著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
シンプルルール“2W”で困難な新卒時代を乗り切ろう!
神奈川県大和市立西鶴間小学校教頭秦 安彦
2012/4/10 掲載

秦 安彦はた やすひこ

神奈川県大和市立西鶴間小学校教頭
1959年、東京都生まれ。1983年、東京学芸大学教育学部卒業。

―本書では、新卒教師が押えておきたい2Wが、数々の場面ごとに紹介されていますが、2Wとはいったい何を表すのでしょうか?

 私たちは5Wのステージ上に生きています。5Wとは(Whenいつ→時間、Whereどこ→場所、Who誰→人間、What何→行為、Whyなぜ→価値)等を意味します。本書では、そのうちWhen(時間)とWhat(行為)にスポットを当てました。つまり「今、何をすべきか」を知る。「今、何をすべきか」を考えることが大切だということです。

―新卒教師にはどうして2Wが必要なのでしょうか?

 新卒の先生方は、現場に来られてきっとその忙しさに当初は戸惑うことと思います。時間のない中で、何から手をつければよいのか、何を大切にしたらよいのかを見極めるのはなかなか難しいことです。
 少しのずれが、時間とともに大きくずれることにならないよう、本書で「今、すべきこと」を補いたいと考えました。

―2Wの他に、本書で新卒教師に役立つのはどのような部分でしょうか?

 私の勤務校に来ていた学生ボランティアの方は、本書で22項目に分けて紹介しているNG集が参考になったと言っていました。当然のことながら、NG集の中には私自身の失敗も多く含まれています。私と同じような失敗をしないためにも、予め知って頂くということは重要だと思いました。

―「すぐれた実践家」と「新卒教師」。子どもからみるとどちらも同じ先生ですが、決定的な違いは何でしょうか?

 本書(p.36)にも書きましたが、「わずかな違いに気づく」観察力や感性だと思います。
 そういう観察力や感性はその人の資質だという人もいますが、私はある程度自分で意識して鍛えることは可能であると考えています。鍛えるには経験という時間も必要ですが、意識しないと鍛えることは難しいかもしれません。本書がそのヒントになれば嬉しい限りです。
 最後に、「すぐれた実践家」かどうかは、他人が評価することだと思います。
 現場人として大切なことは、子どもたちと積極的に関わり、子どもたちを事実でよりよく変えるということだと思います。

―全国の初任者の先生方への一言メッセージをお願いします。

 まず健康に留意してください。体の健康ももちろんですが、心の健康も是非大切にしてください。ストレスがたまったなと思ったら、一息つくことも必要です。
 現場の忙しさには当初誰でも驚くものです。微力ながら本書を参考にそこを是非乗り越えて、子どもたちとともに何かをやり遂げる喜びを一つでも二つでも味わってほしいと思います。
 「早寝・早起き・朝ご飯」も大切ですよ。
 本書の発行にあわせて、ホームページを立ち上げました。インターネットを通じてお互いに繋がることが可能な時代です。悩み事等が生じたら、「あれ、なんだかちょっとうまくいかないぞ」と感じたら、遠慮なくお知らせください。勤務校はもちろん、全国には頼りになる先輩方がたくさんいらっしゃいます。私も先輩方に常に助けられてきた一人です。
 ともに考え、ともにがんばりましょう。

(構成:木山)
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