著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
Can DoとChallengeで、英文法をすらすら覚えよう!
前・小鹿野町立小鹿野小学校教諭瀧沢 広人
2014/4/23 掲載

瀧沢 広人たきざわ ひろと

小鹿野町教育委員会学校教育課指導主事兼主幹(前・小鹿野町立小鹿野小学校教諭)
大学4年より、教育技術の法則化運動(現:TOSS)で学び、授業を楽しく、わかりやすく、力のつく指導法を研究。その成果を著書に残す。多くの子どもたちが英語が好きになり、活動の多い授業は、生徒を飽きさせない。現在は、達人セミナーやELECなど全国で講演・ワークショップを行っている。

―英文法には教えなくてはならない項目が多いのですが、それを1枚のワークシートにまとめたねらいは何でしょうか?

 授業は常にシンプルでありたいものです。そこで文法事項のエキスを1枚のプリントにまとめることによって、「これだけは…」という内容を盛り込み、生徒への負担感を減らすよう努力しました。
 英文法のよい「まとめ」になるかと思います。

―本書のワークシートは、「Can Do」と「Challenge」の2部構成になっていますが、それぞれどのような特徴がありますか?

 文法指導のねらいは2つあります。
 1つは、「文法の知識」を教えることです。つまり理解の段階になります。不定詞であれば、「toの後ろは動詞の原形になる」というようなことを、きちんと教えることです。
 もう1つは、得た知識をもとに「使えるようにする」ということになります。こちらは表現となります。
 本書では、前半を「理解(=CanDo)」で、後半を「表現=(練習・習熟)」を図りながら、文法知識が本当に理解できているのかを確認するために2段構成になっています。

―英文法のさらなる理解・定着につながる本書の活用例を教えてください。

 定着は、繰り返しとOutput(自己表現)により可能になります。本書のワークシートでは、真ん中の線で折り、ペアで楽しく文法項目を確認し合うことができます。また、家に帰ってから1人で確認することもできます。
 いずれにせよ、この1冊が手元にあれば、文法のまとめや中学3年生に文法を確認させるときには、もってこいの教材となるでしょう。

―コミュニカティブな授業が注目される中、教師はどのようなスタンスで英文法を教える必要があると、瀧沢先生は思われますか?

 私は何事もバランスが大事だと思っています。でも初めからバランスを求めると、通り一遍の指導しかできない平坦な授業になってしまいます。そこで、ある時期は、コミュニケーション重視で進め、授業を行います。すると、だんだんと今度は生徒の音読力や内容理解の能力、英文法、視写などの課題が見えてくるでしょうから、そこで基礎・基本を確認する単元にしてみよう…のように1年間を通して、生徒の実態を見ながら、バランスをとることが大事かと思っています。
 しかし、年間を通して、力を入れ続けなくてはいけないことが2つあります。それが「単語」と「文法」です。単語と文法だけは、軽重をつけず、きちんと教えていきたいものです。

―最後に、全国で英語を教える先生方にメッセージをお願いいたします。

 渋沢栄一の言葉に「夢七訓」というのがあり、何をするにも、まずは「夢ありき」ということが言われています。新しい年度を迎え、ぜひ、先生方とともに、夢を持って、日本の英語教育発展のために、さらに精進していきたいと思います。

(構成:木山)

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