- 特集 知的障害・発達障害「自立活動」の区分と項目大解説
- 特集について
- 知的障害・発達障害がある子供への自立活動
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- 知的障害・発達障害 自立活動の内容解説
- 1 健康の保持
- (1)生活のリズムや生活習慣の形成に関すること
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- (4)障害の特性の理解と生活環境の調整に関すること
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- (5)健康状態の維持・改善に関すること
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- 2 心理的な安定
- (1)情緒の安定に関すること
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- (2)状況の理解と変化への対応に関すること
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- (3)障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する意欲に関すること
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- 3 人間関係の形成
- (1)他者とのかかわりの基礎に関すること
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- (2)他者の意図や感情の理解に関すること
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- (3)自己の理解と行動の調整に関すること
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- (4)集団への参加の基礎に関すること
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- 4 環境の把握
- (2)感覚や認知の特性についての理解と対応に関すること
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- (3)感覚の補助及び代行手段の活用に関すること
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- (4)感覚を総合的に活用した周囲の状況についての把握と状況に応じた行動に関すること
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- (5)認知や行動の手掛かりとなる概念の形成に関すること
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- 5 身体の動き
- (1)姿勢と運動・動作の基本的技能に関すること
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- (3)日常生活に必要な基本動作に関すること
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- (5)作業に必要な動作と円滑な遂行に関すること
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- 6 コミュニケーション
- (1)コミュニケーションの基礎的能力に関すること
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- (2)言語の受容と表出に関すること
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- (3)言語の形成と活用に関すること
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- (4)コミュニケーション手段の選択と活用に関すること
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- (5)状況に応じたコミュニケーションに関すること
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- 【特別寄稿】自閉スペクトラム症児への「選好性」(好み)を生かした適応行動支援
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- トピックス (第107回)
- 誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策推進本部 他
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- 発達障害のある子もない子も安心して学べる学級環境づくり〜いじめ予防先手の支援〜 (第5回)
- “かげ”でコントロールする子の場合
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- 「ことばの教室」の担当になったら 「吃音指導」基礎基本 (第5回)
- コーピングスキルの指導
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- 〜(3)吃音の開示(カミングアウト)〜
- 強度行動障害に向き合う特別支援教育 (第5回)
- 当事者の世界観でものごとを考える
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- 1人1台端末時代の情報モラル・マナー (第5回)
- 端末を活用しながら学ぶ情報モラル
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- 〜国語「俳句を作ろう」に向けた取組〜
- 子供を育む「手づくり教材」アイデア (第5回)
- [日常生活の動き]お猿さん遊び/[指先の動き]ダボでハリネズミ
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- 特別支援学級の教室づくり&アイテム (第5回)
- クリスマスの壁面制作&教室空間全体を使った授業
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- 知的障害教育における単元づくりと学習評価 (第11回)
- [実践]教科別の指導(社会)
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- 〜外国と日本の文化〜
- 特別支援学校の校務分掌 虎の巻 (第5回)
- 危機管理担当の仕事術
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- 〜安全と安心を踏まえた教育活動を展開するために〜
- 編集後記
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編集後記
自立活動の目標について,学習指導要領は次のように示しています。
「個々の児童又は生徒が自立を目指し,障害による学習上又は生活上の困難を主体的に改善・克服するために必要な知識,技能,態度及び習慣を養い,もって心身の調和的発達の基盤を培う」(「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領(第7章第1)」)
その目標を踏まえて,知的障害特別支援学校や小・中学校知的障害特別支援学級では知的障害のある児童生徒に対する自立活動に取り組んでいます。また,小・中・高等学校において通常の学級に在籍している発達障害のある児童生徒に対しては,通級による指導における特別の教育課程が小学校学習指導要領(中学校学習指導要領,高等学校学習指導要領)で規定され,「特別支援学校小学部・中学部学習指導要領第7章に示す自立活動の内容を参考とし,具体的な目標や内容を定め,指導を行うものとする」(一部を抜粋)となっています。
「特別支援学校学習指導要領解説 自立活動編」における「自立活動の目標」の解説には次のようにあります。
「ここでいう『自立』とは,児童生徒がそれぞれの障害の状態や発達の段階等に応じて,主体的に自己の力を可能な限り発揮し,よりよく生きていこうとすることを意味している」
主体的に自己の力を可能な限り発揮すること,よりよく生きていこうとすることが,「自立」であるとの前提に立ち,児童生徒が主体的に取り組む活動を意図的,計画的に練り,実践を深めることは,教師にとって重要な使命であると考えます。
本誌では,これまでも自立活動の重要さを語り,特集を組んできました。そして,特別支援教育を受ける児童生徒数は,直近10年間で大きく増加しており,初めて自立活動に携わる教員も増えています。そのため,教員の求める活動が児童生徒の実態にそぐわないまま,活動内容だけが押し付けられてしまう可能性が危惧されます。そこで,本特集では,自立活動の区分と項目について,知的障害や発達障害の障害特性とその困難さに焦点を当て,指導のねらい・留意点,そして指導のアイデアを解説します。そのことにより,各地の特別支援教育を担っている先生方におけます授業実践のさらなる工夫に役立てていただけますことを願います。
/是枝 喜代治・大関 浩仁
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- 明治図書