- 特集 自分で進める!主体的な学びを生み出す授業づくり
- 特集について
- 提言 自分で進める!主体的な学びを生み出す授業づくり
- 知識観の転換と自分の考えを形成することの実感
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- 学びを自覚し、つながる学びに
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- 「やりたい気持ち」を持続させてゴールを目指す
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- スイミーの「学びに向かう力」を!
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- 共に学ぶ、自分で進める―「わたしたち」が引き出す「わたし」の力―
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- 小学校・実践授業の展開
- 低学年
- 「お気に入りの本」の「大好き」を紹介する主体的な学習をめざして
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- メディアセンターのひみつをさぐり、知らせよう
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- 国語教室で社会的能力を育てる
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- 中学年
- 発見や驚きを伝えたい!
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- 「読みたい」「伝えたい」を引き出す授業づくり
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- 「詩の贈り物」 アンソロジー作りと詩のプレゼント
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- 高学年
- 見通しをもつことで、主体的な学びに
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- 子どもの言語生活から始まる授業づくり
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- 新聞記事を読み比べ、解説書を作る
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- 中学校・実践授業の展開
- 1学年
- 教育用SNSを活用した主体的な学び―帯単元「時代を生きる1945」―
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- 重点を明らかにした「話すこと・聞くこと」の学習
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- 2学年
- 小説の読みをコミュニケーションで深める―言葉と比較の学習―
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- 佐伯市の漁業の再生プランを考えよう―地元の主産業である漁業の実態と再生案を考える実践例―
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- 3学年
- 小説の魅力を発掘し、伝える授業―『高瀬舟』の実践から―
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- アドバイスしあって俳句を作り、句会を開こう
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- 言語活動の充実を図る言語環境の整備 (第18回)
- 言語活動を通して主体的な学び手を育てるために
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- 書評
- 国語科重要教材の授業づくり たしかな教材研究で読み手を育てる 「ごんぎつね」の授業
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- 小学校国語科 「汎用的能力」を高める! アクティブ・ラーニング サポートワーク
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- 文部科学省最新国語ニュース (第6回)
- 全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた「授業アイディア例」及び平成26年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について
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- 先進実践研究校訪問!突撃授業レポート (第12回)
- 単元を貫く言語活動を位置付けて
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- 〜新座市立大和田小学校・児童に確実に学力をつける〜
- 「国語科と他教科の連携」ポイントはここだ! (第24回)
- 【特別活動】特別活動と国語科との関連(2)
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- 言葉の力を育む文学の授業 (第6回)
- 細部から全体へ、全体から細部へ
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- 〜問いをもって読む授業〜
- 言語活動を位置付けた授業づくり (第18回)
- 更なる広がりに向けたQ&AE
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- 〜ペアやグループでの交流がなかなかうまくいきません〜
- 言語力の育成をどうはかるか (第12回)
- 考える力を育むことばの教育(2)
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- 〜メタ認知を活用した授業デザイン〜
- 新国語科授業改革論―実践国語研究の確立をめざして― (第18回)
- 目標・内容・活動・評価の一体化を図る
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- 〜アクティブ・ラーニングの授業開発を〜
- 編集後記
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- 今月取り上げた教材
- 2/3月号
特集 自分で進める!主体的な学びを生み出す授業づくり
国語学習者に選択や決定がゆだねられた学びのありかたは,指導者の指示のみによって進む学びのありかたに比して,関心・意欲・態度の面はもとより,そこで身につく学力をも伸ばし育てるという実感をもつ教師は多いでしょう。本特集は「自分で進める!主体的な学びを生み出す授業づくり」としました。「自分で進める」とはどんな学び方なのか,「主体的な学び」とはどんな状態をさすのか,学びそのものについての考察が欠かせません。そして,児童・生徒にこのような学びをもたらすには教師は何を準備し,どこで支援すればよいのか,考えるべき課題はたくさんあります。
中央教育審議会は次の指導要領改定に向けて2015年8月20日に,教育課程企画特別部会において論点整理(案)を発表しました。この中で,育成すべき資質・能力は3つの柱に整理されています。
@)何を知っているか,何ができるか(個別の知識,技能)
A)知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)
B)どのように世界・社会と関わり,よりよい人生を送るか(学びに向かう力,人間性等)
特にB)については,@)A)の資質・能力を「どのような方向性で働かせていくかを決定づける重要な要素」と指摘し,「主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や,自己の感情や行動を統制する能力,自らの思考のプロセス等を客観的に捉える力など,いわゆる『メタ認知』に関するもの」が入るとしています。すなわち,育成すべき資質・能力の要に「主体的な学習に取り組む態度」「学びに向かう力」が位置付けられているのです。この考え方は,知識・理解か,体験や活動か,と二項対立的に資質・能力を見るのではなく,学習者が持てる力を総動員して働かせるネットワーク型の考え方です。これを組織するのは,知識を授けるタイプの学習をするよりずっと大変です。
具体的に国語科ではどんな学習が想定されるでしょうか。「話す・聞く」「書く」「読む」それぞれの領域あるいは複数の領域にまたがる単元において,学習指導計画を学習者と共につくりだすことが重要です。選択や決定に参画することは責任も生じるということです。
学びがスタートしたら,ゴールだけでなくプロセスを大事に進めていきたいものです。また,学習者同士の相互交流が学びの推進力になります。「自分で進める!」実感は,友達に聞いてもらったり,認めてもらったりすることで感じ取ることができるでしょう。
本号が明日からの実践や国語科授業づくりを共に考えるきっかけとなれば幸いです。
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