著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「人気の先生」になろう!
千葉県八千代市立萱田南小学校教諭飯村 友和
2012/7/23 掲載

飯村 友和いいむら ともかず

1977年千葉県生まれ。現在、八千代市立萱田南小学校勤務。教育サークル「明日の学級づくりを語る会」代表。

―「人気の先生」がいるクラスはどんなクラスだとお考えですか?

 人は嫌いな人の言うことはなかなか聞くことができません。
「一生懸命勉強しなさい。」
「友達と仲よくしなさい。」
 言っていることは正しくても、これらの言葉を嫌いな人から言われた場合、素直に聞くことはできません。反発するかもしれません。
 一方、同じことを「人気の先生」から言われたらどうでしょうか?子どもたちは「大好きな先生の言うことだから聞こう。」と、素直に言われたことをしようとします。
 結果として、ぐんぐん力を伸ばしていきます。
 また、「大好きな先生を悲しませたくない。」と、悪いこともそうはしません。素直に明るく力を伸ばしていきます。
 先生も楽しく仕事をすることができます。先生も笑顔、子どもたちも笑顔となり、楽しくて、安心感のあるクラスになります。
 そして、「人気の先生」を心の安全基地に子どもたちは生き生きと活動します。

―「人気の先生」になるための方法を本書におまとめいただいていますが、その中から、明日から始められる効果的!おススメの方法を1つ教えていただけないでしょうか?

「人気の先生」になるためには、第一に子どものことを好きでなければなりません。
 そもそも、人は好きでもない相手から人気を得ようとは思いません。
 好きだから、相手を喜ばせたい。力を伸ばしてあげたい。幸せになってもらいたい。このように思います。
 教師自身の実践の原動力になります。「この子たちのために、こんなことをやってみよう。」と。子どものことを好きになればなるほど、やる気がわいてきます。プラスアルファの努力をするようになります。「人気の先生」に近付いていきます。
 ただし、人と人との関係なので、「どうしてもこの子はちょっと苦手だ。」と思う子もいるかもしれません。
 そんな時にオススメの方法が「子どものよいところを記録する」という方法です。
 やり方は簡単です。
 紙にその子のよいところを書いていきます。
 「今日中に10こ見つける」などと目標を決めると、一生懸命にその子のよいところを探すようになります。
 すると、自分自身のその子を見る目が変わってきます。その子を肯定的に見ることができるようになります。やってみるとわかります。
 そして、書き出したものを活用します。
 その子のよいところを本人に話す。
 他の子に伝える。
 連絡帳に書いて保護者に知らせる。
 学級通信に書く。
 こんなことをします。効果はいろいろな面にあらわれてきます。ぜひやってみて下さい。

―「まずは人気の先生になろう!」と書名に「まずは」とありますが、「まずは」とは…? 込められた思いをどうぞ教えてください。

 これはとても大事なことです。
 強く言っておきたいことですが、 私たちの仕事の目的は、「人気の先生」になることではありません。
 私たちの仕事の目的は、子どもの力を伸ばすことだと私は考えています。
そのために取り得る有効な手段の1つが「人気の先生」になることなのです。
 「大好きな先生の期待に応えてがんばろう。」と子どもたちががんばった結果、子どもたちは力を伸ばすことになります。
 だから、「まずは」なのです。「人気の先生」を目的にしてはいけないと私は思います。

―本書を手にとってくださる先生方へのエールを飯村先生流・ユーモアをこめてお願いします!

 よく勘違いされるのですが、私は別におもしろい人、明るい人ではないんですよ。(笑)
 でも、「人気の先生になるためには…。」と思って、最初は若干無理をして明るい先生、おもしろい先生を演じていました。
 それが、演技であっても続けていくうちに、だんだん自分のキャラクターになってきつつあります。
 だから、「どうも自分には…。」と思う先生も、最初は演技でいいと思います。それを続けていくうちにいろいろなことができるようになっていくのだと思います。
 イメージしてみてください。
 「人気の先生」はどんな話し方をするのか?
 「人気の先生」は人とどんな接し方をするのか?
 そんなことを頭に思い描いて「先生」という役を演じるとよいと思います。
 過去の延長線上に今の自分がいる必要はありません。
 こうありたいという未来から見た今の自分がいてもいいのだと私は思っています。
  
 と、若干熱く語っているうちに、「ユーモアを」と言われたことを思い出しました。(笑)
 ここまで読んで下さってありがとうございます。
 皆様に感謝の気持ちを込めて賞を贈りたいと思います。
 「ともに学んでいきま賞」
 どうもありがとうございました。

(構成:佐藤)

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