- 特集 向山型算数の原理原則!教科書の「基本型」を見抜け
- 向山型算数という「大木」にとって「基本型」は太い「幹」である
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- 基本型はくり返して使える
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- 繰り返し使える「基本型」を見抜け
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- 説明しなくても写すだけでわかる方法をさがせ!
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- 「写させた時にミスが出ないこと」が大切
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- 徹底分析!教科書の「基本型」
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- 基本型でその時間,その単元が大きく変わる!
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- ミニ特集 もう一つの向山型算数「難問」の授業でクラス興奮!
- 子どもは知的挑戦を好む
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- スペシャル問題に大興奮!
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- 問題って楽しい! おもしろい!
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- 「難問」はヒーローを生み出す
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- どの子も挑戦を繰り返し,熱中して取り組む
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- 子どもの声・親の声
- お母さんに「ノートがきれになったね」と言われてとってもうれしい
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- 向山型算数キーワード
- 基本型
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- 向山型算数実物ノートと指導のポイント (第12回)
- 瞬時に,つまずきを見抜く
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- 巻頭論文 算数授業へのこだわり
- 向山型算数 最新情報はインターネットにのって
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- 向山型算数に挑戦/論文審査 (第10回)
- ポイントをはずすな
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- 向山型算数実力急増講座 (第12回)
- 向山型算数の基本3ステップを意識せよ
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- 〜例題→練習問題→『あかねこ計算スキル』〜
- 向山型算数の原理原則と応用 (第12回)
- 補助計算の重要性
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- 向山型算数と出会ってTT授業が変わる (第6回)
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- 向山型算数WEBサロン (第6回)
- 授業の役に立つホームページ創りの視点〜授業は本線を追及させる〜
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- 子どもがシーンとする奥深い算数エピソード (第12回)
- 神がつくった絶妙のバランス
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- 中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第6回)
- 中学数学教科書の「基本型」を教える
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- もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第12回)
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- 親子で挑戦!ダブル・キムラ先生の算数 ザ・宿題 (第12回)
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- 向山型算数に挑戦/指定教材 (第12回)
巻頭論文
算数授業へのこだわり
向山型算数最新情報はインターネットにのって
向山 洋一
インターネットの上に,次々と「向山型算数の情報」が流れている。
現在進行形の情報だ。
「こうやったらうまくいった」という数々の実践報告。
あるいは,「うまくいかなかったけど,どこが悪かったのか」というメール。
最も,ホットな情報が,インターネットの上をとびかう。
「向山型算数」の情報だけで,毎日,二十も三十ものメールが流れる。
それは,大変な情報の量だ。
十日間で,単行本一冊ぐらいの情報が流れるからだ。
インターネットを活用している教師と,何もしない教師の間には,急速に「実力の差」が開いていく。
教師に限らず,すべての仕事でこうした傾向が生じている。
この雑誌の読者でも,五,六千名の教師はインターネットを始めていると推定できる。
まだ,少数派だが,半年たてば,この数は倍になっているだろう。
TOSSの県別MLも活発に動いていて,まだTOSS県別MLのない県は,徳島,香川,宮崎の三県にすぎなくなっている。
一方では百名ものTOSS県別MLができているのに,三つの県では,まだ誰もいない。
情報の差は,明白である。
(三つの県の先生,どうか一日も早く,TOSS県別MLを作っていただきたい。どなたでもけっこうである。コンペイ糖の芯のように,お一人がいれば,急速に広がっていく。)
(外国の日本人学校の先生方,TOSS国際MLもぜひ作っていただきたい。)
インターネットで話題になったことを紹介しよう。
1 群馬のK子です。
私のクラスでも「あかねこスキル」を使っていますが,どうもうまくいきません。子どもの受けがあまりよくないのです。
「計算スキルをやります。」というと,「えー。」という声が出ます。
時間で制限されるのがいやなようです。「あと○分」とか「あと○秒」と言うと,「えー,もう?」と声が出ます。
ほかにも受けのよくない理由として,あまり点がとれないことがあげられます。
「小数のわり算」では,5問コースや10 問コースを選んでも,時間内に終わらないので,子どもも苦手意識を持ってしまったようです。
それから,授業の最後にスキルをすることになっていますが,スキルまでいきません。
授業のリズム・テンポが悪いのだと思います。
その時間にやった内容が,スキルで練習できないのでずれこんでしまいます。
これが点が取りにくい原因かとも思います。
子どもに,楽しく計算スキルをさせたいのですが。
よいアドバイスがあったら教えてください。
2 向山洋一です。
1.K子さんのメールで「スキルまでいかない」ということがありました。
これは,明らかに,リズム・テンポが悪いのです。教師の言葉が多すぎたり,「あっちこっち」によりみちしているからです。
2.「あかねこスキル」が終わらない(いやがる)のは,子どもの力が,まだ低いのが実態で,それに教師が「基本形」をあわせているからです。
3.「子どもの事実」を大切にして,修正(フィードバック)するのが教師の仕事です。
2分を3分にしたり,10 問全部をやらずに5問だけにしたりするのです。(5問の時は,1問コース・2問コース・5問コースとなります。)
ところで,なぜ,K子さんの学級では,「2問コース」がいないのでしょう。「自分の力に合った問題を選ばせる」のも教師の大切な仕事です。
4.それから全員にですが,“90 点”を目安にすることは大切ですが,技量が低いのに,こだわりすぎることはありません。
平均点85 でも80 でも立派なのです。
これまでの自分と比べて平均点が5点も上がれば大変なことです。
「90 点との比較」ではなく「今までの自分との比較」をしてください。
●向山 向山型算数をやると市販テストが急速に向上するのは,何百,何千の教師が体験していることだ。
しかし,うまくいかない場合もある。
多くは,本人の基礎体力の不足だ。教師としての簡単な技量が育っていないのである。
また「向山型」を分かったつもりでやる場合も効果がうすい。せめて「向山の授業CDを100回は聞いた」「ライブも2,3回体験した」ぐらいはほしい。
それを,雑誌をちょっと読んだぐらいで分かったつもりになっている人がいる。何十回なめるように読んでも,文字では伝わらないこともあるのだ。例えば,テンポとかリズムである。
更に,子どもの中に問題がある時もある。だから,平均90を機械的に追究しない方がいいのだ。
時にはすてきなやりとりも生まれる。
3 みなさん,こんにちは。石川のS子です。
6年生の「分数のわり算」について悩んでいます。(教科書は啓林館です。)
今日保護者の方から下記のようなメールをいただきました。
割り算の時は,反対にして掛け算にするという意味がわかってないようです。
もとの数を反対にしたり,割る数をそのままにしたり,そうかというと途中でちゃんと反対にしたりというふうで,素人の私は,どういう風に教えていいのかわかりませんでしたが,もとの数はさわらないで割る数が割り算の場合だけ反対にして掛け算にするというようなやり方だけ教えましたが,それでいいんでしょうか? どうしてそういうようなやり方をするかというのは問題ではないんでしょうか。理由づけをするのは難しいような気もしますし,主人も学校で,計算の方法だけを教えてるんだったら,そういうように覚えさせなくてはいけないし,というようなことを言ってましたが… このまま分数が終わってしまうと思うと,不安が残りましたのでメールをさしあげた次第です。
(以下略)
4 向山洋一です。
1.旭川の教え方教室から帰京,メールを見て返事を書いています。
2.私たちは,「子どもの事実」を大切にすべきです。保護者が心配して「分からない」というのですから,謙虚に受け入れるべきです。
3.つまり,貴方の授業はよくなかったのです。少なくとも,「分かった」と子供たちが納得する場面がなかったのです。
私は「向山型」とはまったく異なる授業をしたと推定します。
4.当然,即座にやり直しをすべきです。
もっと十分な教材研究をして,できる限り早くやるべきだと思います。
5.「十分に分かるまで次へ進んではいけないのですか」などということはありえません。
先生は「十分に分かるまで教えた」ことがこれまでに何回もあるのですか。(そのようにしてきた人が言う質問です。)
「十分に分かるまで教える」ことなどできるはずはないのです。
6.一番気になったのは,「運動会などで大幅に進度が遅れた」という部分です。何か,授業に対する「いいかげんさ」を見たようでした。
私は32年間の教師生活で「運動会」や「学芸会」,「公開研究」のために,算数の授業が遅れたことは一度もありません。つまり,運動会のために算数の授業をカットしたことはただの一度もなかったということです。
7.算数の授業はとりわけ,毎日のきちんとした授業を必要とします。
授業の延長や宿題や残り勉強の必要はまったくありませんが,一時間一時間をきちんとすべきです。
「運動会のために大幅に遅れた」という文面に,普段の授業がどのように扱われてきたか想像できます。
「あわただしい」「一人一人の子どもを確認することを怠った」授業ではなかったでしょうか。
8.保護者の意見はとっても貴重です。
先生の授業を支えようとされています。
このように素晴らしい保護者の信頼を裏切ってほしくないと思います。
5 石川のS子です。
やり直すことを保護者の方にお伝えしたところこの次のようなお返事をいただきました。
実は以前に,同じようなことを先生に言ったら,そのときは,もう学校では教えてしまい,すんだところなので,おうちで教えてあげてくださいと言われ,主人とある種の失望感を覚え,その先生の言われる通り,家で教えたこともありました。
ですから,S子先生のお言葉を聞いたときはそれこそ飛び上がらんばかりの感激でした。
向山先生の「保護者の信頼を裏切って欲しくないと思います。」というお言葉を再び思い出しました。
これだけ保護者の方が教師の一言に失望したり期待を持ったりしているということに責任の重さを感じました。
これでやり直してまだわからなかったら信用ゼロだなとプレッシャーと不安を感じます。しかし,逃げてはいられないです。がんばります。
●向山 S子さんから,自分の欠点を分析したていねいな返信と今後のやるべきことが送られてきた。
「子どもの事実」の前での素直な謙虚な自己否定。今後の精進の決意。私は新しい女教師像を見た思いで,すぐに返事を書いた。
6 向山洋一です。
1.返信を読みました。
あなたは素晴らしい教師になる資質を持っています。知性的で素直で前向きです。
私の文章を実に正確に受け止めています。
2.本当の教師修業は「今までの自分がダメだった」と自覚することから出発します。
誰だってそこから出発したのです。それが,プロになっていくための最も大切な条件です。
3.授業はゆったりと暖かく包み込むようにやるのですよ。気負うことはありません。
また,取り立てて子どもに謝る必要もありません。しかし,子どもをいとおしいと思ってやることです。
4.分数の計算が分からない人がいたみたいでした。運動会であわただしかったり,忙しい授業になっちゃったためだと思います。
今日はもう一度,勉強してみましょう。
大切なことはしっかり勉強することが大切ですからね。
5.例題のところを一気にやらせないで,3つか5つぐらいに分解して,丁寧に作業をさせ,分からないならすごくやさしい例示をやってみてごらんなさい。
説明は30 秒以内。「ことば」で押し込むのではなく,1つ1つの「ノート作業」に意味を持たせ,小さなステップを作ってやり,同じような練習問題を1つ,また1つとやってみるのです。
6.S子先生,いつかお会いできる日を楽しみにしています。
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- 明治図書