総合的学習を創る 2002年11月号
ゆれる総合の来年度計画:シフト点34

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総合的学習を創る 2002年11月号ゆれる総合の来年度計画:シフト点34

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ジャンル:
総合的な学習
刊行:
2002年10月
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 ゆれる総合の来年度計画・シフト点34
“これって総合?”近頃よくある事例=こう診断しよう
総合ってなに?
赤松 理
課題(テーマ)中心の原理に迫れ
嶋野 道弘
「生きる力」をはぐくむ活動であるか
中野 重人
「教科」か「総合」か
伊東 弘志
「二つのベクトル」を持っているかが決め手
古藤 泰弘
目標・方法・内容をしっかり押さえる
島原 洋
“学力低下の声”と総合の来年度計画
総合の説明責任を果たすことはできますか?
寺尾 愼一
学力を二者択一で語るのはやめよう
小宮山 潔子
“なんでもありの声”と総合の来年度計画=整理したい点はどこか
「二つのF」と「二つのS」でチェックする
竹田 博之
求められる教師自身の創造性と「生きる力」の自己開発力
小川 正賢
来年度計画に“ぜひ入れたい”ベスト3
やっぱり総合は必要!の声が出る“この内容”ベスト3
野田 敦敬
やっぱり総合は必要!の声が出る“この内容”ベスト3
若生 佳久
総合だからついた力!の声が出る“この活動”ベスト3
津川 裕
総合だからついた力!の声が出る“この活動”ベスト3
寺林 民子
総合のマネジメント!どんな方向がよいかベスト3
小林 毅夫
総合のマネジメント!どんな方向がよいかベスト3
永嶋 賢一
総合の活動内容…ニュー企画・ユニーク企画の新情報
環境
朝倉 淳
福祉
太田 麻奈美
情報
中川 一史
国際理解
村井 昭子
健康
皆川 興栄
教科&領域にシフトする総合の来年度計画
“国語にシフトする総合”来年度計画のヒント
椿原 正和
“社会にシフトする総合”来年度計画のヒント
片上 宗二
“算数にシフトする総合”来年度計画のヒント
志水 廣
“理科にシフトする総合”来年度計画のヒント
左巻 健男鈴木 勝浩
“音楽にシフトする総合”来年度計画のヒント
飯田 清美
“図画工作にシフトする総合”来年度計画のヒント
大谷 和明
“体育にシフトする総合”来年度計画のヒント
根本 正雄
“道徳にシフトする総合”来年度計画のヒント
八巻 寛治
“特活・行事にシフトする総合”来年度計画のヒント
吉澤 克彦
総合の年間計画づくりのマネジメント=私のウラ技
3年の総合
杉森 至
4年の総合
石田 清彦
5年の総合
佐藤 美果子
6年の総合
浅野 光
中学の総合
嶋倉 直彦
中学の総合
竹尾 淳
地域素材で創る総合的学習―プロの手法に学ぶ (第8回)
科学者が教室に来る
松永 直紀
私の英会話授業&教材キット (第8回)
「アクティビティ」のためのキットとプラン満載のTOSS教材を使う
吉川 誠仁
ウェッブで調べ学習:ポイントはここだ! (第8回)
webを活用した総合的な学習
青木 茂
知の成長を刺激する“総合的学習の教材ツール” (第8回)
みんなの哲学でタウンウォーキング
塚原 正彦
子どもの姿から診る“総合の好感度” (第8回)
こんな言葉を待っていた!子どもの心をゆさぶる好感度UPの言葉
書川 欣也
匿名でスクランブル
総合へのスタンス“文科省の本音”近況を探る
総合的学習の評価―何を見とり、どう返していくか (第8回)
総合的な学習の3つの原点―総合は大丈夫ですか
加藤 明
説明責任を果たせる総合的な学習の十分条件 (第8回)
子どもの「考える力」を育てる
田中 博之
学習指導から考える“学力論” (第8回)
脆弱な学力
西林 克彦
世界で進む“総合・体験・サービス学習” (第8回)
スイスの場合―総合学習の歴史と示唆
福田 弘
体験で語る“小学校英語の発進・ここがポイントQA” (第8回)
総合学習の一つという誤解
大森 修
地域素材で創る総合的学習―プロの手法に学ぶ (第8回)
科学者が教室にやってくる
須藤 靖明松永 直紀
編集後記
樋口 雅子
盲導犬―福祉の授業で取り上げたい“実像” (第8回)
電車を待つ様子や、電車のドア・椅子に案内する方法、車内での姿勢を紹介
松井 進

編集後記

○……昨日、3年生が「総合」の研究授業をしました。

 内容は「ヘルシータイム」具体的には大縄やバンブーといったスポレクです。

 体育専門の先生で、形式も「体育」でした。体操服で準備体操や整理体操もありましたから。レクなら着替えないでしょう?ですから「これは『体ほぐし』の体育の研究授業」といっても通じます。

 さて問題はここからです。

 A.これは「総合」ではないからだめ。B.こういう「総合」もアリ。C.時数が減った「体育」の基礎基本を補うために「総合」から時間をもらったと開き直ってよしとする。

 僕はBです。「体ほぐし」=「心ほぐし」ということで、心の開放を支える授業の必要性を感じるからです。しかし、それを認めると縦割り班のような児童会活動やお誕生会のような学活も「総合」になってしまう。そこがネックです。

 ならば、Cの立場も捨てがたい。本校(本学年)は学力の基礎基本としての体育の時間の補充を行っていると言い切ってしまおうか。

 もう1つの論点があります。スポレクを「総合」だとしたらジャンルは何か。

 A.「福祉・健康」(食教育もここに入る)。B.「ライフスキル」。C.「交流(お年寄りや外国人を含む)」「コミュニケーションスキル」。「福祉」に「健康」を加えるのは強引かな。

 この3年生は、栄養士さんのお話や給食のおばさんに感謝する会なども「ヘルシータイム」に入れていますが、「福祉」は「輝きタイム」ということで別ジャンルです。

 「ライフスキル」については、この単語がもう少しメジャーならなあと思います。

 「交流」「コミュニケーションスキル」というジャンル名も強引ですが、老人も外国人も異学年も身近な友だちも、「交流」でくくれるから便利ではあります。

 やはり、ジャンルから考えると「総合」には合わないのかな。

 まだまだ論点があります。学校としての総合のカリの位置付けです。

 A.3年(「総合」の最初)だから、こういうのもあり。3年だけ特例。B.他学年にもこういうのを位置付けるべき。C.こういう授業をやりたい人はやればよい(つまり10時間くらい教師の自由裁量の時間があり、得意分野や挑戦分野をやってよいとする)。D.体育の先生だから位置付けた内容であって、他の先生なら取り組まない。

 自分の意見はどうなのかといわれても答えられません。

 でも音楽堪能な先生が音楽中心に子供の心を開放させ、図工の堪能な先生が作品制作から心を開放させるのは、いいことだと思います。1割の10時間くらいなら教師の裁量で許されるのではと思っています。

 先週、学活の時間に6年生が1年生との交流で、ころがしドッジをやりました。最後にペアの子と手をつないで教室まで連れて行きました。

 ゲームの企画・当日の司会運営・ゲーム中のみんなの穏やかな表情を見ていると、こういう取り組みは大切だなあと感じます。でも、本来こういうのは「特別活動」のよさであって、「総合」に入れることではありません。じゃあ「特活」をどこの時間でとるかはいろいろ議論されるところですね。

 以上ある小学校の先生からのメールです。ちょうど、今月号は“来年度計画の見直しのヒント”になるような情報を提供できればと思っていたところでした。このメールはまさに、見直しをする上での検討課題を事例で示しているのでは…と考え、問題提起してみました。

(樋口雅子)

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