- 特集 「落ちこぼれそうな子」に使うプロの個別指導
- 〈巻頭特集論文〉「落ちこぼれそうな子」も「知識・技能の定着」を保障する「算数的活動」を通した個別指導の研究を!
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- 一斉指導で何を書いているのか見抜ける授業技量を教師が持て!
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- 最初の簡単な作業ができない子への指導は辛抱強く続ける
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- 「自分に聞こえる声で読んでごらんなさい」で落ちこぼれそうな子を救う!
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- 「飽きる前にやめる」この繰り返しで定着させる
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- かけ算九九のつまずきを「かけ算九九尺」で克服させる
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- どの子もできるようになりたがっている!自信がつくと変わる!
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- シンプルな基本型で手順を問う発問に移行し,言葉を削る―5年「割合」―
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- 20代の頃の修業 言葉を削ることで,初めてリズムが体感できた
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- 説明しなければ分かる!
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- 「ピタ」の一言で平均点が93点!
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- エラーレス・ラーニング
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- 向山型算数キーワード
- エラーレス・ラーニング
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 赤鉛筆指導はエラーレス・ラーニング
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- 学年別6月教材こう授業する
- 1年・あわせていくつ ふえるといくつ
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 2年・ひき算のひっ算
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 3年・水のかさ
- 例題の「基本型」
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- 「練習問題・スキル」と教材教具
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- 4年・折れ線グラフ
- 例題の「基本型」
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- 5年・垂直・平行と四角形
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<巻頭論文>算数授業へのこだわり 赤鉛筆指導はエラーレス・ラーニング
向山 洋一
先週,慶應大学医学部精神神経科学教室の根本医師にお会いした。
日本の統合失調症の研究大会で,東大,京大,北大,名大,九大など40の大学医学部の研究論文の中で,最優秀第一位になった医師である。内容は,『教室ツーウェイ』誌に連載中の「ペーパーチャレラン」を使った訓練プログラムである。
統合失調症(いわゆる分裂病)の訓練は,最もむずかしいといわれる。その困難な訓練にペーパーチャレランの効果が大きかったというわけである。
この研究は,プラハで開かれた国際医学会でも報告され,注目された。根本医師は外国での講演も依頼されている。
「ペーパーチャレラン」と並行して,いわゆる脳トレの「漢字・計算」の効果も研究したが,こちらは全く変化しなかったという。
根本医師たちは,自分たちの研究仮説と一致する「教材」「ゲーム」を,全力で調査したが,「これこそ求めていたものだ」というのは,「ペーパーチャレランしかなかった」という。
効果は,「陰性症状の改善」「社会機能」「対人関係」「総合精神症理」「課題変形」の5分野で見られたという。
TOSSの教材は,医学の世界でも有効と認められ,世界から注目されるようになった。
根本医師は,この直後,アメリカのバークレー校に留学に旅立った。そこには,世界一とされている医学博士がいるという。そこで,ペーパーチャレランの可能性をもっと確かめたいと語っていた。
なお,根本医師,共同研究の医師たちとTOSSは,今後も継続的に研究を進めていくことを確認した。インターネットを使っての情報の交換もやっていくことになった。
その席で,私たちは「算数ができない子が,赤鉛筆でうすく書いたものをなぞらせると,できるようになり,テストで100点をとるようにまでなること」をお話した。
脳科学,精神神経科学の専門医である根本医師は,即座に断定した。医学界の常識という。
それは,エラーレス・ラーニングです。
小学生などには「エラーをさせないで学習させる」ことが大切だという。
「トライアンドエラー」で,何かを挑戦させると「エラー・ラーニング」になり,「間違った脳回路」が作られてしまう。
「算数の問題解決学習法」は「トライアンドエラー」であり「エラー・ラーニング」なのである。どちらが公教育で大切かは言うまでもない。「トライアンドエラー」は「スポーツなどで県大会に出場するレベル」で使う方法なのである。
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