著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
新しい英文法指導「フォーカス・オン・フォーム」とは?
名古屋外国語大学英語教育学科教授佐藤 一嘉
2012/4/12 掲載

佐藤 一嘉さとう かずよし

名古屋外国語大学英語教育学科教授
オーストラリア、クイーンズランド大学にて、MA およびPh.D.(応用言語学)を取得。名古屋外国語大学英語教育学科教授。同大学院 TESOL(英語教授法)コース主任。専門分野は、第2言語習得研究、外国語教授法、教師教育。

―本書でも詳しく紹介されていますが、「フォーカス・オン・フォーム」とはどんな指導法なのでしょうか? 簡単にご説明ください。

 フォーカス・オン・フォームとは、文法項目に焦点を当てたコミュニカティブなinput とoutput活動、つまりタスクです。生徒はfluency (流暢さ)だけでなくaccuracy(正確さ)も伸ばすことができます。

―「フォーカス・オン・フォーム」による文法指導にはどのような効果がありますか?

 従来の文法指導にはinputがなく、文法項目の説明の後、ドリルが繰り返されました。したがって、テストが終わると生徒は次の文法項目を覚えることに必死になり、前に習った文法項目は忘れてしまいます。つまり、定着しない訳です。これに対して、フォーカス・オン・フォームでは、inputが導入され、生徒が文法項目に気付き(noticing)、その文法項目を使って自己表現(output)をするという言語習得理論の流れに基づいているので、文法項目が定着する訳です。また、次の文法項目を学習する時も、input & outputが繰り返されるので、すでに学習した文法項目をリサイクルすることができ、学習効果が上がります。

―外国語活動が必修となり、今年度は必修化1年目の子どもたちが、中学校に入学してきます。中学校で英語嫌いにならないようにするにはどのような工夫が必要だと思いますか?

 「フォーカス・オン・フォーム」を使うことによって、英語嫌いが減ります。実際、中学校のシリーズに収められている4名の実践報告によると、1年間を通して実践することにより、英語が好きな生徒が確実に増えることがわかりました。1年の2学期から英語嫌いが増えていくのが普通ですが、例えば、3年生を担当された大須賀先生の実践報告によると、71.8%の生徒が3学期の最後のアンケートで、英語の授業は楽しかったと答えています。

―本シリーズは中学1年〜3年、高校の4分冊となっています。「高校」編を購入した読者には、どのような特典がありますか?

 「高校」編を購入して頂くと、ユーザー名とパスワードがもらえて、私のホームページにアクセスでき、4名の執筆者の授業ビデオを見ることができます。授業はすべて、英語で実践されています。また、文法項目ごとに授業で使えるワークシートが77種類ダウンロードできます。

―最後に全国の中学校・高校で英語を教える先生方に向けて、一言、メッセージをお願いします。

 新学習指導要領でも強調されているように、今日、知識としての文法ではなく、実際に使える文法能力が求められています。このシリーズに収められた実践報告を、是非、読んでください。「フォーカス・オン・フォーム」を使うことによって、自分の授業が変わり、生徒が変わります。

(構成:木山)
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