音楽は、障害のある子の心とからだを動かす力を持っている!
2014/3/26 掲載
- 著者インタビュー
- 特別支援教育
今回は齋藤一雄先生に、新刊『思わずからだが動き出す!障害のある子のリズム表現エクササイズ』について伺いました。
―障害のある子どもたちにとって、音楽はどんなところに魅力を感じるのでしょうか。
まず、音楽は子どもたちの情動に訴え、楽しい、悲しい、うれしいを感じやすいという魅力があります。次に、音楽が流れると思わずからだが動き出すという魅力があります。さらに、音楽は自分を表現しやすい手段となるという魅力があります。
―うまく体が動かせない子どもに、リズム活動を指導するときのコツがありましたら、ぜひ教えてください。
これなら気持ちよく動かせる、という動作を見つけてください。そして、笑顔で一緒にやってみて、それでいいんだよと認めてあげてください。さらに、その子の動きに合わせて音楽を鳴らしてあげてください。
―本書には38のリズム活動が収録されていますが、曲選びのアドバイスをお願いします。
子どもたちの実態を細やかにつかみ、どんな音楽活動が好きなのか、どんな音が嫌いなのか、どんな活動が課題となるのか吟味してください。そうしますと、どの段階のリズム表現活動が必要なのか見えてきます。本書でも、曲毎に、どんな子どもにどんな効果があるのかを記しました。
―リズム活動を取り入れることで、子どもたちがこんなに変わった!というエピソードがありましたら、ぜひご紹介して頂けますでしょうか。
いつも下を向いてばかりの子がいました。視覚的な教材にも目を向けてくれませんでした。ところが、本書にも収録した「ほっぺにツン」「それ拍手!パン」などの活動をつかって、音と動作の両方で働きかけましたら、笑顔になり、両手が動き出しました。
―最後に、読者の先生方へ向け、ぜひメッセージをお願いします。
まず、先生方自身が楽しく笑顔で子どもたちに接しましょう。そして、子どもたちに「それでいいんだよ」とうなずいてあげましょう。それから、複数の曲をいくつか取り上げて、何回もやってみましょう。継続は力なりです。
(構成:木村)
コメントの受付は終了しました。