- 特集 “つまずき類型別”指導強化のポイント
- 〈巻頭特集論文〉つまずき類型1〜6の原因を特定し,具体的な対策を知れば8割は防げる
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- 「丁寧さ」「習った通り」がキーワード
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- [低学年]1年生がつまずく単元とその対策
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- [低学年]「作業」を通して身につけさせる
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- [中学年]テストで間違える子の何が問題なのか
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- [中学年]「つまずき」はその単元全体を通した指導が効果的である
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- [高学年]多数の手順を必要とする問題へ対応する
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- [高学年]複合的なつまずきがある異分母分数のたし算
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- ミニ特集 学テ指摘の難問難題―図形指導の急所
- 平行四辺形の図形はつまずきが生じやすい。1つの見方が固定化しがちになるからだ
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- 算数難問攻略のヒント。シンガポールの「問題解決」テキスト
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- 説明する算数を図形問題でも扱う
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- 圧倒的な経験不足 フラッシュカードで経験を増やす
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- 図形を説明する活動を取り入れよう
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- 必要な数値を選択させる問題で力をつける
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- 表紙のイラスト (第35回)
- 問題:表面を赤くぬった立方体を1辺が1cmの小さな立方体に切り分けます。[赤い面が2つ]の立方体は何個できますか。
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- グラビア
- 論文審査で,授業力は飛躍する
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- 〜向山型算数セミナーIN東京 2013.11.4〜
- イラスト競演!向山型算数ハイライトシーン (第11回)
- いろんな問題で使える便利ツール・面積図
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- 〜6年生で使える単元〜
- びっくりドッキリ!当世教育事情 (第11回)
- 驚愕!○○方式の算数指導法で計算ができなくなる
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 東大,東工大合格者トップクラスの高校では,「数学は暗記科目」と言われていた
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- 教科書3割増に対応する学年別教科書の教え方 (第22回)
- 1年「なんじなんぷん」
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- 1年「かたちづくり」
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- 2年「長いものの長さのたんい(1m)」
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- 2年「長いものの長さのたんい(長さの加減計算)」
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- 3年「ぼうグラフと表」
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- 3年「重さのたんいとはかり方」
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- 4年「小数のかけ算」
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- 4年「小数のわり算」
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- 5年「正多角形」
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- 5年「円周の長さ」
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- 6年「量の単位(長さ)」
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- 6年「量の単位(重さ・面積・体積)」
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- 初心者のための基本技レベルアップ講座 (第11回)
- 「ていねいさ」が算数に不可欠である理由
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- 「論文審査」突破力をつける (第11回)
- 論文審査応募10年間の変化
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- 〜論文審査を始めるあなたへ,続けるあなたへ〜
- 算数教科書教材に挑戦/論文審査 (第171回)
- 子どもの実態をふまえ,すぐれた教具で指導する
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- 向山型算数実力急増講座 (第173回)
- 日本の大人の学力は世界一
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- 〜子どもたちが日本を誇りに思える教材〜
- 向山型算数WEBサロン (第167回)
- 教科書に例示されている「子どもの考え」を活用する授業
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- 〜6年「比例」での実践〜
- 甲本・河田発 やんちゃ君も巻き込み,知的に燃える算数教室 (第59回)
- 2桁×2桁の筆算 ○をつけるとわかる
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- 子どもがつまずく小数のわり算をスキル化する
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- 中・高・塾教師の告発状!学力不足がもたらす悲惨な実態 (第23回)
- 「学力」と「荒れ」は反比例の関係にある
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- 〔寄稿〕小学校現場からのリポート 算数学力向上への道
- 算数の「解く喜び」を味わわせることが大事である
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- 発達障害への林ドクター教育コーチ!教師が切れた発達障害児の言動Q&A (第59回)
- 発達障害の特性を,目の前の子どもに当てはめる
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- <子どもを巻き込む算数の福袋>算数ペーパーチャレラン (第47回)
- 低学年/「昆虫採集チャレラン」
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- 中学年/「アップダウンチャレラン」
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- 高学年/「『三角形の面積』公式チャレラン」
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- あなたもプロ先生になれる!教師渡世・サバイバルの知恵 (第47回)
- <今月のテーマ>マンネリからの脱却!教室の活動を新鮮にするヒント
- パーティーを企画して盛り上げる
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- 同じ活動でも,スピード,バリエーションで変化をつける
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- 2月は「最後の授業参観」に向けて準備をする
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- 学年のおさらいを楽しく行う!
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- 子どもが選んで挑戦できる「難問良問」
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- 楽しく知的な活動を取り入れよう
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- 「語り」で描写!あの子ができたドラマ100人物語 (第59回)
- あっているところすべてにマルをつける!! マルいっぱいのノートでやる気も成績もアップ!
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- すきま時間に子ども熱中!すぐに使える“わくわく問題” (第35回)
- 解けそうで解けない問題で子どもが熱中!
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- プロが解説!教材研究「基本用語」事典 (第11回)
- キーワード「測定の指導段階」
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- 向山型算数セミナー
- 向山型文章題指導は不易である
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- 腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
- 楽しい算数をつくる方法を学んだ向山型算数
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- 教科書の要点を発見できるようになった
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- 論文ランキング
- 11月号
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- TOSS最新情報
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- 読者のページ
- 論文審査、算数アプリ開発の学び
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- 編集後記
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- 「子ども算数検定」に挑戦! (第11回)
- 2月
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- 算数教科書教材に挑戦/指定教材 (第173回)
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 東大,東工大合格者トップクラスの高校では,「数学は暗記科目」と言われていた
/向山 洋一
私が卒業した高校は,東京工業大学合格者数全国1位だった。早稲田大学も全国1位,毎年150人ぐらい合格していた。
高校の同級生は,みんな数学は得意だった。東大の入学試験問題を初見で解く人が何人もいた。
そうした高校での合言葉は,「数学は暗記科目だ」だった。もちろん「丸暗記」ということではない。「基本問題の解き方をまず身につけろ,それは暗記だ。それを活用して応用問題を解け」ということだ。
しかし,日本の算数教育は,「1問を考えさせる」問題解決学習をやっている。奇怪な指導法だ。
第二次世界大戦の頃,スタンフォード大学のポリアが『How to Solve It』を出したが,それは数学専攻の学生向けだ。
日本でいえば,京都大学大学院理学部の数学専攻の博士課程に教えていたことだ。
それを,あろうことか小学生にやらせている。
受験指導で名高い東大医学部卒の和田氏は,「数学は暗記科目だ」と主張して,本まで出している。弟が高校のとき,勉強ができなかったので,「暗記数学」で教えて,東大に合格させている。
『頭の体操』の超ベストセラーで,有名な多湖輝氏は,著書で次のように言っている。
1.暗記・暗唱は,子どもの頭脳の「しつけ糸」
「たえまなく大量の情報を吸収しつづけるという脳の活溌な働きが,子どもの育ちざかりの脳そのものの構造を,強固に豊かにつくり上げていくのです。
丸暗記した内容ではなく,丸暗記するという頭のはたらきに意味があるといってもいいでしょう」
2.考える力と想像する力は,暗記のあとで伸びてくる
「人間の脳の発達段階で言えば,読み書き計算といった基礎学習に適した年齢は,6歳から12歳にかけてと言われます。この年齢にはさまざまな説があるようですが,小学生中学生年代が基礎的な学力,つまり覚える学習にはいちばん適した年齢だということになります」
3.答えはその場でたしかめてから先に進む
「答えを先に見れば,問題も含めて丸ごと暗記してしまうことができます。英単語,歴史の年表,四字熟語,数学の公式といったものを,わからないときに考えても無駄です。
ちょっとでも不安だったら,変なスペルや数字や言葉を書き込んで記憶に引っかけてしまうより,どんどん正しい答えを見て覚えてしまったほうがいいのです」
教科書には,正しい必要な知識が満載である。どんどん見せてどんどん暗記させるべきである。
〔多湖輝著『学習力は丸暗記でつける』《復刻本》(東京教育技術研究所発行)〕
和田氏,多湖氏は,ともに「脳科学」「学習理論」の最高峰だ。それぞれ何十冊もの本もある。学会での発表もある。多くの人に支持されている主張である。
私もまた,和田氏,多湖氏の意見と同じである。何百冊もの向山実践の本は,そうした考え方で生まれたものである。
率直に言って,「算数の問題解決学習」は,「いいかげんな指導」に思える。ぜひとも,論争を望む。
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- 明治図書