著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
絵本のストーリーを生かした外国語活動で子どもの心を育てよう!
恵泉女学園大学人文学部英語コミュニケーション学科准教授村岡 有香ほか
2014/2/28 掲載

村岡 有香むらおか ゆか

恵泉女学園大学人文学部英語コミュニケーション学科准教授
1972年北海道生まれ。北星学園大学文学部英文学科、Ball State University大学院修士、Teachers College、Columbia University大学院教育修士、国際基督教大学大学院教育学研究科博士修了。2010年より恵泉英語教育研究会(KEES)を担当。

―英語の絵本を外国語活動で学習ツールとして使うことには、どのような効果が期待できるでしょうか?

 外国語学習に適した教材は、オーセンティックで、児童のレベル、ニーズ、興味に合ったものがよいとされています。このすべての特徴を絵本は持ち合わせています。本書で紹介している絵本はすべて英語を母語とする子ども用に書かれており、言葉が自然で、ストーリーがおもしろく、挿絵が英語の理解を助けます。
 絵本を通して英語に触れることで、無理なく英語を英語のまま体に取り込む体験ができ、また感受性を育むという副次的な効果も期待できます。

―「絵本の読み聞かせ」だけでなく、ゲームやクイズなど、アクティブな内容も紹介されています。これらを授業に組み込むねらいは何でしょうか?

 通常「絵本の読み聞かせ」は、授業の一部として行われることが多いかもしれませんが、本書では「絵本のストーリー理解」をレッスンの中心に据えて、授業を展開しています。子ども達が絵本の内容をしっかりと理解できるように、絵本のテーマや出てくる表現に様々なコミュニカティブな活動を通して徐々に慣れていくように導くのがねらいです。

―本書には明治図書ONLINEよりダウンロード可能な絵カードが用意されています。この絵カードを使った効果的な指導法を教えてください。
  1. 「教える」のではなく、絵カードを使って子どもの発話を促す
  2. 質問カードを大いに活用して、対話の多い環境をつくる
  3. 黒板に貼り、教師のジェスチャーを視覚的に表す

―本書ではバラエティーに富んだ絵本が紹介されていますが、どのようなポイントで選ばれたのでしょうか?

 次のポイントで選びましたので、参考にしてください。

  1. 絵に力と愛情がこもっていると思われるもの
  2. 絵だけを見て、おはなしが推測できるもの
  3. ある程度大きな判で、文字数の少ないもの
  4. (できるだけ)見開きがひとつのシーンとなっているもの

―最後に、全国の小学校で外国語活動の指導にかかわる先生方にメッセージをお願いいたします。

 子どもたちが「英語が嫌い、苦手」と感じないように、英語を効果的に楽しく教えるのはとても難しいことだと思います。絵本はストーリーが楽しく、絵も魅力的、内容も容易に理解できることから、「英語が分かる、楽しい」と思えるきっかけを作る可能性を秘めています。ぜひ本書で紹介している絵本を外国語活動で活用してくださると嬉しいです。

(構成:木山)

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