向山型算数教え方教室 2002年5月号
「新教科書」をリズムとテンポよく授業して算数学力*

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向山型算数教え方教室 2002年5月号「新教科書」をリズムとテンポよく授業して算数学力*

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2002年4月
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 「新教科書」をリズムとテンポよく授業して算数学力急上昇
ぶれない基本型で学力が身につく
星原 一宏
教科書が向山型算数に近づいてきた
楢原 八恵美
指導内容の変化を見抜き授業を組み立てる
大関 貴之
言葉を削れ
矢野 晴美
一時に一事で分かりやすい作業指示
東田 昌樹
細分化・イメージ化してテンポアップ!
下重 和也
教科書の『基本型』を見抜いて突き進め
国友 靖夫
ミニ特集 向山型算数は我流授業とここがちがう
「小さな事実」を積み重ねる
齋藤 奈美子
授業のはじめ一つとってもちがう
□□□□□
向山型算数は使うものがちがう
藤嶋 茂
子ども達の事実が示す、我流授業とのちがい
飯塚 美代子
説明しないからよく分かる向山型数学
大角 勝之
ライブで学ぶ! 我流授業からの脱却
山口 浩彦
グラビア
第16回向山型算数研究セミナーIN東京 2002.2.16
村田 斉
〜向山型算数で子どもたちはここまで基礎学力をつけた〜
向山型算数キーワード
向山流忘れ物指導
木村 重夫
論文ランキング
2月号
木村 重夫
巻頭論文 算数授業へのこだわり
算数の問題解決学習は、学校教育法に違反している。問題解決学習の管理職、指導主事、附属小学校教官は明白な犯罪行為を行っている。
向山 洋一
学年別5月教材こう授業する
1年
なかまあつめ
寺田 真紀子
いくつといくつ
斎藤 浩康
2年
ひき算のひっ算
荒谷 卓朗
ひき算のしかたをかんがえよう
山下 文廣
3年
わり算 新しい計算を考えよう
阿部 力
何倍かをもとめる計算
荒井 紀之
4年
わり算
川口 達実
円と球
新里 誠
5年
小数のかけ算とわり算
脇 規洋
小数のかけ算とわり算(1)
小島 清見
6年
立体
太田 政男
分数のたし算・ひき算
長谷 和美
向山型算数に挑戦/論文審査 (第30回)
基本の割り算の指導でさえ、向山型にははるかに遠い
向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第32回)
フラッシュで作ったインターネット向山型算数授業
木村 重夫
向山型算数の原理原則と応用 (第32回)
「写すのもお勉強」半年後に変化を見せたA児の記録
井上 朋子
向山型算数と出会ってTT授業・少人数授業が変わる (第2回)
少人数授業を活かすにはひたすら向山型算数を実践するのみ!
白瀬 嗣大
向山型算数WEBサロン (第26回)
円の面積を教師が説明しないで求める授業
赤石 賢司
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第26回)
あかねこ中学数学スキルの3つの使い方
井上 好文
『教え方大事典』を活用した算数授業体験
1年/遊び感覚で楽しむトランプ学習
辰尾 重男
3年/優れた語りで知的な授業を
奈良 満
4年/子どもが熱中するフォーフォワーズ
浅井 輝夫
5年/マネーゲームで百分率の指導を追試する
梶野 修次郎
6年/舘野論文を向山型パーツで補強
松本 隆行
中学/関数の導入は「お風呂の事象」で
西野 一葉
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第32回)
低学年
澤田 好男
中学年
中山 和明
高学年
小崎 祐一
衝撃のライブ体験「向山洋一の介入模擬授業」を受けて (第2回)
弱さ,甘さに,切り込む凄み
正木 恵子
やり方が違うなら、途中も変わる
小松 裕明
向山型算数セミナー
異業種の店長も向山氏の話を聞いて感動してしまった!
板倉 弘幸
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
1年生にこそ向山型算数を
酒井 雅代
我流は本当に恐ろしい
西田 裕之
迷いは事実がふりはらってくれる
生山 裕子
ノート指導だけでもここまで感謝される
佐藤 真史
「知った」つもりは,我流の始まり
山口 收
向山型算数で子どもから感謝の言葉をもらった!
芹沢 晴信
苦手な子の喜ぶ顔がみたい
手塚 美和
自由投稿フリーページ
言葉を削る作業は興趣修業だ
木村 重夫小貫 義智
実物ノートと指導のポイント
最初が肝心!うっとりするノート
末宗 昭信
読者のページ
「これだ!!」本誌から得た手ごたえ
編集後記
木村 重夫赤石 賢司
TOSS最新情報
向山型算数に挑戦/指定教材 (第32回)

巻頭論文

算数授業へのこだわり

算数の問題解決学習は,学校教育法に違反している。

問題解決学習の管理職,指導主事,附属小教官は明白な犯罪行為を行っている。

向山洋一


向山型算数は,次々と広がっている。セミナー,講座にも,新しい人が次々と参加してくる。

20代教師の参加が,あいかわらず多いが,40代,50代のヴェテラン教師の参加も目立つ。これまで,20年,30年も教師をしてきた人がなぜ参加をするのか。

私は,たずねてみた。

「向山先生,それは,授業が楽しくなったからですよ。今までと違う,手ごたえを感じたからです。勉強ができない子が,できるようになるのを見ていると,教師としてのやりがいを感じるのです。こんな体験は,初めてです。」

若い教師たちも,ヴェテラン教師を囲んで熱心に聞いている。

ヴェテラン教師は,山ほどの体験がある。

「事実を大切にして,子どもの成長を心から願う」ヴェテラン教師を青年教師は尊敬する。そういうヴェテラン教師の話は実践の知恵の宝庫だ。

昔の話も聞ける。

「水道方式」「全生研」「日本作文の会」などの体験も話してもらえる。

ヴェテラン教師も,一つ一つの体験をていねいに話していく。

そこには,長い年月をかけて教師をしてきた人間の重みがある。

どうして,向山型算数に辿りついたのかも分りやすく説明してもらえる。

「とにかく,子どもが勉強ができるようになるんだ。この私の指導で,子どもが,できるようになるんだ。子どもに感謝され,親にも感謝される。教師として,これ以上の生きがいはない。」

「教師の世界には,きれいな言葉が多い。きれいなのは言葉だけで,現実はそうではない。できない子をどなりつけ,できない子を叩いている教師は山ほどいる。向山型は,どなる必要はない。ゆったりと,にこやかに指導していくだけで,みんなできるようになる。これこそが,私が教師として,長い間,願ってきたことなのだ。」

50代教師を20代教師が群がるようにとり囲み,楽しい教育論議は延々と続く。

今,学校で,こんな光景はあるだろうか。

20代教師に,慕われるヴェテラン教師がいるだろうか。

向山型算数を実践する教師は,どこでも研究授業をひきうける。

その後で,研究協議会が行われる。

どのような結果になるかというと,三通りに分かれる。

@いろいろな質問が出された後,「こういう指導法は初めて見た」ということで,「私もやってみようかしら…」とか,「子どもが熱心に学習していたのに感心した」とかの反応が出る学校。

多くの教師が,「子どもの事実」を大切にしている職場である。

こういう学校が,全体のおよそ4割である。

Aいろいろな批判が出されるが,「それにしても,みんな授業に集中していた」という教師が一人,二人といる学校。

次の日になると,何人かの教師が一人でやってきて,「向山型算数を教えて下さい」という職場。こういう学校が,全体のおよそ5割である。

B最初から,批判と批難に終始する学校もある。

批判のことばも,全国で共通している。

「練り上げがない」

「これでは,本当の実力はつかない」

「数理について学ばせていない」

「子どもは,言われたことをやっているだけだ。」

何故,同じことばが出てくるのかと思うほど,全国共通している。

「では,本当の学力を具体的に示して下さい」

「共通のテストで比較しましょう」

「全員のノートを比較検討しましょう」

「授業をぜひ見せてください」

こういうことをお願いするのだが,みんな逃げてしまう。

そういう教師のクラスの親が,「うちのクラスは,ひどいのです」と訴えてくることも共通している。

但し,100人に1人くらいは,集中して授業ができるクラスを創れる人もいる。

ある学校で,若い女の先生が,向山型算数の研究授業で,コテンパンに以上のことを言われた。

民教連が強いところだ。ほとんど40代,50代の教師だ。

この若い教師は「ネをあげた」だろうか。

そんなことはない。強くきたえられた。

そして,決心した。「この人たちとは,一緒にやれないのだ。」

かくして,きたえられた筋金入りの「向山型算数」の実践家が生まれていく。

この地区の20代教師は,みんな向山型になった。その数,数十名。

つまり,旧文化の教師は,一人の青年教師もひきつけられなかったのである。

第一の例に示したような,「そのやり方を知らなかったけど,それもいいね」という教師となら,仲よくやっていける。

弱い点を批判されれば,素直に受け入れる。

しかし,最初からけんかごしで,事実を見ようとしないなら,「それでは,勝手にどうぞ」と居直るしかない。

全国の研究授業が,私のもとに報告される。

そこでは,ひどいバッシングもある。

しかし,青年教師は,向山型算数を選ぶ。

グチャグチャだった授業が,きちんとするからだ。

テストの平均点が急上昇するからだ。

できない子が,できるようになるからだ。

こうした,子どもの事実が,青年教師の心をとらえる。

向山型算数の研究授業で,「やっぱり問題解決学習がいい。私は向山型を止めて問題解決に移る」と言った青年教師は一人もいない。

問題解決学習の教師は,青年教師の心をとらえることができない。それは,そこには,きれいな言葉があるだけで,「本物の手ごたえ」がないからである。

ところで,問題解決学習の教師は,全国至るところで,「教科書を使うな」と言う。

「算数の授業で,教科書を使ってやるのを認めない」と青年教師に強要する管理職もいる。

ある附属小の算数担当教官は,教育実習生に「教科書を使わないで教えよ」と指導している。

問題解決学習の管理職,指導主事,指導教官は,全国で「教科書を使うな」と主張し,指導し,時には強要している。

これは,まぎれもない事実であり,私は,「学校名,氏名」をいくらでも明らかにすることができる。

さて,学校教育について定めた法律は,いわずとしれた「学校教育法」である。

学校教育法は,教育基本法とともに,日本の教育の骨格を形づくる法律である。

学校教育法の中には,教科書(正式には教科用図書)についての定めがある。

学校教育法第21条「教科用図書」小学校においては,文部大臣の検定を経た教科用図書(注向山:いわゆる教科書)又は文部省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。

かくも明確に,学校教育法では教科書の私用を定めている。

ところが問題解決学習の校長,教頭,研究主任,指導主事,附属小教官は,「教科書を使うな」と強要している。

北海道から九州まで,全国で行っている。

青年教師が,教科書を使い,上手に授業をしても,それを認めない。

テストの平均点が急上昇したこと,勉強ができない子がめざましく上達したことを訴えても認めない。

親からの感謝の手紙,子どもの喜びの作文を示しても無視する。

そして,校長室によび出し,校長,教頭,研究主任がよってたかって,「教科書を使うな」と強要する。

「私(校長)は,そんな指導法を認めない」と言う。

これが,教育委員会指導主事が指導している算数教育の実態である。日本中の7割はこのようである。

法を破り,法律に違反し,犯罪行為をしているのは,問題解決学習を推進している校長,指導主事なのである。

<附記>問題解決学習の先生の反論をお待ちします。

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