著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
ほめ方・しかり方次第で子どもは変わる!
東ちひろマザーズセラピー主宰東 ちひろ
2012/3/8 掲載
  • 著者インタビュー
  • 指導方法・授業研究
 今回は東ちひろ先生に、新刊『スペシャリスト直伝! 教室で使える! ほめ方・しかり方の極意』について伺いました。

東 ちひろひがし ちひろ

幼稚園・小学校教員、中学校相談員、教育委員会勤務を経て、現在は「東ちひろマザーズセラピー」主宰。上級教育カウンセラー、日本カウンセリング学会認定カウンセラー、(財)生涯学習開発財団認定コーチ。
心理学とコーチングを使った独自のアプローチ法で、先生と子育てママのための電話相談を行い、これまでに1万件以上の実績がある。また、講演会・執筆活動にも精力的に取り組み、ホームページやブログ、メールマガジンでは、先生とママに役立つ情報を発信し続けている。自身も一男一女の母。
著書に『子どもが伸びる! 魔法のコーチング』(学陽書房)、『男の子をぐんぐん伸ばす!お母さんの子育てコーチング術』(メイツ出版)などがある。

―毎日の学校生活の中で、クラスの子ども全員を公平にほめるのはとても大変なことだと思われます。そこで、“ほめ上手”の先生になるためのコツを教えてください。

 本書の中でも紹介している、学級名簿を使った「ほめ日記」を試してみていただければと思います。それを使って、今日一日だれをどんなことでほめたのか、簡単なメモをとっていきます。すると、自分がよくほめる子どもとそうではない子どもに違いがあることがわかり、あまりほめていない子どもがだれなのかもみえてきます。そこから計画的・意識的に子どもをほめていくわけです。そして、自分がほめにくいと感じる子どもの「目に見えること」「ちょっとした変化」をどんどん言葉にして伝えていくとよいのです。それは、「存在承認」といって、存在そのものを認める行為で、子どもの自己肯定感を上げることにつながります。

―多くの先生は、できる限り子どもをしかることは避けたいとお考えのはずです。そこで、子どもをしかる前に先生ができることについて教えてください。

 あらかじめ、子どもをしからなくて済む工夫をすることが大切です。「ちゃんとしなさい」「きちんとしなさい」では子どもは何をしたらよいのかわかりません。具体的に子どもが「いつ」「何を」「どんなふうに」するとよいのかを、わかりやすい言葉で伝えてください。 
 例えば、学校の玄関そうじをサボる子どもに対してのステップは次の3つです。「@ここは学校の顔だからね。大事な掃除場所なんだよね」(掃除をする意味を伝える)→A「ここの砂はほうきを最後まで下にはわせるようにするとうまく集まるよ。ホームランみたいに振り上げると舞い上がるからね」(具体的な掃除の仕方を教える)→Bそして、先生の目の前でやらせてみて、そのやり方をほめます。このようなステップを踏むことでしからなくて済みます。

―とはいえ、毎日の学校生活の中では、どうしても子どもをしかったり、注意したりしなければならない局面があるはずです。そんなとき、しかられた子どもも納得できるような言葉のかけ方のポイントを教えてください。

 「行為をしかる」、つまり、どんな行為がよくないのかを子どもに伝えてみてください。例えば、「友だちをたたくことがダメなんだよ」とか、「チャイムを守らないことがダメなんだよ」と言うわけです。「あなたは…」というように、「あなた」を主語にしてしかると、子どもは先生から責められたと感じてしまい、しかられて損したとかイヤだという気持ちだけが残ってしまいます。それでは、次の望ましい行動へ結び付きません。人をしからず、その人がしたことをしかるわけです。

―本書では、保護者との信頼関係をアップするための子どものほめ方や伝え方も紹介されています。東先生ご自身も子育て中のママということですが、保護者の立場としては、特に子どものどんなことを聞きたいと思われるものでしょうか。

 保護者は、自分の子どもが学校でどんなことをうまくやれているのかということを知りたいと思います。どんなに小さなことでも、「よいこと」を教えてほしいわけです。先生からみれば「できて当たり前のこと」でも、保護者はそれを知ってわが子の成長を喜ぶ、ということもあります。例えば、「給食当番のときに重い食器をしっかりと運んでくれています」「仲間とドッジボールを楽しくやっています」など、一見当たり前と思えることを伝えてほしいと思います。それは、確実に先生への好印象につながるはずです。

―最後に、全国の読者の先生方にメッセージをお願いいたします。

 子どもは、先生からの「ちょっとしたひと言」で目をキラキラさせて、前向きに行動するようになります。それは、先生という職業の醍醐味でもあります。本書では、実際に私が小学校・中学校の現場で使ってきた子どもの「ほめ方・しかり方」の極意をお伝えしています。少しでも参考になれば幸いです。

(構成:矢口)

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