自閉症教育の実践研究 2012年2月号
自閉症教育を見直す

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自閉症教育の実践研究 2012年2月号自閉症教育を見直す

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2012年1月19日
対象:
小・中
仕様:
B5判 68頁
状態:
絶版
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目次

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特集 自閉症教育を見直す
特集について
上岡 一世
1 提言/自立と社会参加の促進を目指す自閉症教育の今日的課題と今後の在り方
藤原 義博
2 自閉症教育の理解と効果的支援
1 知的障害と自閉症の指導法、どう違うのか
納富 恵子
2 個別指導と集団指導をどのように設定すれば効果的か
進 一鷹
3 ここは大切にしたい! 不適切行動への支援
渡部 匡隆
4 効果的な構造化の設定とは
武藏 博文
5 生きる力を身につけるためにはどういう支援が必要か〜まず信頼関係の成立を、そして指導に工夫と改善を〜
松田 信夫
6 人とのかかわりを育てる支援のポイント
若松 昭彦
7 社会性を育てる支援のポイントとは
青山 真二
子どもの作品
ペーパーウエイト
古川 宣子
構造化のアイデア (第23回)
もっている能力を引き出しさらに発展させるための構造化C
小島 秀子
〜「就労9年目」の構造化〜
主体性を発揮する授業のアイデア (第4回)
わかる授業づくり
小野 一惠
生活に応用・般化する力を身につける指導・支援 (第4回)
学校と家庭で取り組んだ排泄指導
中村 ちひろ
〜できたらごほうびゲット!〜
社会性が身につく指導・支援 (第4回)
ペアレントトレーニングの手法を用いた指導
杉坂 芳文
人とかかわる力を伸ばす指導・支援
伝えよう! 感じよう!
相畑 利行
〜友達との物を介した遊びを通して〜
こうすれば不適切行動は改善できる
わかりやすく伝えて、よい行動に置き換える
a樓 あやの
実践研究
情緒が安定し、主体的に行動できるための指導
坂上 献
何でも教育相談室
「きめ細かに、寄り添い、支え合い、安心」を基本とした相談事例
出水 悌二
わが校の自閉症教育
一人一人の実態に応じた教育の取り組み
山ア 敏秀
本の紹介
3歳からのお手伝い
上岡 一世
〜やさしさと思いやりのこころを育てたい〜
自閉症の子どもに効果的な支援ツールの実際 (第4回)
協同支援ツールのねらいと活用
村中 智彦
効果的なコミュニケ―ション支援の実際 (第4回)
クラスメートとのコミュニケーション(2)
花熊 曉
運動で自己コントロール力をつける (第4回)
仲間の動きを意識する
倉持 親優
企業で働く人たち (第24回)
今できることをコツコツと 入社2年目の仕事ぶり
相馬 薫
働く生活を実現するための指導の実際 (第4回)
すべての子どもの自立と社会参加と就労の実現を目指して
石間 浩二
〜作業学習編〜
自己肯定感を育む性教育 (第4回)
中学部「はーとたいむ」の教材教具
國分 聡子
就労を実現する自閉症教育 (第24回)
自立、社会参加、就労のための3つのポイント
上岡 一世
編集後記
上岡 一世

特集について 自閉症教育を見直す

日本での自閉症教育は1960年頃からはじまり,約50年が経過します。情緒障害と言われた遊戯療法の時代から,脳障害と言われた教育の時代へと変わり,さまざまな教育方法が模索されてきました。長年にわたり研究や実践が積み重ねられ,多くの成果も確認できていますが,まだまだ確立された教育法はなく,試行錯誤の状態が続いています。

今回は,これまでの自閉症の研究や実践の成果に基づいて,これからの自閉症教育はどうあればよいか,彼らのかかわる指導者には,今後はどういう実践を行うことが求められているのか,彼らの将来や人生を考えたとき,12年間の学校教育をどのように計画,組織し,どういう内容を,どのように指導していくことが効果的か,など将来の展望も含めて考えてみることにしました。

特別支援学校では,児童,生徒の半数近くが自閉症で占められ,その支援,対応に苦慮しているという話をよく聞きます。これは特別支援学級においても同様です。最近では通常の学級においても自閉症の子どもが在籍していることも少なくなく,一体何をどう指導したらよいか,どうかかわればよいかがわからない,と訴える担任も増えています。自閉症という障害の認知は間違いなく広がっていますが,障害に応じた適切な指導法や対応法となると,自閉症が個々により障害特性がかなり異なることもあり,なかなかに難しく,共有できる効果的な取り組みが見いだせないのが今の現状です。実際に自閉症の子どもを育てている保護者においては,さらに悩みが深く,さまざまな不適切行動にどう支援,対応すればよいのか,どうすれば子どもが成長,発達するのかがわからず,将来への見通しも立たないまま,不安な日々を送っている人も多い,と聞きます。

彼らの学校卒業後に目を向けてみると課題はさらに山積しています。生き生きとした職業生活を送っている人もいますが,これは一部の人に限られています。施設や家庭で目的のない,質の低い生活を送っている人も少なくありません。

この特集は,自閉症の人にかかわる指導者の悩みに応えるとともに,自閉症の人たちを,確実に成長,発達させ,将来の自立,社会参加につなげるためには,自閉症という障害をどう理解し,どういう教育姿勢・方針で,どんな支援,対応を行うことが必要なのかについて,第一線で自閉症教育を研究しておられる先生方に「自閉症教育を見直す」という視点で執筆をお願いしました。自分たちが今まで行ってきた自閉症教育を見直すとともに,今後の展望を見いだすきっかけになれば幸いです。

(上岡 一世)

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