自閉症教育の実践研究 2008年8月号
10号 子どもが伸びる支援グッズ活用のアイデア

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自閉症教育の実践研究 2008年8月号10号 子どもが伸びる支援グッズ活用のアイデア

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2008年7月22日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 子どもが伸びる支援グッズ活用のアイデア
特集について
上岡 一世
提言・自閉症に効果的な支援グッズとは
常に評価・改善できる教材・教具づくりを目指そう!
内田 俊行
実践事例
日常生活の指導
自分で分かって,自分から活動する
白土 久江
目で見て分かる教材・教具いろいろ
村上 寿美
スムーズに朝の活動をするための支援の工夫
竹本 隆浩森 明日香
遊び・余暇
自立的に調理を行うための支援グッズの活用
副島 薫子
自立活動指導における余暇活動及び遊びの指導事例
清水 謙二
生活単元
主体的に目的を持って活動できるために
米山 さおり
見通しを持って自立的に活動するための支援の方法
下川 ゆかり
「パワーポイント」を活用した「劇のあらすじ紹介」
園田 政則
作業学習
自分たちで小さな豆皿作りに取り組む
礒田 和秀
生徒が主体的に作業に取り組む支援グッズ
阿部 修一
重度知的障害を伴う自閉症児への就労支援
勝岡 真一
教科
《自立活動》一人でできた! 自発的な行動を促すための視覚的タイマーと予定表の活用
九十九 光博
《国語》意思の表出を促す教具「おはなしボード」を使った指導
行徳 康栄
《体育》運動課題を理解しやすくするために
金島 一顯
子どもの作品
山ア 美穗子
構造化のアイデア (第9回)
遊び時間を分かりやすく
森住 俊子
自閉症の子どもに効果的な教材・教具
情緒の安定をめざしたスケジュールカードの活用
刀祢 龍樹
自閉症の子どもに効果的な授業の工夫
一人一人が分かりやすく,安心して取り組める作業学習
岩下 優子
学校と家庭の効果的な連携の実際
保護者との連携〜6つのポイント〜
冨谷 えり
こんな余暇の利用の仕方がある
楽しく過ごそう
木田 志帆子
〜サポートブック『あくしゅ』の活用〜
こんなパソコンの利用の仕方がある
MOCAシンボルを活用した教材づくり
大杉 成喜
こうすれば不適切行動は改善できる
「食堂デビュー」を果たしたEさんと3人の先生のリレー
小島 秀子
実践研究
不適切行動をよりよい生活に結びつけるための性に関する指導
大和 真月
何でも教育相談室
発達障害が疑われる児童生徒についての親への相談について
小ア 俊司
わが校の自閉症教育
不適切行動への重点的アプローチ
武富 志郎
本の紹介
「自閉症スペクトラム学び方ガイド」
上岡 一世
コミュニケーション能力を高める支援・対応 (第2回)
初期のコミュニケーションの状況―具体物を通して―
進 一鷹
子どもを生かすアセスメントと授業改善 (第2回)
実態把握と教材づくり(2)
太田 正己
指導者に求められる実践力とは (第2回)
続けて取り組ませる仕組みと継続を支援する力
武藏 博文
企業で働く人たち (第10回)
仲間やジョブコーチとともに働く
山本 仁
自閉症の子どもを育てて (第10回)
仲間に支えられて
小澤 由美子
就労を実現する自閉症教育 (第10回)
自立とは何か
上岡 一世
編集後記
上岡 一世

特集について

子どもが伸びる支援グッズ活用のアイデア

今回の特集では,自閉症の子どもたちを成長,発達させるためにはどういう教材・教具(支援グッズ)の開発,工夫が必要か,また,それをどのように活用していくことが効果的か,について考えてみることにしました。

自閉症の子どもたちを指導するためには教材・教具は大変重要で,学習を成立させるためにも欠かせません。しかし,ただ教材・教具を作成すればよいのではないことは言うまでもありません。どういう目的で,何のために教材・教具を作成するのか,教材・教具が彼らの成長,発達にどういう役割を果たすのか,を明確にする必要があります。個々の障害や特性,また認知能力や興味関心,強さ,弱さなどを把握した上で,個々の実態に即した適切な教材・教具を開発し,それを有効に活用することで,はじめて子どもの成長,発達は促進されます。どういう教材・教具を作成するかで,彼らの学習意欲,学習達成度,情緒の安定度はかなり違ってきます。

最近は,どこの学校でも,自閉症の子どもたちに対してはさまざまな教材・教具が準備され,学習が展開されています。しかし,それが子どもの成長,発達を促進するものになっているかというと,必ずしも,そうではないケースも見られます。

例えば,先生が絵カードを使って学習の内容を指示しました。しかし,子どもは絵カードはまったく見ようとせず,自分勝手な行動をしています。作業学習が正確に,スムーズに進められるようにと,先生は補助具を作り,させようとするのですが,子どもは補助具の使い方が分からずパニックを起こしています。先生が具体物を使って活動順序,方法を説明しましたが,いざ活動させると,子どもはまったく違った順序,方法で始めています。

もちろん一方では,大変効果的な教材・教具に出会うこともあります。

ある先生は,数がまったく数えられない子どもに,10個の製品の袋詰め作業をさせていました。すべてを満たしたら10個になる枠組教具を作り,数を数えられなくても一人で作業ができるようにしていました。子どもは何の指示も援助も受けることなく作業ができることに喜びを感じ,生き生きと作業を進めていました。

本号では個々に合った適切な教材・教具(支援グッズ)をどのように作成し,どのように活用していけば,自閉症の子どもの成長,発達が促進されるのか,をテーマにして,実際に成果を上げている作成の過程・活用方法についてのアイデア事例をご提供いただきました。

(上岡 一世)

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