特別支援教育教え方教室 2010年8月号
26号 ソーシャルスキルトレーニングの基礎基本

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特別支援教育教え方教室 2010年8月号26号 ソーシャルスキルトレーニングの基礎基本

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ジャンル:
特別支援教育
刊行:
2010年7月29日
対象:
小・中・他
仕様:
B5判 112頁
状態:
絶版
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目次

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特集 ソーシャルスキルトレーニングの基礎基本
入門編
ソーシャルスキルってなあに
「教えてほめる」原則を貫く教師の信念こそが子どもにソーシャルスキルを獲得させる
大場 寿子
自己認知スキル
五感やボディイメージを高める
個々の子どもの特性を生かしたソーシャルスキルトレーニングを行う
神谷 祐子
ステップを踏んで、ボディイメージと運動企画能力を育てる
武井 恒
自分の感覚が意識できるように,さまざまな活動を仕組む
伊藤 大介
自分を知る
教えて体感させてほめることで,自己肯定感をもたせることができる
小野 隆行
向山実践の追試でソーシャルスキルを獲得する
三輪 仁志
ゲームで成功体験→ほめられて,スキル向上
伴 佳代
コミュニケーションスキル
コミュニケーションの態度を育てる
着替えの際のルールとマナーを教えることで,自分を大切にし,友だちを思いやる,良好な人間関係を築く
赤木 雅美
毎日繰り返し,教えてほめる
一古志 譲
本人と周りの子のコミュニケーションスキルを育てる,4つの手立て
荻野 珠美
会話を続ける
会話しながら問題行動を減らす手がかりを探る
岡 惠子
教示,モデリング,行動リハーサル,フィードバック,般化で行動を強化していく
河田 真介
「オウム返し」で会話を続ける できるようになった事実を取り上げほめる
今井 豊
非言語コミュニケーション
「表現認知」「ジェスチャー」「身体感覚」の3つをトレーニングを通して育てていく
桑原 和彦
原因を探り,励まし,ほめ,認め,抱きしめる
有村 紅穂子
笑顔で接する子を育てる
真柄 二郎
相手の状況や気持ちを理解する
モデルを示し,教えて,ほめる
中宿 清美
「受容」「共感」「指導」の手順でコミュニケーションスキルを向上させる
千葉 康弘
「自分」の存在を認めてくれた安心感。そのはぐくみが,子どもを変える
阿部 梢
社会的行動
集団に参加する
@やり方が分かる授業,Aできる授業,を繰り返していくことで,集団に参加するようになったA君
芹沢 晴信
「教えてほめること」は,ソーシャルスキルトレーニングにも効果的である
森元 智博
教えてほめて,集団に参加できるようにする
後藤 裕美
ルールを理解する
させてほめる,その繰り返しで学級も変えていく
田村 治男
ルールは教えて,練習し,できたときにすかさずほめることで,身に付く
加賀谷 晃子
チャイムを守る,勝負のこだわりへの対応の2つを実践の軸にする
野口 澄
提案や主張をする
中学校でも「向山型」が事実を生み出す
長谷川 博之
どもりのあるたかしくんが自分の意見を主張
伊藤 道海
「教えてほめること」しかない
石谷 智子
協力や共感ができる
スキルを意識し学ばせる
河村 要和
あきらめずにほめて,優しく話しかけ続ける
大輪 真理
知的障害の子が相手が勝てるようにとコマを置く―ふれあい囲碁の可能性―
小松 裕明
ミニ特集 危機管理の観点から特別支援教育を見直す
危機管理の基本的な視点
虐待防止委員会で母の孤立の解消と育児負担の軽減をはかる
大場 龍男
アスペルガーのAくんがキレたときの職員・教務室対応マニュアル 基本的な視点5
高野 宏子
特別支援を要する児童を徹底的に観察し,危険なパニックを起こさせない!―職員と連携しつつ、自分の持ち場を特別支援を要する児童に心地よいものに変える―
鈴木 恒太
通常時(日常)の危機管理
教員同士で連携し,危機的状況を回避する術を共有し,対応のシステムをつくる
熊田 賢人
学校からの子どもの飛び出しに備える
三城 利惠
大前提はケガをさせないこと。そして「低刺激」と「具体的に教え,ほめること」。この繰り返しが日常の危機をなくしていく
川原 雅樹
災害対策への危機管理
3つの普段からの備えで,災害への危機管理を行う
末廣 真弓
指導することを一つに絞り,教えてほめる
団野 晶夫
効果的な避難訓練とその生かし方
中嶋 雅子
事故・事件に対する危機管理
事件発生時! その時からあなたの手を離れる
中尾 憲治
その子の行動の背景を理解することが必要である
進士 かおり
生徒指導には組織で対峙する
吉原 尚寛
グラビア
第8回TOSS全国1000会場一斉セミナー ほか
小野 隆行
ギフテッド もう一つの特別支援教育 (第2回)
すべての子どもが「個別ニーズ」に合うような教育を受けられるようようにする
五十嵐 勝義
写真で見る構造化 分かりやすい情報伝達の工夫 (第2回)
「やり方を教え」「方向性」を明確に示す「そうじの構造化」―何をするにも「教える」ことと「方向性」が必要となる―
小嶋 悠紀
教育の新課題と特別支援教育
就学時健康診断は正しく機能しているか
向山 洋一
巻頭言
発達障がいの子どもたちが激変する。奇跡の教育実践『ふれあい囲碁』を全国の教室で実践しよう
谷 和樹
『教育』と『医療』の連携で特別支援教育を強化する (第1回)
発達障害の診断の意義と特性,対応の仕方の理解
家島 厚
子どもに力をつけるTOSS教材教具
〈ペーパーチャレラン〉発散的思考に切り替えることで“自分で考える”経験を増やす
富山 比呂志
〈うつしまるくん〉シーンと取り組む教材だからこそ,つまずきを把握し,すべての子どもに力をつけたい
守田 のぞみ
〈五色百人一首〉特別支援学級の児童には成功体験を積ませ,通常学級の児童には暗唱の力をつけ,興味関心の幅も広げる
近江 利江
〈輪郭漢字カード〉障害のある児童にこそ,輪郭漢字カードの実践を!
桜森 梅子
“あの有名人”も実は〜 教室で読み聞かせ:元気が出る実話シリーズ (第1回)
「トーマス・エジソン」成功するために大切なもの:99%の努力と1%のひらめき
高山 恵子
特別支援教育で学校は変わる (第11回)
向山型で校長講話も大人気!
小嶋 瑞紀
自閉症圏の子どもたちの対人関係能力を伸ばす試み (第7回)
デジタル思考からアナログ思考へ
森 俊夫
教育は格闘技だ―フリースクールの実践 (第16回)
障害者を無知の犯罪者にしてはいけない―犯罪や詐欺の被害にあうのと同時に、無知の犯罪者になってしまうというリスクも高い―
伊藤 寛晃
コーディネーターのお仕事拝見 (第5回)
質問に応じて
伊藤 雅亮
誌上QAコーナー こんな時どうしますか
若い教師はこんなことで困っている ベテランから若い教師へ向けてのQA
間嶋 祐樹
特別支援学校・特別支援学級コーナー
コーナー担当
五十嵐 勝義
特別支援学校の実践
黒木 真有美
〜親子の時間をつくる写真入り学級通信〜
特別支援学級の実践
新里 誠
〜聞き取り日記から始まって,自力日記までに至る,朝の会を活用した学習ステップ〜
論文ランキング
25号/「一人の例外もなく」ということの意味,具体的な方法に大きな反響
小野 隆行
読者のページ
25号の学びや感想
桑原 和彦
編集後記
桑原 和彦
TOSS特別支援教育イベント情報
桑原 和彦
どんな子でも熱中する教材はこれだ!!
五色百人一首・五色名句百選カルタ・ふれあい囲碁・暗唱直写スキル・ペーパーチャレラン
桑原 和彦

巻頭言

発達障がいの子どもたちが激変する。

奇跡の教育実践『ふれあい囲碁』を全国の教室で実践しよう

玉川大学教職大学院 准教授 谷 和樹


 「ふれあい囲碁」を教室に取り入れることで,発達障がいの子どもたちが,激変する。

 安田泰敏氏はプロの囲碁棋士(九段)である。九段と言えば囲碁界の最高位だ。その世界では神様のような存在である。その著書『命を救う「ふれあい囲碁」』(NHK生活人新書 二〇〇四年)は不朽の名著だ。

 いつも鼻水をたらしていた五歳の幼児。安田氏に唾をはきかけてくる小学生。乱暴で,どの教師も手におえなかった茶髪の中学生。このような子たちが,「ふれあい囲碁」で激変している。幼児から高校生まで,どの学年もみんな,である。

 安田九段のたった1時間の「ふれあい囲碁」の指導。それで,根底から別の人間になってしまったかのような変化をとげている。まさに,奇跡の実践だ。

 これまでに教育界で取り組まれてきた発達障害の子どもたちに対する指導の中でも,このような事実をつくりだしているものはほとんどない。

 「ふれあい囲碁」は「囲碁」ではない。どちらかと言えば,オセロゲームに近いイメージである。教師が囲碁を知っている必要はない。むしろ,知らないほうがいい。へたに知っているといわゆる「囲碁」を教えようとしてしまう。かえって難しくなり,子どもたちはそっぽを向いてしまう。

 準備は簡単だ。六路盤とか九路盤という小さな盤を使う。これと,黒白の碁石替わりのものがあれば,それだけですぐに始められる。なければ自作すればいい。

 最初は,次のようなことを教えるだけだ。


@ 黒と白で交代に置きます。

A 線と線の交差点に置きます。

B 囲むと取れます。

C 一つでも取れたら勝ちです。


 導入はこの程度でいい。小さな六路盤で,石が1つ取れたら勝ちなのだ。子どもたちはすぐに分かる。1回戦はものの1〜3分ほどで終わる。後はゲームを進めながら,石が取れるパターンがいくつかあることや,2つ以上の石を一度に取れることもあることなどを,少しずつ教えればいい。

 男女のチームによるリレー戦を導入で取り入れるとよい。子どもたちは熱中し,盛り上がる。自分たちのチームを自然に応援する。その上,ルールも理解する。

 五色百人一首のようなスピード感あるリーグ戦もできる。

 TOSSの教師はすでにこれを教室に取り入れ,多くの実践事例をつくり始めている。

 「学年一のワル」と言われている子が,何度も何度も「やろう!」と言った事例。先生に負けて,生まれて初めて「参りました」と言った事例。休み時間にも繰り返しふれあい囲碁をやりたがった事例。そのような子どもの事実が,たくさん報告されている。教室だけではない。ふれあい囲碁は「家族のふれあい」をも取り戻している。

 次は,あるお母さんの報告である。


 ふれあい囲碁に初めて昨日出会った長女。4歳半。見通しのきかないことが大嫌い。初めてのことは,ほとんどやらない。拒絶。

 今日,私は「ふれあい囲碁」の威力を知ることとなった。長女の事実に今,感動している。

 夜,私が風呂から出てくると,楽しそうな笑い声が聞こえてきた。部屋をのぞくと,なんと!! 長女が主人と囲碁をしている!! 主人に聞くと,長女が,突然「ふれあい囲碁,やろう!」と言ったのだという。え????????? 本当に!!!!!。しかも,楽しんでいる。

「よし,次はお母さんやろう!」

 え? もっとやりたい??!!!!どんなおもちゃも,遊びも1回やったら,「はい終了」が常の子が,2回戦をやりたい!?

「じゃあ,次,お父さんとお母さんね!」

 え? 3回戦! ここからがすごかった。

「がんばれ,がんばれ,お母さん! がんばれ,がんばれ,お母さん!」

 なんと,応援を始めたのである。生まれて初めて,長女が自らの意思で私の応援をしている。こんなに生き生きと楽しそうに遊びをする姿を私は見たことがない。これまで,家族みんなで一緒に楽しんで,遊んだことがなかった。生まれて初めて,4歳半,2歳半の子どもたちと家族4人で楽しんだ気がする。私の心は今日,母親になって生まれて初めて子どもとふれあった気がした。


 ふれあい囲碁は,いわば「対話」である。

相手の置いた場所によって「そうきたか」「じゃあここは?」「まいった」のような心理的な交流があるのだ。それが自閉症の子どもたちの教育にも有効であることの研究が,欧米では進んでいるという。

 「ふれあい囲碁」を簡単に導入できるキットや,ルールが一目で分かるような手引き,また練習用のシートなども,現在急ピッチで開発中である。教室で実践し,その効果を検証していただきたい。

総務省の椎川忍氏(地域力創造審議官)は,TOSSが安田九段を招いて開催したセミナーに参加され,その感想をブログとTwitterで,次のように発言した。


 昨日のTOSSふれあい囲碁セミナーは素晴らしかった。全国から参加された先生方の熱意と安田九段の思いがつながりました。日本の教育再生です。

 多くの先生方から,発達障害,アスペルガー症候群,暴力,学級崩壊などの処方箋としてきわめて有効との報告が相次ぎました。そして,このふれあい囲碁クラブの活動をどんどん広めていきたいとの意見が寄せられました。

 学級崩壊,多動性障害,アスペルガー,孤立,暴力行為などに悩む先生方,ふれあい囲碁があなたを,そして児童・生徒を救います。

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