著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
わらべうたですべての子どもが心からの笑顔に!
広島わらべうたセンター〈空色の家〉代表たかぎ としこ
2012/11/30 掲載
 今回はたかぎとしこ先生に、新刊『わらべうたですくすく子育て』について伺いました。

たかぎ としこ高城 敏子

大学卒業直後に“音楽教育の最初にわらべうたを”という「コダーイ芸術教育研究所」の理念に出合い、わらべうたとコダーイシステムを学び始める。それまでは西洋音楽に傾倒していたが、再会した日本のわらべうたの素朴でシンプルな美しさに衝撃を受ける。以来40年、日本各地のさまざまな現場で、幅広い年齢層の人々と“年代バリアフリー”のわらべうた実践交流を続け今日に至る。また、長年各地の保育士や音楽の先生たちのセミナーやワークショップの講師も務める。著書に『わらべうたでいきいき保育』、CDうたって遊ぼうわらべうたシリーズ「1 季節・年中行事とわらべうた いろはにこんぺいとう」「2 子守歌・ことば遊び・やさしい二声 ころころこーろころ」がある。愛知県出身。東広島市在住。

―本書は、『わらべうたでいきいき保育』に続いて2冊目の本ですね。前著とはどのようなところが違うでしょうか。本書の特徴とともに教えてください。

 前著『わらべうたでいきいき保育』は、主として保育園や幼稚園の現場で保育士や先生方に季節や年間行事、発表会などで、どのようにわらべうたを取り入れていったらよいかの提案をさせていただきました。今回の『わらべうたですくすく子育て』では、前著の内容に加えて、子育て支援から高齢者の集いまで幅広い場所で実践されている現代進行形わらべうたを紹介させていただきました。
 どんな現場にあっても、まずは大人がわらべうたをうたい遊ぶことが大好きなこと。自分のものにした大好きなうたのレパートリーを増やしていくこと。わらべうたを子どもに提供したときの子どもの反応を見のがさないこと。そして何より大切なことは、子ども自身のうたいたい気持ち、“うたう喜び”を呼びさまし引き出してあげることだと思います。

―わらべうたと最近の子どものうたと、うたったときの子どもの反応はどのように違うのでしょうか。わらべうたならではのよさを教えていただけますか。

 伝承のわらべうたの場合、特に赤ちゃんから5、6歳の幼児は、とてもリラックスして聞き入り、自分の方から自然に身体を動かして相手と関わり遊ぼうとします。心地よいリズムと揺れで眠ってしまう乳幼児もいます。他方、声のボリュームが大きくテンポも速めで、楽器伴奏なども多用されるアニメソングや創作遊戯歌などの場合は、思いきり楽しめる子と、雰囲気にのまれて緊張しほとんど参加できない子と分かれる傾向があります。歌としては音域の少ないわらべうたの方がうたいやすいですね。

―先生は、各地でわらべうたのセミナーも行っていますが、子どもにわらべうたを実践するとき、常に心がけていることがありましたらぜひ教えてください。

 実際に子どもとわらべうたで遊ぶとき、まず最初に、どうしたら緊張した空気が緩み子どもが笑顔になって遊んでくれるか導入に苦心します。手作り人形をだして名前呼びをしたり、ボールでだるまさん転がしのうたを唱えたり、反応を受け止めながらその日のテーマに沿ってわらべうたをうたい遊んでいきます。普通の声で静かにはなし、うたうときもそのまま自然な声で、でもその曲のイメージにあったうたい方をするよう心がけています。同時に子どもたちがいつも積極的にうたいながら遊ぶように励まします。

―最後に、保育や子育てにわらべうたを取り入れてみようかなという方々へ向け、メッセージをお願いします。

 時空をこえて今日まで伝承されてきたわらべうたには、どんな短いうたでも必ず伝えたいメッセージがあります。わらべうたの生命力を感じ、そのメッセージとは何かをさがしてみませんか。まずは、そのうたがどんな風景の中でうたわれたうたかを想像し、わかるまで何度もうたってみましょう。それからそのイメージをもとに遊び方を工夫して遊んでみましょう。あなた自身がうたにこめられたご先祖の智恵と愛情を感じとってから、子どもといっぱい遊ぶことがいちばん大切だと思います。

(構成:木村)
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