著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
「100の習慣」で激務の教員生活を乗り切ろう!
洞爺湖町立洞爺湖温泉中学校教諭大塚 謙二
2011/6/23 掲載
 今回は大塚謙二先生に、新刊『教師力をアップする100の習慣』について伺いました。

大塚 謙二おおつか けんじ

北海道伊達市生まれ。主な著書に『成功する英語授業!50の活動&お助けプリント』『感動する英語授業!教師のためのICT簡単面白活用術55』、分担執筆に『インターネットを活用した授業づくり』(いずれも明治図書)などがある。1998年度松下視聴覚研究財団研究賞、第16回日本英語検定協会研究助成賞、平成20年度北海道教育実践表彰を受賞。北海道情報と教育ネットワーク事務局長。

―激務の教員生活をよりよいものにするためのたくさんのメッセージがこめられた本書ですが、特にどのような方に読んでほしいと思いますか?

 若い先生や悩みを抱えている先生たち、そしてこれから教師になる人たちに読んでほしいです。教師の仕事は大変な学校であっても、平和な学校であっても、迷いや悩みを持つものです。そんな時、昔は先輩教師たちがストレートに後輩に対して助言、指導をしていましたが、今はそんなことも減ってきました。そんな今だからこそ、大先輩たちの知恵を今の時代に伝えていきたいです。

―若手&新任教師が、教師力をアップするために、一番先に心がけるべきことは何だとお考えになりますか?

 この仕事は多くの面でバランス感覚が重要です! バランスをとりながら、生徒との触れ合いを大切にし、謙虚な心で先輩の後ろ姿に学ぶこと、そして熱意を持つことです! どんな技術も熱意がなければ機能しません。授業、担任、分掌、生徒指導、部活動など色々ありますが、バランスのとれた判断力を兼ね備えた熱意は全ての面でプラスに働きます。熱意を維持できるようにきちんと寝ることも必要! 睡眠不足ではエネルギーが低下してよい仕事ができません。

―若手教師の悩みの1つには授業や学級経営がうまくいかないことがあると思います。それはどのようにすれば改善できるものなのでしょうか。

 改善は簡単なことではありませんが、初対面からのひと月がとても重要です。そこで、子供たちと教師の今後の関係の方向性ができあがってきます。その時に大切なことは生徒との良好な人間関係の構築です。良好というのは、ただ単に仲が良いというものではなく、信頼関係で結ばれた教師と生徒との関係です。単なる友達のような関係になってしまっては表面的にはよいのですが、何か問題が起きると簡単にその関係は崩壊してしまいます。ですから、生徒と教師の心の距離を適切に保ち、厳しさと優しさという愛情で接することが必要です。休み時間、放課後、掃除の時間に自然なコミュニケーションを持つことがその第一歩です。

―教員の仕事は、授業以外に校務や事務作業などが多いことなども話題になりますが、それらはどのようにすれば効率化が図れると思いますか?

 我々が一番大切にすべきことは教師集団のチームワークです。学校の仕事のほとんどはチームワークで対応します。ですから、教師同士の関係が良好だと仕事も効率的にまわり、あうんの呼吸で仕事が進みます。しかし、関係が悪い場合は、ちょっとしたことですら確認できずに無駄な仕事が増えてしまい、よい仕事ができません。良好な職員室づくりは、教師一人ひとりが協調性を大切にすること。まずは自分から思いやりをもってそれを実践することです。

―最後に全国の読者に向けて、一言、メッセージをお願いします。

 私の若い頃には「あぁ、こんな先生になりたい」という尊敬できる先輩がいました。皆、エネルギッシュで前向きでした。本書では、そんな大先輩たちが苦労して残してくださった言葉や実践を中心にまとめてみました。少しでも多くの先生方がこのやりがいのある教師という仕事での悩みや迷いを減らして、充実したものにしていただけると幸いです。教師が元気なら子供たちも元気になります!

(構成:木山)

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