著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
あの子にピッタリの、“元気になる”一言を贈ろう!
東京都学級教育研究会顧問中嶋 公喜ほか
2011/6/23 掲載
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  • 評価・指導要録
 今回は中嶋公喜先生と田代敏博先生に、新刊『新学習指導要領準拠 子どもが元気になる!通知表の文例集』について伺いました。

中嶋 公喜なかじま ひろき

東京都学級教育研究会顧問
著書に、『学習意欲を引き出す教室環境・教室壁面(全3巻)』『新時代の指導要録の文例集(全3巻)』などがある。

田代 敏博たしろ としひろ

東京都学級教育研究会会長、東京都江戸川区立一之江小学校長
共著に、『小学校新指導要録対応の絶対評価基準表(3年、4年)』『新時代の指導要録の文例集(全3巻)』などがある。

―通知表の所見欄のスペースは限られています。本書に収録されている文例を参考にしながら所見を書く際に、どういった内容をどのようなバランスで盛り込むのが望ましいのでしょうか?

中嶋先生:一番大事なことは、子どもの長所や特徴、進歩の度合いなどを、的確にとらえて評価することです。したがって、あれもこれも書く必要はありません。ポイントを絞って、一つか二つ書きましょう。そうすることでわかりやすく読みやすい文章になりますし、スペースにも余裕ができます。言い足りないことは、次の学期に回します。すぐに知らせたいことがあれば、連絡帳など別の方法を用いた方がよいでしょう。
 

―本書でも文例がたくさん紹介されている“もう少しがんばってほしい”ことについての所見を書く際に、注意するべきことを教えてください。

中嶋先生:どの学級にも、“もう少しここをがんばってほしい”と思う子どもがいるものです。その子の保護者に、がんばりが足りない点を知らせるわけですから注意が必要です。日ごろから保護者と連絡をとって協力を得ているようなことを、改めて通知表に書くのは好ましくありません。また、必ず事実に基づいて、柔らかな文章表現で励ましましょう。子どもの人権を損なわないような、また保護者を傷つけないような表現に配慮することが大切です。 

―本書で取り上げられている、“特別支援を要する子ども”や“外国籍の子ども”に対する所見を書く際に、特に配慮するべきことを教えてください。

田代先生:特別支援を要する子どもについては、特に、子どもの認知の仕方、行動の傾向を担任としてつぶさに観察し、その子に応じた所見を書くことが大切です。外国籍の子どもについては、その子や保護者の置かれている立場を十分に理解した上で、日本の教育への理解を促すことが重要になります。どちらにおいても、子どもの状況や立場を認めず、排除したりするような表現は禁物です。

―最後に、本書のタイトルにもある“子どもが元気になる”ような通知表を作成するコツを教えてください。

田代先生:まずは、その子固有のよさについて言及することです。そのためには、一人ひとりの行動や学習の様子をつぶさに観察、記録する必要があります。肯定的な要素、すなわち“できるようになったこと”から伝えましょう。通知表は、保存しておけば一生残るものであるということを念頭に置いて、受け取り手の立場になって考えることが大切です。

(構成:矢口)
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