著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
わらべうたは幼児の成長にピッタリの教材
「わらべっ子の集い」代表加藤 ときえ
2011/6/2 掲載
  • 著者インタビュー
  • 幼児教育
 今回は加藤ときえ先生に、新刊『はじめてうたうわらべうたセレクト50 幼児編「こどもとこどもと」』について伺いました。

加藤 ときえかとう ときえ

広島エリザベト音楽大学音楽学科音楽教育コース卒業。2000年、HP「わらべっ子の集い」を開設、その後メールマガジンの発行やわらべうたブログも開設。2009年には大人のためのわらべうた“わらべごっこ”を開講。著書に『はじめてうたうわらべうたセレクト50 乳児編「あんよはじょうず」』(明治図書)がある。わらべうた音楽教室“おひさまコール”講師他、様々な分科会、研修会などで講師を務める。4児の母。

―タイトルに「はじめてうたう」とありますが、初めて保育の中にわらべうたを取り入れる人のために、本書ではどんな工夫がされているでしょうか。

 わらべうたの背景にある歴史や知恵を知ってもらうために、各わらべうたに“ちょっと知っ得”というコーナーを設け、その曲にまつわるちょっとした雑学を掲載しています。歌と遊びの他に歴史や知恵を知ることで、初めてわらべうたに出会う人でも、もっと身近にもっと深く感じてもらえると思います。また、初心者でも分かりやすいように楽譜を簡単なものにしたり、歌詞の言葉も分かりやすく記載しています。

―今回は、乳児編に引き続いての刊行ですが、幼児編として50曲を選曲する際には、どんな点を意識したでしょうか。年齢に応じてどんな曲を選べばよいか、曲選びのポイントを教えて下さい。

 年齢が上になるほど遊びの幅も広がってきます。幼児編では、一対一の手遊びから集団遊びまで幅広く選びました。この時期の子どもたちには、協調性や社会性を育むためには欠かせない円遊びや、年齢に応じた身体能力を最大限に生かせるような縄跳びなどの遊びを取り入れるようにすることがポイントです。年齢に応じてできる遊びも限られてきますが、継続して遊ぶことが何より日々の成長を促します。

―保育の中では、さまざまな音楽活動が取り入れられますが、わらべうたならではのおすすめのポイントをぜひ教えて下さい。

 何より子どもたちの声量、声域をまず考えましょう。大人とは身体の器が違うのです。“歌う”ということは身体が楽器なのです。無理な音を無理やり出せば壊れてしまいます。音域、メロディーの長さ、そして民族の持つリズム(鼓動)、言葉など、すべてを兼ね備えているのがわらべうたです。わらべうたは子どもにとって最初に触れるべき民族の音楽なのです。

―わらべうたを保育に取り入れるときには、どんなことを意識するとよいでしょうか。アドバイスをお願いします。

 まず最初に「この歌のこの遊びが好きだなぁ」というのを、教育者が一つ見つけましょう。子どもは大人が思う以上に敏感です。大人が楽しんでないものは子どもも楽しみません。歌を一つしっかりと歌い込み、自分のものにした後で子どもたちと思い切り遊ぶ。その時に、教育者は子どもの動向に注意しながらも、心は子どもたちの同じ年齢になって遊びましょう。

―最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

 この本を手にとって頂き、大変感謝しております。わらべうたは音楽教育としての第1歩だったり、育児のちょっとした知恵だったり、いろいろなことを私たちに教えてくれます。しかし、何よりも伝えたいのは“先祖からの残していくべき財産”だということ。赤ちゃんからお年寄りまでが年齢の差を感じないくらい一緒になって楽しめる…… そんな素敵なひとときを創ってくれる摩訶不思議なわらべうた。その魅力を後世の人々に私たちも伝えていく義務があると信じています。

(構成:木村)
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