向山型算数教え方教室 2000年8月号
「教科書通り」授業するから子どもはわかる!

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向山型算数教え方教室 2000年8月号「教科書通り」授業するから子どもはわかる!

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ジャンル:
算数・数学
刊行:
2000年7月
対象:
小学校
仕様:
B5判 92頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 「教科書通り」 授業するから子どもはわかる!
それぞれのプロが作り上げた算数教科書―私の教科書使用体験―
/木村 孝康
リズム=緊張感+ゆとり
/水野 正司
子どもが受けたカルチャーショック
/太田 麻奈美
教科書通り授業すると平均点が上がる
/平松 孝治郎
教科書通り,テンポよく授業を進めよう!
/波戸内 勝彦
解き方・考え方のシステムが身につく!
/河田 孝文
教科書+計算スキルでたったの30分
/高橋 恒久
ミニ特集 私の「向山型算数研究授業」への反響
新旧教育文化の対決が生じた
/赤石 賢司
元都算研会長いわく「勇気ある提案」
/桜木 泰自
事実で語る
/高橋 博剛
子どもの事実と教師の力量
/藤吉 宏信
地区算数部会への提案と校内での闘い
知的で誠実な女教師たちが動いた!
/大沢 正典
子どもの声・親の声
6年木村重夫学級「(前は)算数がきらいだったけど,(今は)とても楽しい!」「もんくなし!」
/木村 重夫
向山型算数キーワード
花丸・シール
/木村 重夫
向山型算数実物ノートと指導のポイント (第11回)
「基本型」をしっかり書かせて力をつける
/大澤 智
巻頭論文 算数授業へのこだわり
内閣内政審議室への向山意見
/向山 洋一
〜許しがたい一部指導主事、校長の実践への圧殺行為〜
学年別向山型算数おもしろエピソード
小1教材おもしろエピソード
―がどうしてできたか/何度で死ぬか?/鳥は5が分からない/桁の禁止/秀吉の知恵/羊の数/赤鉛筆
/小松 裕明
ひき算(2)
/石橋 健一郎
小2教材おもしろエピソード
かけ算九九に入る前のエピソード/長さの学習に入る前のエピソード
/篠崎 千恵子
子どもを前向きにさせる遺伝子の話
/根津 盛吾
小3教材おもしろエピソード
時計…人間の知恵と努力の結晶
/伊東 寛泰
不思議な数字「9」のお話/わり算の記号はなぜ「÷」なのか
/中谷 結花
小4教材おもしろエピソード
「大きな数と小さな数のお話」
/大島 英明
これはビックリ!曽呂利新左衛門の知恵
/小林 克則
小5教材おもしろエピソード
小話その1 単元『整数』偶数・奇数/小話その2 単元『面積』/小話その3 単元『円と正多角形』円の面積
/宮澤 傳二
拾った財布
/清水 洋子
小6教材おもしろエピソード
キュービット/フート/尺【しゃく】/束【つか】/尋【ひろ】
/矢嶋 秀行
エジプト人になって分数に挑戦
/西田 幸二
向山型算数に挑戦/論文審査 (第9回)
扱わないことも大切なポイントだ
/向山 洋一
向山型算数実力急増講座 (第11回)
「うっとりするノート」への挑戦
/木村 重夫
向山型算数の原理原則と応用 (第11回)
向山型算数の原理原則は正確に応用せよ!
/岡田 健治
向山型算数と出会ってTT授業が変わる (第5回)
/小池 哲也
向山型算数WEBサロン (第5回)
大阪会議に参加してTOSSランドの確かな前進を感じました
/赤石 賢司
子どもがシーンとする奥深い算数エピソード (第11回)
「時刻と時間」時計の歴史
/板倉 弘幸
中学校からの発信!「向山型数学」実践講座 (第5回)
中学校数学 「基本形」を見抜く!
/井上 好文
もう一つの向山型算数 難問良問1問選択システム (第11回)
低学年
/竹森 正人
中学年
/甲本 卓司
高学年
/藤井 幹裕
親子で挑戦!ダブル・キムラ先生の算数 ザ・宿題 (第11回)
/木村 重夫
“向山型算数”授業のバーチャル体験 (第11回)
向山洋一は“筆算と検算”をこう授業した!�@
/向山 洋一・木村 重夫
自由投稿フリーページ
/木村 重夫・土屋 洋之
腹の底からの実感!向山型算数を知る前と後
これからも、向山型算数に挑戦!
/福井 千彰
『93%算数だ〜いすき!!』
/磯貝 陽吉
下位の子どもも見えるようになりました。
/江崎 一平
「先生、算数って何だか楽しいね!」
/宮野 正樹
知らなきゃバカ見る!「向山型算数」
/大金 桂子
子供も教師も算数が楽しくなる
/渡辺 佳起
読者のページ
編集後記
/木村 重夫・赤石 賢司
法則化最新情報
向山型算数に挑戦/指定教材 (第11回)

巻頭論文

算数授業へのこだわり

内閣内政審議室への向山意見 許しがたい一部指導主事、校長の実践への圧殺行為

向山 洋一


 長野県の指導主事は,向山型算数の研究報告に対して,次のように言ったという。


�@ 子どもは受け身で,主体性が育たない。

�A 考える力を育ててほしい。


 報告は,子どもの事実が示されていた。


�@ 保護者の教師への感謝のことば

�A 中学校教師が「学習能力,学力ともにすばらしい」という報告

�B 子どもの平均点,できない子ができるようになった事実


 授業は奇をてらったものではない。

 文部省検定の教科書を使い,ていねいに授業しただけである。

 日本の教師が,文部省検定の教科書を使って,上記のような成果をあげているのに,なぜにこれほど批難されなくてはならないのか。教科書を使わずにプリント学習をすればいいらしい。

 プリント学習の多くは,教科書批判から生まれた民教連制作のプリントである。

 指導主事は,教科書を使わずに民教連のプリント学習には口をつぐみ,文部省検定の教科書を使った授業には,口をとがらせて批難をする。

 許しがたい言動である。

 指導主事であるだけに,断じて許しがたい。

 しかも,その主張はデタラメだ。


 向山型算数では「子どもは受け身で主体性は育たない」と言う。

 向山学級が元祖であるが,向山学級の子どもたちは「受け身」であったか? 向山学級の子どもたちは「主体性」が育たなかったか? 全く逆だ。

 日本のすべての教室の中で,十指には入るくらい「主体性」をもった子どもたちであり,「能動的」であった。

 向山学級の子どもたちは「考える力が育たなかった」のか。

 全く逆だ。

 向山学級の子どもたちは,全国で十指に入るくらい「考える力」が育っていた。

 私は,数々の実践記録の中で,公開発表で,ビデオでその事実を示した。

 考える力が育たないのは,「課題解決学習」である。授業に緊張感がないからだ。

 私は,内閣官房内閣内政審議室から,「教育のあり方に関する意見」を求められた。

 これは,日本中の百数十名の有識者に求められたものであり,小学校教師として私が一人それに加わった。

 この意見は,内閣官房から冊子として出版された。インターネットによっても見ることができる。

 日本の教育の焦眉の問題を私も強く主張した。当然,問題解決学習を推進する校長,指導主事の一部に見られる許しがたい言動についても言及した。

 彼等の言動の,熱心で真面目で,子どもの事実をつくりあげている教師に対する圧殺行為は,犯罪的でさえある。

 再度いうが,文部省検定の教科書をその通りに使って,ていねいにまじめに授業したことが,なぜ口汚く指導主事,校長に批難されなければならないのか。

 しかも,クラスの平均点は 90点と急上昇し,勉強のできない子が,急速にできるようになり,親から涙ながらの感謝のことばをもらっているのにである。

 内閣審議室から求められての私の意見は前頁の通りである。

 教科書を使わないプリント学習は,学力低下の根源である。許しがたい暴挙である。

 私はこれまで「指導法にはさまざまある」という立場を貫いてきた。「これは駄目だ」と断定したことは,ほとんどない。

 しかし「プリント学習」は駄目だ。

 犯罪的行為だ。

 子どもの可能性をつぶし,子どもから学習の楽しみを奪い,子どもにやる気を失わせる悪魔の方法だ。

 妥協はない。これは,文化の戦いだ。

 戦いは,そこにある「根本的な矛盾が解決されるまで」止むことはない。

 プリント学習とは,水道方式と課題解決学習をさす。

 正確に言えば,実態としての,現在全国各地で行われているところの,授業としての水道方式と授業としての課題解決学習をさす。

 理論だけとりあげれば,ある条件のもとで,きちんとした授業を行えば,どちらもそれなりの意味を持つとは思っている。

 しかし,問題なのは「授業」であり,子どもの事実だ。

 授業がダラダラと続き,できない子はいつまでもできるようにならず,授業時間はのび宿題は山のように出される。

 ノートは,まともに使われていない。

 市販テストをすると,30点50点がゴロゴロいる。市販テストをすると,子どもの実力が出てしまうので,市販テストを無視する。

 それのみか,テストまで無視する。

 一人よがりな自画自賛。

 いつから,日本の教師は,子どもの事実から目をそらし,教師自身の一人よがりを子どもに押しつけるゴー慢な人間になり下がってしまったのか。

 教室で「できない」で悩んでいる子どもの姿から目をそらすようになってしまったのか。そんな教師の口をついて出てくることばは,日本中同じだ。

 「考える力を育てることが大切だ。」

 「生きる力をつけるのが大切だ。」

 「自分で考えさせるのが大切だ。」

 もとより,そういうことは大切だ。

 しかし,きれいな言葉を山ほど並べても解決にはならない。

 クラスに 20点 30点の子がゴロゴロいるのにそれをできるようにさせないで,何が教師だ。

 テストの平均点が 60点台で,何が考える力をつけただ。

 基本を学びとることを通して,「生きる力」も

「考える力」もついていくのである。

 私は,プリント学習の害を訴え続ける。

 先日は,国会議員の学習会で,その前は元文部大臣に,その前は文部省キャリアの先生方に,その前は経団連の人々にと訴えてきた。

 「そんなにひどいのですか。」「話になりません。初めて知りました。」というのが,多くの人の感想だ。

 今からでも遅くはない。一人一人の子どもの事実を見つめ,一人一人の子どもをいとおしく包み込み,諾悪の根源のプリント学習からさよならすべきだ。そうでないなら,貴方は教師犯罪者だ。私たちは,どこまでもその責任を追求していく。



教育のあり方に関する意見                      平成 12年5月

内閣官房内閣内政審議室

教育改革国民会議担当室

向山洋一(前多摩川小学校教諭・現千葉大学非常勤講師)

<抜粋>

3 算数の学力低下が大きな問題となっていますが,この原因も同じです。

 私たちは「教科書を忠実に,リズムよく授業する」ことを主張しています。

 こうすると,クラスの平均点が「80点・90点」と急上昇します。子どもたちは授業に熱中し,算数が楽しいと言います。

 それまで,テストで 10点,20点しかとれなかった子が,90点,100点をとるようになります。

 子どもはとびあがって喜び,親は涙ながらの感謝のことばを言ってきます。

 全国で,何十となく何百となく生れている事実です。

 ところが,一部の校長先生,指導主事先生は「このやり方を止めろ」と強要するのです。

 一時間に一問だけ,じっくりと問題を考えさせ,話し合わせなさいと言います。

 こうすると勉強のできる子は2,3分で解いて遊びはじめ,できない子はずっとできないのです。

 何よりも,練習問題をやる時間はなく,宿題にされます。子どもは算数嫌いになります。平均点は 50点,60点と低くなります。

 この方法は,「子どもの考え方を伸ばす」のだそうですが,そんな事実はありません。

 算数嫌いと低学力をつくり出します。

 これを,算数熱心な校長先生方が,日本中でやっているのです。

「文部省検定の算数教科書」を大切に扱って,すばらしい事実が生れているのに「それを止めよ」と強要する校長,指導主事先生が多くいる所に,算数の学力低下の根本問題があると思います。

(編集部:全文は http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/dai4/siryou7/index.htmlをご覧ください。)

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