向山型算数教え方教室 2006年8月号
“子どものミス”を発見する技量&システムづくり

V086

«前号へ

次号へ»

向山型算数教え方教室 2006年8月号“子どものミス”を発見する技量&システムづくり

紙版価格: 964円(税込)

送料無料

電子版価格: 867円(税込)

Off: ¥97-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
算数・数学
刊行:
2006年7月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 子どものミスを発見する技量&システムづくり
当たり前だと思っていたことが、間違い 教えてくれるのは子どもの事実
/甲本 卓司
予測して動く、目を配る、模擬授業をし続ける
/水野 正司
木村重夫氏の追試 “子どもの誤答に学ぶ”
/川原 奈津子
考え方までさかのぼって間違いを正す
/馬場 慶典
教師修業の原点となったY君の「つまずき」
/杉山 裕之
発見の機会が何度もあるから、初心者でも子どものミスに対応できる
/齋藤 一子
「確認の原則」を意識して、ミスを防ぐ
/矢野 晴美
ミニ特集 かけ算九九ができない“この子”への手だて
かけ算九九計算尺でドラマが起こった
/迫田 一弘
倍数・約数にもかけ算九九表
/松本 俊樹
「かけ算九九の暗記」は授業中に勝負する
/上木 朋子
百玉そろばんで数の量感をとらえさせる
/脇 規洋
あきずに何度も練習できる教材がAを合格させた
/堤 緑
九九表・百玉・学習ゲームを活用する
/山下 敏彦
グラビア
向山式を体感する・学習とは丁寧に丁寧に!
/村田 斎
若葉印教師のための向山型算数基礎基本イラスト事典
子どもが集中できる環境づくり
/小倉 郁美
向山型算数キーワード
つまずき・まちがい・できない
/木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
教師力を向上させるのは実用的実践、計画的行為である
/向山 洋一
学年別教材教具こう使いこなす
1年
教師用百玉そろばんをこう使いこなす
/小林 篤史
子ども百玉そろばんをこう使いこなす
/楢原 八恵美
2年
かけ算九九尺を全体指導でこう使いこなす
/岩本 友子
かけ算九九尺を個別指導でこう使いこなす
/細羽 朋恵
3年
はかりを授業でこう使いこなす
/河野 健一
そろばんを授業でこう使いこなす
/佐藤 志保
4年
コンパスを授業でこう使いこなす
/石富 敦子
分度器を授業でこう使いこなす
/川西 良治
5年
電卓を授業でこう使いこなす
/橋爪 里佳
スマートボードを授業でこう使いこなす
/石原 卓
6年
立体模型を授業でこう使いこなす
/上川 晃
スマートボードを授業でこう使いこなす
/松本 隆行
中学4色ボールペンを授業でこう使いこなす
3年/中点連結定理を使った証明
/越智 鈴穂
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第77回)
「できる生徒」も同じ時間熱中して取り組んでいるか
/井上 好文
向山型算数に挑戦/論文審査 (第81回)
キーワードをどう授業するのか
/向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第83回)
震える事実に出会った学生からの報告
/木村 重夫
向山型算数WEBサロン (第77回)
1時間の授業での到達度を明確にすると教科書の軽重も明確になる
/赤石 賢司
“若葉印”教師が向山型算数でダッシュするとき (第17回)
真の「向山型算数」を求めて修業していく
/松本 一樹
“問題解決学習”隣の教室の実態ルポ
初めから教科書を使えば混乱はなかった!
/藤川 功一
問題解決学習で学力は向上するのか
/大倉 章大
〈教室の障害児と向山型算数〉特に気になる『あの子』への向山型アプローチ
ほとんど授業を受けなかったA君が、毎時間教室で授業を受けるように
/藤井 優作
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第83回)
低学年
/小井戸 政宏
中学年
/森本 雄一郎
高学年
/勝田 秀樹
ビギナー専科=向山型算数ココが授業の勘所
1年/肝に銘じた全員確認と繰り返し
/浅野 あけみ
2年/1人残らず授業に引き込む
/渡辺 佳起
3年/「先生、これ私の宝物」
/河中 淑恵(仮名)
4年/「わり算のアルゴリズム」をたたきこめ
/山川 直樹
5年/私が陥る我流ワースト2
/西田 裕之
6年/本を読んだだけでは分からない ライブで学ぶ
/横崎 邦子
向山型算数セミナー
会場を大きくしてお待ちしております
/板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
授業技量検定で弱点を克服する
/三浦 広志
少人数でも荒れた私の授業
/大場 絵美
昔と今の自分を思い出させてくれたポケットアルバム
/花田 伸一
できない子をできるようにさせる
/青木 英明
「写すのも……」に救われた私
/水田 孝一
うっとりする美しいノート
/安部 克則
笑顔で手を突きあげたA君
/本田 和明
論文ランキング
5月号
/木村 重夫
実物ノートと指導のポイント
準備をし、イメージをもたせ、できるようにする
/飯塚 美代子
読者のページ
伴氏の分析で見えた向山実践の凄さ
編集後記
/木村 重夫・赤石 賢司
TOSS最新情報
/赤石 賢司
向山型算数に挑戦/指定教材 (第83回)
/向山 洋一

巻頭論文

算数授業へのこだわり

教師力を向上させるのは実用的実践,計画的行為である

向山洋一


 今年のTOSSデーが終了した。全国760会場,参加2万8千人近く。昨年に比べて大幅なアップである。全国760会場ということは,760人の会場責任者がいたということになる。

 この経験は貴重だ。

 「学校行事の責任者の仕事なんか,簡単にできるようになるわよね」これは,師尾先生の口グセである。

 学校行事の責任者は,学校の仕事としては重いものの1つだ。それが,「こんなの簡単」と思えるようになるのである。

 さらに,「5分間の講座の担当」は,「学校の研究授業20回分」くらいに相当する。

 TOSSデーで,「5分間の講座」を担当した人は,そのことを実感しているだろう。学校での「研究授業」など,何でもなくなるのである。「わずか5分間の講座」であるが,本や論文を何十も読み,細かい動作の1つ1つまで確認をし,何十回も練習をしたのである。

 今までの教師生活では体験しなかった,初めての緊張した日々だった。

 その体験が,教師の技量を急速に向上させたのである。

 案内状を配ること,友人・知人を誘うことの1回1回に大きなプレッシャーがあったはずだ。

 それは,自分の内なる弱さとの対面だった。 自分の弱さから逃げることなく,小さな一歩を前に踏み出した人が,人間としてもきたえられ,強くなり,教師の深さを身につけたのである。

 サッカーでも,テニスでも,踊りでも,書道でも,英会話でも,ピアノでも「自分をきたえる」ことなしに上達はない。「試合」「発表会」「展覧会」などの,真剣な勝負の場を逃げていては上達しない。

 前へ進む人だけに幸運の神様はほほえんでくれるのである。

 40代,50代になって教え子たちの反乱に遭うのがいやだったら,若いうちから修業しておくことだ。40代,50代のベテラン教師になって,どうしようもない学級にしてしまっている人がいる。

 そういう教師に限って「自分の責任」と考えずに「子どもの責任」にするから,救いようがない。

 次の学年になっても,その次の学年でも,ひどい学級を作ってしまうのである。

 若い頃から,教師修業を積んだ人は,幸せなクラスを作れることが多い。

 もちろん,すべてがうまくいくとは限らない。

 神様は,ちゃんと「新しい困難,新しい問題」を用意してくれる。

 しかし,それは必ず克服できる問題なのだ。これまでの修業から得た知恵が,次へと導いてくれる。

 向山だって,その年その年の山ほどの問題に出会ってきたのである。


 愛媛の上杉先生から便りをいただいた。

■愛媛TOSSデーが終了しました。TOSS大洲は今年も5会場で開催し,179名の参加をいただきました。今回は,ほとんど,地元の方に参加していただきましたので,十分満足できる結果が出たと考えております。

 今年は複数会場に参加される方がたくさんいらっしゃり,5会場すべてに参加された方もいらっしゃいました。その方は,教職歴25年のベテラン女教師でした。

 そして,本日(5月27日)TOSSデー後,初例会を開催しました。拡大例会として案内したところ5名の方に参加していただきました。先のベテラン女教師の方も参加されました。皆さんの感想は以下の通りでした。

 「テンポがよくて,びっくりした」

 「授業を受けて,子どもの気持ちがよく分かった」

 「細かいところまで,指摘され,このようにすればよいという意見が出されて勉強になった」

 「みなさんが,楽しそうに研修をしているのでいい雰囲気だった」

 これからも,拡大例会の開催,サークル通信の発行,五色百人一首大会のお手伝い依頼などいろいろと働きかけます。

 また,今回は愛媛県のTOSSデー責任者を仰せつかりました。こちらの方は,参加者が前回よりもかなり減少しました。TOSS愛媛例会のおりに,第4回TOSSデーの進め方や地上戦のやり方をお伝えしたつもりでしたが,うまくいきませんでした。

 参加人数が減少したサークルは,地上戦の弱さが出ました。ノウハウをお伝えするだけでは,うまく進められないのだなあと思いました。TOSSデー後,各サークルの地力をつける必要があると思いました。

 県内を動かすというのは難しいなと,勉強になった今回のTOSSデーでした。

 全体としては前進したが,部分的によく見るとうまくいかなかった点もある。

 教室での実践も同じである。

 前進,停滞,後退を,1つ1つの事実を,正確にとらえるべきなのだ。

 それぞれに,必ず「原因」がある。「結果」は「原因」から,もたらされる。「なぜ」なのか,「仮説」を出さねばならない。「仮説」を「実行」してみる。「仮説」が正しければ,「前進」するし,「仮説」が間違いならば,「停滞」する。

 そのとき,「次の仮説」を考え,「実行」するのである。

 「1つのやり方」ではダメだ。「二策」「三策」「四策」「五策」とやっていくのだ。

 どこまでやるのか。

 成功するまでやるのである。

 これが「成功する法則」なのだ。

 いかなる道であれ,成功した人は,必ずこのやり方をしてきたのである。TOSSデーは,「成功哲学」「成功法則」を学ぶ,またとないチャンスなのである。

 もちろん「自分の人生」「教室の実践」にそのまま適用できる。

 TOSSデー参加者には,粗く3つのタイプがあった。

 第一は,次々と多くの会場へ来られた教師である。

 多くを学びたいのである。学んでよかったと思っているのである。だから「県内の会場」を調整して,1つ1つの会場の特徴をはっきりさせることが必要だった。

 A会場もB会場も「何でもあります」ではいけないのだ。

 A会場は,「算数のスキル,ワークの正しいユースウェア」,B会場は,「感動のドラマを生む跳び箱,なわとび,逆上がり指導」というような特徴を出すことが必要だった。

 第二は,自分の友人,周りの人を誘って参加してくれた教師である。

 この人は,「すぐれた技術・方法」を,多くの人に紹介したいのだ。

 TOSSの教師と同じ心情をもっている。

 その行動に深く感謝しなければならない。

 サークルへのお誘いも必要だ。

 第三は,一度は来たけれど,次の年は来なかった人だ。結構いると思う。「誘い方の工夫」は,もちろん大切だ。近くなったら,ハガキを出すくらいの行動は必要だっただろう。

 しかし,本質は,そこにはない。

 「一度出て,TOSSの指導法は分かった」と思い込んでしまったのである。

 ちょっと見ただけで,全部が分かったように感じてしまったのである。その人たちには,「技能,技術,知識」の違いが,一目ではっきり分かるパンフレットが必要だったのだ。

 例えば,次の図。


(図省略)


 このようなステップがあり,その入り口がTOSSデーだと分かれば,次も出たくなる。

 あるいは,「国語授業力一覧表」みたいにして「何十もの目次」を作り,「今年はこれをやりました」とすれば,「来年も来よう」となったと思う。

 さて,「TOSSデー」の後は『算数が出来ない子100人を出来るようにした教師の物語』(明治図書)の普及である。

 向山型算数しかできなかった珠玉のドラマ集だ。TOSS中央事務局は,第一は「全国すべての地方新聞社」,第二は「全国すべての教育長先生」,第三は「全国のPTA,ロータリー,ライオンズ,JC,青少年問題協議会」などに寄贈しようと準備中である。

 この本を大々的に広げよう。

 感動のドラマを1人でも多くの人に読んでもらおう。

 それが,日本の子どもを救い,基礎学力を保証する近道となる。

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ