- 特集 発達障がい児を巻込む「いじめの構造」
- 特集のねらい
- いじめの対象になりやすく,トラブルの加害者になることもある発達障がい児への対応の術を学ばなければならない
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- 重層的な「いじめの構造」
- 教師の問題に限定してみてもネットワーク思考の希薄さが見える
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- 「いじめ対策」明文化運動
- すべては,学校長への直談判から始まる
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- いじめの発見―きっかけと対応
- 観察チェックリスト 小学校
- どんなに小さないじめの場面でも、えぐり出す。いじめを見つけるのは、教師の仕事である
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- 観察チェックリスト 中学校
- いくつもの場面でサインに気づくことができる
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- いじめアンケート項目 小学校
- 発達障がい特性をきっかけにしたいじめを、発見もしくは未然に防ぐアンケート
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- いじめアンケート項目 中学校
- アンケートで情報収集、全職員で対応
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- いじめ調査の方法 小学校
- 一人ぼっちの子調査で発見し、WISC調査等で発達の凸凹を探る
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- いじめ調査の方法 中学校
- 先手を打って「いじめ」を防ぐ
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- いじめの事例からの学び
- 仲間はずしの露骨事例 小学校
- いじめが起きても早期発見・対処できる学級づくり
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- 仲間はずしの露骨事例 中学校
- 繰り返された「いじめ」からの学び
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- 仲間はずしの露骨事例 高校
- まずは教師が話し相手になる
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- 仲間はずしの露骨事例 特別支援学級
- 遊びを通して、仲間はずれをした子、された子にかかわり方を教える
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- 言葉によるいじめと対応事例@
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- 言葉によるいじめと対応事例A
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- 無視によるいじめと対応事例@
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- 無視によるいじめと対応事例A
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- 暴力によるいじめと対応事例@
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- 暴力によるいじめと対応事例A
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- いじめの構造を破壊する授業
- いじめの授業
- 1年生に伝える「いじめの授業」〜けんかといじわるといじめを区別する
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- 小学校 低学年
- 問題の小さいうちから対処し、相手のことを考える気持ちを育てる授業をする
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- 小学校 中学年
- 「悪いのは誰か?」で相手の立場を考えさせる
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- 小学校 高学年
- 「○な気持ちと×な気持ち」 シンプルな言葉で「いじめ」に気づかせ、日常から強化する
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- 中学校
- いじめの構造を破壊する授業と布石
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- 高校
- トラブルが起こる前に語る
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- いじめに対処するシステム
- 小学校
- あなたのクラスに必ずいる一人ぼっちの子を救うシステム
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- 中学校
- 一人で抱え込まず、必ず組織で対応する
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- 高校
- 報告と教室に笑顔を出すことを文書化する
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- 特別支援学校
- 「いじめ発見システム」と「いじめ対処システム」をすべての学校に
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- ミニ特集 集団活動=行事・儀式でトラブらない秘訣
- 卒業式(卒業生)
- 本人の特性を知り、教師が覚悟すること
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- 卒業式(在校生)
- 「予定を知らせて見通しをもたせ、できたらほめる」を繰り返す
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- 修了式(小学校)
- 教員・児童の理解を得て1年間の成長の発表の場とする。ただし、逃げ道を残しておく
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- 修了式(中学校)
- 布石の連続で、行事に参加させる
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- 3学期の授業参観(小学校)
- 授業の基本に立ち返ることが王道である 「授業の原則十カ条×授業技量検定D表項目」
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- 3学期の授業参観(中学校)
- 普段の授業に「授業参観の授業の原則」をもとにした一工夫を加える
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- 6年生を送る会
- 龍馬くん冊子から学ぶトラブらない秘訣
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- なわとび大会
- トラブルを減少させ、増やしたい行動を強化する
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- 大掃除
- 掃除のやり方を見せて教え、できたらほめる指導
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- クラス解散パーティー
- いくつかの選択肢を示し自分で選ばせる。
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- グラビア
- 山口県親学推進セミナー ほか
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- 特別支援教育に必要な親学 (第2回)
- 教育基本法第十条を具体化する親学
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- 写真で早分かり 子どもの特性に合わせた“情報伝達の構造化” (第12回)
- 様々な可能性を秘めた教材「脳トレカード名作5選〜起承転結絵合わせ〜」
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- 〜継次処理、ワーキングメモリなどを特別支援学級で鍛えるに最適な教材〜
- 教育の新課題と特別支援教育
- 怒鳴る教師は数千,数万の子どもの家庭を破壊してきた
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- 巻頭言
- なぜいま「親学」「脳トレ」なのか そしてTOSS教師のめざす姿
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- 『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第11回)
- 教育側・医療側双方のレベルアップと連携のためのシステムづくりを
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- 『龍馬くんの訴え』から学ぶ発達障がい指導原則 (第7回)
- 「やって見せる(教える),ほめる,学級へ広げる」までを行う
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- 子どもに力をつけるTOSS教材教具
- 〈くるりんベルト〉協応動作の苦手な子の努力を支えたくるりんベルト
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- 〈ソーシャルスキルカルタ〉楽しみながらスキルが身につく! 指導のポイントが分かる!
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- 〈TOSSノート〉赤えんぴつで書いた文字をなぞり、罫線を使って書く
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- 〈チャレランBOOK〉裏文化は誰が一番になるか分からない
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- 〜誰でも優勝する可能性をもっている〜
- ポイントを外さない〜特別支援の子の保護者への対応術 (第5回)
- 共感する、励ます
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- 保護者に心底共感すること、そして校内のチームで対応することで信頼を得る
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- 私は,この本をこう読んだ (第5回)
- 『調布大塚小の生活指導実践記録集』向山洋一著(東京教育技術研究所)
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- 〜「すべての子が大切にされなければならない。たった1人の例外もなく」を学ぶ本〜
- 『発達障害をもっと知る本』宮尾益知著(教育出版)
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- 特別支援教育を視野に入れた学校づくり (第4回)
- すべての子に適切な対応をするために「20のアッピール」
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- 〜すべての教師は発達障がいに関する知識を持つべきである〜
- 発達障がい児も楽しんで取り組むレクリエーション (第1回)
- 勝ち負けが気にならないゲームなら,どの子も楽しめる!
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- 学級担任に必要な「特別支援教育の基本スキル」 (第9回)
- 実践ソーシャルスキルトレーニング
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- 〜クラスをつくる、つくり直す〜
- 教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第26回)
- 学生たちの「元気」を核としたプロジェクト
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- 〜「翔和学園王国」をつくり、日本に元気を発信する!〜
- 中学校を改革する特別支援教育で中学校が変わる (第5回)
- 医療、幼保と連携しよう
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- 眼科医療と発達障がい支援の関連 (第2回)
- 眼球運動はなぜ大切?
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- 〜視機能について2 眼球運動〜
- 発達障がい児への指導法/支援法 (第5回)
- QAレッスンシート 暴言や攻撃的な行為などの問題行動に対する対応編
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- 特別支援教育の制度/障がいの用語理解/障がい観・支援システム (第5回)
- 支援のシステム その2 特別支援教育コーディネーター
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- コーディネーターのお仕事拝見 (第15回)
- ケース バイ ケース
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- 誌上QAコーナー こんな時どうしますか
- やるべきことをやりたがらない子への対応 癒したり、のせたりしながら、取り組みやすくなる手立てを工夫する
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- 特別支援学校・特別支援学級コーナー
- コーナー担当
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- 特別支援学校の実践
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- 〜子どもが自ら動く国語と算数の授業〜
- 特別支援学級の実践
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- 〜「こんちゅうはかせ」を読んだAさん。将来の夢は『昆虫博士!!』〜
- 論文ランキング
- 35号/医―教連携の重要さを再認識した
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- 読者のページ
- 35号の学びや感想
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- 編集後記
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- TOSS特別支援教育イベント情報
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- どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
- スーパーとびなわ
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- 〜『スーパーとびなわ』は、二重跳びが簡単にできるようになり、縄とび名人に近づきます。持ち手の長さ、中身の詰まったロープなど優れた素材でできており、さらに考え抜かれた級表も同封されています。〜
巻頭言 なぜいま「親学」「脳トレ」なのか そしてTOSS教師のめざす姿
長野県企画部次世代サポート課長/小嶋 瑞紀
1やがてTOSSの実践が国民運動になる
10月14日,第1回親守詩長野大会が長野市内のホテルで開催された。(参加者440人)
橋史朗氏,小坂憲次議員(参議院,親学議員連盟副会長)を招いての開催である。
また,この直前の10月5日に設立した県の親学推進議員連盟からも会長はじめ5名の県議が出席された。
なぜTOSSが「親学」を推進するのか
それはTOSS教師が新型学級崩壊などの学校現場の実情を通し,家庭教育や親教育の大切さを実感しているからである。
文部科学省が出した公立学校の「精神疾患による病気休職者の推移」を見ても学校現場の深刻さが分かる。精神疾患による休職教員数が平成22年度には全国で約5500人となり,10年前の2倍以上になっている。
これは単に教員の精神力が弱くなったということではない。子どもたちの指導や保護者対応の難しさに精神的な負担を感じる教師が多くなったということなのである。
家庭という「豊かな土壌」の上にこそ学校教育は高い効果を上げることができる。ところが,この家庭という土壌が貧しくなってしまったら,教師の努力は追いつかない。
だからこそ「親学」により,家庭という土壌を豊かにする取り組みを,それも国民運動のレベルで展開していくことが必要なのである。
なぜTOSSが脳トレに取り組むのか
「脳トレセミナー」を通して,TOSS教師が地域の高齢者とかかわる。これはほかでもない地域力の向上に対する貢献なのである。
TOSS教師ならば家庭教育や親教育の重要性,そして地域力の向上の大切さを実感しているはずである。
「親学」「脳トレ」のような取り組みを国民運動のレベルで展開している教育団体はTOSSだけなのである。
2「新たな挑戦」こそが学校を変える
私がかつて校長をしていた長野養護学校(職員数180名)は教師による体罰,生徒に関する人権侵害発言のために保護者や福祉関係者からバッシングを受けていた。
そんな学校へ着任した私は「この学校を変えていくには教師が反省をするだけでなく,新たなことに挑戦していく意欲を共有しなければだめだ」と考えた。そのために「長養プラン」を作成し,分教室や支援センターの設置という思い切った計画を打ち出した。
一校長がこんなとんでもない計画を打ち出したのだから,職員にも緊張感が走るとともにやる気がみなぎった。ところが教育委員会からはかなり不評だった。きっと出すぎた校長に見えたのだろう。
しかし,学校を変えるには,このくらいの冒険をする度胸が必要なのだ。職員からすれば粋に感じて「われわれが校長を応援しなければ」という気になるのだから。
新たな挑戦をしようとしない学校には進歩はない。
3誰もがやらないレベルでやること
前リッツ・カールトン日本支社長の高野登氏はその著書『リッツ・カールトンと日本人の流儀』の中で「誰もがやっていることを誰もやらないレベルでやってみる」ことが必要だと語っている。
例えば,教師なら研修会には誰もが参加する。しかし,TOSS教師のレベルは違う。研修会場中央の前方に席を占めているのがTOSS教師である。そして,服装も違う。背広姿が目立つのがTOSS教師である。
こういう教師ならば,研修のために身銭を切ることを惜しむことはない。
たったこれだけのこと。
しかし,「誰もがやらないレベル」とはこういうことではないだろうか。この心意気の違いが,やがて教師としての質の高さを生み出すのである。
私は小学校の校長に着任したとき「これまでの校長がやらなかったレベルで何ができるだろうか」と考えた。そして,入学式の翌日から始めたことが,始業1時間前から町に出て通学路を歩くことであった。
学校の先生たちの中で,朝一番に子どもたちに出会うのは校長である私だった。朝一番の子どもたちの顔からは,家庭の姿がよく見えてくることも分かった。
交通安全ボランティアの方々とも顔見知りになった。この方々からは,子どもたちのいろいろな情報が入ってきた。
さらに学校へ戻ると校内を一巡した。これが,私が1年間通した朝の日課である。
出張の日以外は毎日続けた。結局,卒業式当日の朝も,私は同じように町に出かけていた。
誰もがやらないレベルでとことんやる。
そうすることで,その人らしい教師像が出来上がるのである。
今,長野県の若いTOSS教師たちはいろいろな取り組みを繰り広げている。
その中で,安曇野市にある発達障がいに特化した民間支援団体「結家(ゆいや)」での出前授業がある。ここには不登校傾向の子どもも含め40人以上の小中学生が通ってきている。ここでの協力を要請したところ,TOSSの先生たちが月に2回土曜日に出前授業を受け持ってくれることになった。
学校以外で学ぶ子どもたちがいることを知ること。それは,今の学校のあり方を考える上で大切なことである。
TOSS教師ならきっと何かできると思う。
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- 明治図書
- 今、教育会で無視のできない「いじめ問題」について、発達障がい児の対応を軸とした事例や対応策が、これでもかと盛り沢山の内容が挙げれていました。読み応え抜群です。職員室でも紹介します!2013/1/24つばさ