- ハッピー先生の授業レシピ
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なぜ、ダンスを踊るのか。それには理由があります。
授業の多くは、言葉を使って話し合う言語表現が中心になります。その言語表現よりはずかしいと感じる子どもが多いのが、ダンスなどの身体表現です。だから、一人ひとりの子どもが思いっきり身体表現できれば、言語表現だって容易にできるクラスになると思っています。そして何より、一生懸命子どもと一緒に踊ると、それだけでハッピーな気持ちになってくるのです。これはやった人にしかわからないかもしれませんが…。
ここまで読んで、「よし、ではウチのクラスで身体表現を取り入れよう!」と思っても、どうすれば子どもたちが踊るようになるのか、低学年ならまだしも高学年の子どもたちがホントに踊るのかなど、疑問に思うことも多くあると思います。
方法はたくさんあると思いますが、ここでは僕がいつも行っている方法を紹介したいと思います。
体育の時間の準備運動
みなさんは、体育の準備運動をどのように行っていますか? 4列縦隊から体操隊形に広がり、前に教師や係の子どもが立って行う。これが一般的だと思います。
僕は、体育のときに限らず、集合は右のようなおにぎり集合をしています。おにぎり集合とは、教師が前に立って両手を広げ、その間に子どもが集まる形です。ちなみに、緑のあたりには意欲の高い子、青のあたりには意欲の低い子が集まる傾向があります。
このように集めたら、「先生がする体操をまねしましょう」と言って、四拍子のリズミカルな曲をかけ、体操をします。その体操の中に少しずつダンスのような動きを入れていきます。はじめての時間からたくさんするのではなく、少しずつ入れていけばよいと思います。
教室では
上と並行して、教室でも歌いながら体操をします。音楽の時間や朝の会や帰りの会の時間に行うことで、教室の中に身体表現を取り入れていきます。このときには、前回にも書いたように教師がだれよりも楽しむことが大切です。
こうして取り組んでいると、だんだんと体を動かすことに抵抗がなくなってきます。そのころには、体育の時間にミラーゲーム(二人1組になって、目の前の人と同じ動きをする)などの身体表現活動を多く取り入れていきます。こういった活動は、一度に長い時間行うより、短い時間で毎日毎日行う方が、より効果があると思います。
このような実践を紹介したときに、「踊らない子がいたらどうしますか?」と聞かれることがよくあります。そんなとき僕は、「踊らなくても死にはしません」と答えるようにしています。
教師が眉間にシワを寄せ、“どうして踊らないの…?”と思っているよりも、教師自身が踊ることを楽しむ方が、子どもも踊るようになるからです。子どもは、ルールではなく、ムードに従います。踊らなかったらどうしよう…、という心配をしないで、踊るって楽しいなあと感じるようなムードづくりを心がけていると、子どもたちはどんどん踊り始めるはずです。