実践国語研究 別冊 2005年8月号
伝え合い認め合いを基盤とした情報活用能力の育成

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実践国語研究 別冊 2005年8月号伝え合い認め合いを基盤とした情報活用能力の育成

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ジャンル:
国語
刊行:
2005年7月8日
対象:
小・中
仕様:
B5判 212頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

伝え合い認め合いを基盤とした情報活用能力の育成
はじめに
三幣 芳夫
第T章 次代を担う子ども達につけたい言語能力
情報活用能力を育成する国語科授業作り
寺井 正憲
国語科情報活用における情報収集活動とメディア選択―学習者の自律的な情報収集活動を保障するために―
森田 真吾
3年間のあゆみ
山田 芳実
第U章 情報活用能力の育成を中心とした授業
入門期の情報活用能力を育てる
中村 龍一
「生き物のかくれんぼ」クイズ大会を開こう
佐藤 洋子
〜1年生(平成16年1学期の実践)〜
すごいよ!「のりもの」のひみつ
米澤 紀子
〜1年生(平成14年2学期の実践)〜
「どうぶつの赤ちゃん」のひみつ発表会を開こう
浅野 恵子
〜1年生(平成16年2学期の実践)〜
「生き物びっくり大賞」を決めよう
小林 敬子
〜2年生(平成15年1学期の実践)〜
「生きもののちえ」なるほど発表会をひらこう
小高 雄子
〜2年生(平成16年1学期の実践)〜
ふしぎたんてい団 パートII 食べ物ふしぎ発見!
島村 恵里子
〜3年生(平成16年2学期の実践)〜
第V章 コミュニケーション能力の育成を中心とした授業
コミュニケーション能力を育てる
松本 総一郎
「大きくなったぼく・わたし」を発表しよう
相川 正代
〜2年生(平成16年2学期の実践)〜
「生活に役立つ絵文字を作ろう!」
土屋 珠江
〜3年生(平成15年2学期の実践)〜
生き物ニュース番組を作ろう!
荒井 明子
〜4年生(平成15年1学期の実践)〜
福祉って……なに?
村田 陽子
〜4年生(平成15年2学期の実践)〜
めざせ!落語名人
神田 元子
〜4年生(平成16年2学期の実践)〜
どっちがよいでショー
奥秋 裕司
〜5年生(平成16年2学期の実践)〜
第W章 メディアリテラシーの育成を中心とした授業
メディアリテラシー教育の位相とポイント
横田 経一郎
おもしろいまんがをみんなに読んでもらおう
江畑 洋子
〜5年生(平成14年1学期の実践)〜
CMで伝えよう!
長谷川 恭子
〜5年生(平成15年1学期の実践)〜
タウン誌(大久保Walker)を作ろう!
長谷川 恭子
〜5年生(平成15年2学期の実践)〜
作ろう学校案内パンフレット
伊坂 尚子
〜6年生(平成16年1学期の実践)〜
テレビで街の問題解決
伊坂 尚子
〜6年生(平成16年2学期の実践)〜
ファンタジー作家になろう
鈴木 清彦
〜6年生(平成15年2学期の実践)〜
あとがき
米満 裕
研究同人

はじめに

千葉県習志野市立大久保東小学校校長 三幣芳夫


本校は,昭和38年4月に習志野市で6番目の学校として設立されました。習志野市の中央部に位置し,京成大久保駅から5分程の所にあり,近くには日本大学生産工学部,東邦大学及び附属中高があるなど,学生の多い街として発展してきました。(昭和の時代には,順天堂大学もあった。)昭和から平成にかけ児童数は減少傾向にあったが,農地の宅地への転用が増えるとともに,公務員住宅の建て替え等で平成8年度から増加に転じ,現在も少しではあるが増加しています。


習志野市の学校は伝統的に教育研究が盛んな地域です。市内16校の小学校でそれぞれ教科・領域を取り上げ継続して研究に取り組んでいます。本校においても,昭和52年度にそれまで数教科に分かれて取り組んでいた研究を国語科一つに絞り,以来現在まで研究を継続しています。以降の研究主題は下記の通りです。

〇昭和52年度「文学作品において,ひとりひとりの子どもの読解力を高めるには,どのような指導過程をくんだらよいのだろうか」

〇昭和56年度「物語文における読解力を高めるために書くことの指導をどうとりいれたらよいか」

〇昭和59年度「意欲的に読ませるために,書くことをどうとりいれたらよいか」

―文学的文章・説明的文章の教材を通して―

〇昭和63年度「意欲的に読ませるための学習指導はどのようにしたらよいか」

―書くことをとりいれて―

この年から研究分野を説明的文章に絞り込んだ。

〇平成6年度「意欲的に読ませるための学習指導はどのようにしたらよいか」

〇平成9年度「一人ひとりが生きる国語科学習をめざして」

―情報を読み,課題を追求する説明的文章の学習を通して―

〇平成12年度「一人ひとりが生きる国語科学習のあり方」

―説明的文章を中心とした学習を通して,伝え合う力を高める―

〇平成14年度「伝え合い認め合いを基盤とした情報活用能力の育成」

この間,昭和54年2月に第1回国語科研究協議会を開催し,昭和58年2月に国語科公開研究会に名称を変え今年度まで24回の公開研究会を開催してきました。公立学校であり,先生方は長くとも7年しか在籍できない中で,これまで研究を継続してきた先生方のご努力に敬意を払わずにはいられないのが,後から来た者の思いです。

平成14年度から取り組んできた研究については,千葉大学教育学部教授の寺井正憲先生に細部にわたりご指導を受けてまいりました。先生を中心に各学年6名の講師の先生方のご指導により,研究を仕上げることが出来たことは大きな喜びであります。また,子ども達が,情報活用の様々な方法を身につけ積極的に取り組むようになってきたことは,現場研究としての成果であるといえます。本校の教職員も国語科指導に自信を深めてきたことは喜ばしいかぎりです。

3年間の研究を終えた今,これからの研究を見すえて正確な実態把握をする必要があります。学力低下の問題が学校に突きつけられている今,学校としてどう学力をとらえ,伸ばし,対応していくのかを保護者に示さなければなりません。そのために,本校児童の実態を正確にとらえ,来年度以降の研究テーマを設定していくことは不可欠です。それとともに,これまでの研究成果をどう生かし継続していくか等々,検討事項はありますが,より子どもの実態に即した研究を進めていく所存です。また,国語科だけでなく他教科・領域との関連を図り教育課程の編成に改善を加えていく予定です。


今回,寺井先生のお薦めとご尽力により,3年間の研究実践をここにまとめて刊行することになりました。お話をうかがったときは,「そんな大それたことを」という雰囲気でありましたが,研究全体会で話し合い,お受けすることに決めました。大久保東小学校はどこにでもある平凡な公立小学校です。24名の担任の内,初任者3名を含め5年未満の経験者が6名いる等,指導力向上のためにまだまだ努力しなければならない学校です。そのような中で16名の担任がまとめたものです。決して立派な報告書ではなく,公立学校という集団の中で,協力し合い取り組んできた普通の教師の実践報告書です。読まれた先生方にとり,少しでも取り入れていこうと思われる方がおられれば,嬉しく思います。

本校は,17年度から新たな研究主題を設定して取り組んでいく予定です。本書が読者の手に渡るころには,研究主題が決まり新たな研究を進めていることと思います。本年度も,10月25日(火)に公開研究会を予定しています。本書を読まれた読者の中に,参加してみようかという先生がおられたらありがたいです。多くの先生方からご指導を受けることは,我々の力になるとともに,子ども達を伸ばす基にもなります。そんな思いでお待ちしております。

最後に,重ねて今回このような機会を設けてくださいました,千葉大学教育学部教授寺井正憲先生には厚く御礼申し上げます。加えて,これまで本校の研究に関わりご指導をいただいた学年講師の先生方に厚く御礼申し上げます。





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      明治図書
    • これからますます伸展する情報化社会を視野に入れながら,伝え合う力をどのように付けていけばよいのかを,低学年から高学年に至る指導の中で明らかにしている。17年度から使用されている教科書では当たり前のように載っている学習内容が,数年前から実践されてきたという事実は,先見性があったとしか言いようがない。
      2005/7/15習志野市立大久保東小学校の餃子

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