著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
英語カルタで「生活語彙」をどんどん覚えて使おう!
千葉大学教授西垣 知佳子
2013/7/19 掲載

西垣 知佳子にしがき ちかこ

千葉大学教授。専門は英語教育学。大学では、小学校、中学校、高校の教員養成にあたり、英語科教育法、教材研究、授業研究等を担当する。

―この本で扱っている「生活語彙」とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

 子どもたちの生活に必要な語彙を客観的に選んだものです。生活語彙は必要でありながら、中学・高校の教科書で扱われる機会が少なく、日本人の英語力の弱点とされてきました。本書では、コーパス言語学で用いられる手法を使って、学習効率の高い生活語彙を選んでいます。

―本書に掲載されているカルタには、読み札にヒント英文がついているそうですが、それはどのように活用できますか?

 読札にはヒント英文が5つずつ載っています。ヒントの組み合わせを変えるとスリーヒントゲームを繰り返し行えます。また「読む」活動ができます。例えば、読札を机に広げ、先生がヒントを読んで生徒が読札を取ります。あるいは1枚の読札から先生がヒントを読んで生徒がそれを指さします。また、中学校では生徒が読札を読んで、生徒同士でスリーヒントゲームができます。

―本書をご購入いただいた方には、データをダウンロードできる特典もあるそうなのですが、それはどのようなものですか?

 カラー版の絵札をダウンロードできることです。しかも綴りがついた「文字つき絵札」と、綴りのない絵だけの「文字なし絵札」の両方が入手できます。本書に掲載されていない「文字なし絵札」があると、「文字あり絵札」との使い分けができ、利用価値は高いことでしょう。また、カラー印刷ができない場合でも、グレースケールの絵札を作ることができます。

―カルタやゲームを通して、英語を学ぶメリットにはどのようなことが挙げられますか?

 楽しく英語に触れることができます。カルタは聞き取れないとゲームに参加できないので、子どもたちは必死に聞いて理解しようとします。わかったふりをして、時間を過ごすことができません。また、絵札と読札の組み合わせ方で、「聞く」ことからスタートして、「話す」「読む」「書く」力も育てられます。

―最後に全国で英語を教える先生方に一言メッセージをお願いいたします。

 本書の絵札と読札の遊び方は無限大です。小学校では、カルタを介在させて、先生と子どもたちの英語をとおしたインタラクションが広がります。中学校では、クリスクロス、ドリル練習、表現活動にカルタを利用できます。先生方の豊かな発想で、本書のカルタを徹底的に使い倒していただきたいと願っています。

(構成:木山)
コメントの受付は終了しました。