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「考えを説明する」ための技能と、それを受け入れる「温かい人間関係づくり」だと考えています。
今、多くの子どもたちは、「自分の考えを上手く説明できない」「自分の意見に自信がない」という悩みを抱えています。その解決のためには、子どもが「話すこと、聞くことの技能」を学びながら、それを試し、試行錯誤できる「温かい学級づくり」が必要なのです。したがって教師は、「話し方・聞き方の指導」と「人間関係づくりの指導」の両方を、意識的に同時に行っていく必要があると考えています。
「話し方・聞き方」の指導は形骸化しやすいですし、「人間関係づくり」の指導は説得や言葉による「押しつけ」になりがちです。
しかし、両方を同時に行えば、「話し方・聞き方」の指導の裏に「人間関係づくり」をそっと潜ませ、押しつけではない体験型の指導をすることが可能になります。どちらかをメインにすることにより、もう一方を無意識のうちに指導できるのです。
「話し方・聞き方」や「人間関係づくり」は定着しにくく、学年が変わるたびに仕切り直しになります。そこで本書では、各学級の「レベル」に合わせたアクティビティを始められるよう考えました。どの学年でも、どの教科でも、多様な場面で活用して欲しいという願いもあります。
1・2年生でも6年生並みの話し方・聞き方の力を持ち、同時に温かい人間関係をつくれるよう、レベルアップが図れると信じています。
- 「1分間サイコロ言葉ゲーム」をしよう……楽しく盛り上がること間違いなし!です。
- 「どこにあるか教えよう」……活動の内容がはっきりしているので、取り組みやすく楽しめます。
- 「アイデアをいっぱいしぼり出そう」……ちょっとした空いた時間に活動でき、日常に活用できます。
3つともレベルAのアクティビティなので、まずは先生が楽しく盛り上げましょう。その後、レベルB・Cにチャレンジを。
授業には、「話し方・聞き方」と「温かい人間関係」が必要です。それを同時に育てるためには、本書の「役立つアドバイス」での見取りが必要です。本書のアクティビティを活用することで、子どもたちの話し方・聞き方に変化が生まれ、友だちの言葉を受け止める姿勢が育っていけば、学級の人間関係は劇的に変わるはずです。学年末に「またこの学級で学びたい」という学級になることを願い、本書をお届けします。
