グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク・上級編2 中学生向き

グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク・上級編2 中学生向き

重版決定

好評16刷

医学の視点で作られたワークでどの子も文章が書けるようになる。

どの学級にもいるといわれるADHD・LDの子、いわゆるグレーゾーンの子どもに、基礎学力を保障するため、「書く」指導をどう見直すか。医療側との連携による新しい作文ワークを1年間かけて提案した。直ぐ使えて効果抜群は実践した教師の実証済み。


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ISBN:
978-4-18-686000-9
ジャンル:
国語特別支援教育
刊行:
16刷
対象:
中学校
仕様:
B5横判 80頁
状態:
重版決定
出荷:
2019年10月24日

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もくじ

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監修のことば /横山 浩之
まえがき /大森 修
上級編2 A
1 一〇分間視写力チェック
2 述語と主語を区別しよう
3 主語と述語の正しい対応
4 わたしの辞書づくり@ 熟語の意味を自分で書いてみよう
5 わたしの辞書づくりA 体言(名詞)止めの文が書けるようになろう
6 わたしの辞書づくりB 名詞の意味を体言止めで書こう
7 辞書を引こう@ 意味と用例を書き出そう
8 辞書を引こうA 対義語を書き出そう
9 問いに答える基本を学ぼう
10 行動の文で書こう@
11 行動の文で書こうA
12 行動の文で心情を表す@
13 行動の文で心情を表すA 喜怒哀楽
14 場面を描写しよう
15 風景を描写しよう
16 課題作文 順序を決めて書こう
17 課題作文 課題にあった順序で書こう
18 課題作文 「中学校での私の好きな時間」
19 はがきで大切な人に近況を知らせよう
20 「時候の挨拶」を書けるようになろう
上級編2 B
1 一〇分間視写力チェック
2 語彙を増やそう 熟語の意味を自分で書いてみよう@
3 語彙を増やそう 熟語の意味を自分で書いてみようA
4 主語と述語の正しい対応
5 修飾語の正しい使い方
6 間違った文 〜どこが間違いなのだろう〜
7 有名古典を視写しよう
8 ウソ古典作文を書いてみよふ
9 問いに答える基本 正しい文末で答えよう
10 表現の工夫 比喩法と擬人法
11 比喩を使って文章を書こう
12 擬人法を使って文章を書こう
13 対句で書いてみよう
14 一行詩で作ってみよう
15 一行詩を何通りも組み合わせてみよう
16 大事な部分を描写で書こう@ 大事な部分の描写
17 大事な部分を描写で書こうA 文章の基本構成
18 大事な部分を描写で書こうB 自分で書こう
19 自分の成長を書く@ お手本を写す
20 自分の成長を書くA あなたが書いてみます
上級編2 C
1 一〇分間視写力チェック
2 和語を漢字で書けるかな@
3 和語を漢字で書けるかなA
4 漢字で詩を作ろう
5 後輩の作文を直してあげよう@ 漢字に直す・間違いを直す
6 後輩の作文を直してあげようA 長い文を短くする
7 後輩の作文を直してあげようB 題名を変える
8 他の人が書かない個性的な題をつけよう@
9 他の人が書かない個性的な題をつけようA
10 意見文を書こう@ 書き出し
11 意見文を書こうA どう続けるか
12 意見文を書こうB 自分で書こう
13 意見文を書こうC 書き出し
14 意見文を書こうD 問いと答えで問題を明らかにする
15 意見文を書こうE 意見の一文をつける
16 意見文を書こうF お手本を写そう
17 意見文を書こうG 問いと答えで問題を明らかにする
18 意見文を書こうH 意見の一文をつける
19 意見文を書こうI お手本を写そう
20 意見文を書こうJ 自分でやってみよう

監修のことば

 学習の基礎基本は、読み・書き・算(=そろばん)である。

 本書は、「書き」をはぐくむために作成された。従来の作文ワークとの最大の違いは、医学の視点から、「書き」の指導を見直したことだ。すなわち、医療と教育の連携が行われる場―――特別支援教育にも対応している。

 健常児の教育に役立つのは言うまでもない。「今後の特別支援教育の在り方について」で、文部科学省が示したように、普通学級に六%はいるとされたADHD、LDなど、グレーゾーンの児童にも役立つように、本書は作られている。その根拠を、神経心理学の力を借りて、以下に述べる。


 人間は、五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を通して、情報を出し入れする。言語に関係するのは、視覚と聴覚である。

 聴覚を介する言語とは、話しことば(音声)である。一方、視覚を介する言語とは、書き言葉(文字)・絵(静止画像)・パントマイム(動画)である。(図1、上側参照)

 「ことばの教室」などで、よく使用されているITPA言語学習能力検査では、言語を視覚・聴覚に分けるのみならず、情報の入出力についても考える。情報の入力―情報の統合(理解)―情報の出力である。(図1、右側参照)

 よって、ITPA言語学習能力検査の作業仮説では、次のように考える。


(図省略)


 この作業仮説は、一九五〇年代に端を発する。現代の脳科学の進展は、【聴覚受容】、【聴覚連合】などの機能が、異なる脳部位で行われていることを明らかにしてきている(注釈参照)。ただし、【聴覚受容】・【視覚連合】については、ある程度の共通部位が存在しているらしい。


(図省略)


 異なる脳部位で行われている事実は、これらの機能が、確かに別の機能であることの証明である。別の機能であるということは、同一人物の、おのおのの機能の発達や能力に、差があっても不思議はないということだ。学習障害(LD)が、その好例である。


(図省略)


 「書き」とは、考えたことを書き表す課題である。ITPA言語学習能力検査からみれば、【情報統合】 【動作表現】という課題(図2)である。この課題を補助するには、どうしたら良いか。

 何らかの形で情報を入力して補助することしかない。

 図2で、「書き」の回路に情報を入力できるのは、二か所ある。

 【聴覚受容】(聴覚性入力)から、【動作表現】(書く)内容を、そっくりそのまま入力してあげる作業の一例は、聴写(聞いたことを書く作業)である。

 【視覚受容】(視覚性入力)から、【動作表現】(書く)内容を、そっくりそのまま入力してあげる作業の一例は、視写(文章を書き写す作業)である。

 視写を行うための教材は、既に商品化され、存在している。光村教育図書の学校用教材「うつしまるくん」である。ある出版社の編集長に、自分のところで出版したかったと言わしめたほどの、ベストセラーである。

 視写という作業は、国語の教科書と原稿用紙あるいはマス目のあるノートがあれば、なし得る作業であり、私自身も、発達障害がある子どもたちに、「視写指導」をして、効果を上げている。

 視写は、書く内容を、そっくりそのまま入力しているので、これだけでは、「書き」を習得したとは言えない。スモールステップで、補助のために入力する情報をなくしていかねば、「書き」を習得したことにはならない。さらに、双方向性のコミュニケーションになり得る「書き」(例えば、感想文)を目指すことになる。

 多くの教師がしているように、視写の上の段階としては、「日記指導」がある。そして、その上の段階として、「作文指導」がある。

 私の個人的な経験では、視写が一〇分間で二〇〇字できるようになると、「日記指導」が可能となる。また、日記を毎日二〇〇字書けるようになると、作文が作文らしくなる。言葉を変えて言うと、いわゆる作文指導ができる。既存の作文ワーク(例えば、『楽しく力がつく作文ワーク』野口芳宏編、明治図書)を利用した指導が生きる。

 教師の誰もが感じているように、視写ができるようになっても、日記が日記らしくなるには、かなりの時間がかかる。すなわち、一行日記で終わってしまい、「日記指導」が本格化する前に、子どもが挫折感を味わい、日記書きを止めてしまうのである。

 確かに、「視写指導」と「日記指導」との間には、補助として与える【視覚受容】の落差が大きい。「視写指導」では、書く内容を全て与えるのに対して、「日記指導」では、書く内容を全く与えない。この差は、極めて大きい。

 さて、既存の教材で、「視写指導」と「日記指導」の間を埋める教材が存在しているだろうか? 部分的には、存在しているかもしれない。しかし、このポイントに焦点を定め、狙い撃ちした教材を見たことがない。あれば、ぜひ教えていただきたい。

 実をいうと、本書のような教材がないので、私は、ADHDやLD指導上、非常に困っていた。大森修氏は私の嘆きに即応して、教材作成を提案してくださった。


 平成一四年六月二九日、東北大学小児科の飯沼一宇教授は、第四四回日本小児神経学会において、ADHDの世界的な権威のバークレー博士を招いて、公開シンポジウムを開催された。この公開シンポジウムには、未曾有の一三〇〇人を超える参加者が殺到した。予定された会場には入りきれず、他会場を開放し、テレビ中継でシンポジウムに参加していただいた。

 この公開シンポジウムに参加された大森修氏は、「グレーゾーンの子どもにわかる指導法は、他の子どもにとってもわかる指導法である」ことを確信なされた。この確信なしに、この教材は生まれ得なかった。深く感謝を申し上げる次第である。


 大森修氏のご指導のもと、本書が編集され始めた。試作された教材は、大森修氏と私とが立ち会い、議論の上で、修正されていった。

 面白いことに、国語を専門としている教師が作成したものが、「使えない」と評定されることが、非常に多かった。既存のワークブックをたくさん知っており、それに引きずられてしまうからであろう。逆に、国語を専門としないが、教え上手な、子どもに好かれる教師が、本書が目的とした良い教材を量産した。こんなエピソードにも、本書の革新性が表れている。


 本書の編集には、一年余りを要した。本書を作成した先生方には、大変なご迷惑をおかけした。たくさんの修正をしていただいた。本当に、何度も何度も教材を作成してもらい、良いものだけを残した。本当に使える教材だけが、残せたと、自負している。

 本書は、「視写指導」と「日記指導」の間を埋めるための教材の第一歩である。私自身も、ADHD、LDといったグレーゾーンの子どもたちの指導に、この教材を使っていく。「視写指導」が順調に進み始めた頃に、この教材を使用し、「日記指導」に生かしたいと思う。ご使用いただき、ご叱正いただき、さらに、良い教材を作成していきたく思う。


   東北大学医学部小児科 /横山 浩之


注釈:このような知識を得るための一般向け書籍として、『読み・書き・計算が子どもの脳を育てる』(川島隆太著、子どもの未来社)がある。

著者紹介

横山 浩之(よこやま ひろゆき)著書を検索»

東北大学医学部附属病院小児科助手

医学博士

専門は小児神経学

大森 修(おおもり おさむ)著書を検索»

新潟市中野山小学校

日本教育技術学会理事・日本言語教育技術学会理事

※この情報は、本書が刊行された当時の奥付の記載内容に基づいて作成されています。
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      明治図書
    • 上級編@に続いてグッと難しくなった印象だが、@ができるようになればできるような内容と思われる。支援学級の生徒に初級・中級も含めてこどもの実態に合わせて利用していきたい。
      2018/12/2640代・中学校教員
    • グレーゾーンということを考えなくても役に立つと思う。
      2017/10/940代・中学校管理職
    • 具体的でいい
      2016/8/7しいちゃん
    • 分かりやすいが中学校用も期待したい
      2016/7/8しいちゃん
    • さがしていた内容にぴったりです。
      2016/4/9たけのこ
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