著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
自分の力で英単語を読める生徒を育てよう!
愛媛県八幡浜市立八代中学校教諭武田 千代城
2013/5/23 掲載

武田 千代城たけだ ちよき

愛媛県八幡浜市立八代中学校教諭。
1960年愛媛県生まれ。1982年、徳島大学教育学部中学校英語科卒業。2000年、愛媛大学大学院英語教育専修修了。「全国英語教育学会」、「全国語学教育学会」、「大学英語教育学会」、「日本英語音声学会」会員。2008年に英語音声学者(Phonetician of EPSJ)の認定を受ける。「発音記号の指導を取り入れた中学校の英語教育実践」で2008年度ELEC賞受賞。フォニックスに関する論文およびプレゼン多数。教職経験31年。

―発音記号は、中学2年生用の英語教科書から掲載されていますが、この発音記号を生徒に指導するメリットは何でしょうか。

 発音記号を学ぶことによって、知らない単語や読み方が不安な単語を人に聞かなくても自分の力で正しく発音できるようになります。この技能の習得は生徒たちにとって大きな喜びであり、その後の英語学習への大きな励みとなります。実際、高校や大学へ進学した私の教え子たちが、中学校で習った発音記号が今とても役に立っていると口々に言ってくれます。

―発音記号の指導を無理なく授業に取り入れるためにはどのようにすればいいでしょうか。

 48個の発音記号を毎回授業で1つずつ扱い、約4か月かけて指導します。具体的には授業の最初の5〜10分を“発音記号学習”の時間として位置付け、本書掲載の「発音記号学習表」やワークシートを用いて計画的に少しずつ指導していきます。この発音記号学習の時間は生徒たちの知的好奇心をそそる楽しいウォームアップの時間となり、授業全体を活気づけてくれます。

―本書は『同シリーズ15巻 英単語が必ず読めるようになる! 驚異のフォニックスワーク35』の姉妹品ですが、この2冊の効果的な活用法を教えてください!

 『フォニックスワーク』は中学1年生用、『発音記号ワーク』は中学2年生(最適)、中学3年生、そして、高校生用です。この理由は、フォニックスは英語の音声を文字と結びつける入門期の指導に威力を発揮し、発音記号は英語の音及び音と文字の関係に慣れてきた中1以降の生徒の指導に効果的だからです。
 日本の生徒の発音指導には「フォニックス」と、「発音記号ワーク」の両方の指導が必要不可欠であると私は考えています。

―フォ二ックスや発音記号の指導があることを生徒はどのように受け止めていますか。

 「フォニックス学習」、「発音記号学習」のいずれについても生徒たちはたいへんよい評価をしてくれています。英語教師としてうれしい限りです。この点に関しては、アンケート調査の結果をそれぞれの本に詳しく載せていますから、ぜひそちらをご覧になってください。

―最後に全国で英語を教える先生方に一言メッセージをお願いします。

 この際ぜひ『フォニックスワーク』『発音記号ワーク』の両方を使って、中1年生にはフォニックスを、中2、中3年生、そして高校生には発音記号をさっそく明日から指導してみてはいかがでしょうか。早ければ早いほど効果があります。みなさんの生徒たちが目を輝かせてこの学習に取り組む姿が目に浮かんできます。そして、みなさんから教わったフォニックスや発音記号のスキルは、彼らにとって生涯役立つことに疑いはありません。

(構成:木山)
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