八巻寛治さんの不思議な経歴が、今のバリエーションのあるスキルにつながっているのだなということ。最前線で戦闘に立って戦っている切り込み隊長が、中村健一さんだなということ。山田洋一さんのような優れた実践家でも、紆余曲折、ジレンマ等を抱えていたんだなということ。
 格式ばらない、酒屋での、ふだんの会話の延長のようなインタビューの良さが出ているように思います。

―最後に、読者の先生方にメッセージをお願いします。

 誰が何と言おうと、教師として報酬を得ていること、しかも、それは決して生活もできないような安いものではないということの責任を自覚してほしいと思います。
 みなさん、プロなのです。もちろん、一流の教師、カリスマ教師ではないかもしれません。でも、目の前にみなさんのアドバイスや指導を待っている子どもたちがいるのです。その子たちを育てられるのは、自分しかいないのだ、ということを忘れないでください。

(構成:杉浦)
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