楽しい体育の授業 2015年3月号
体育授業の腕をあげる“スキル&システム”―未来への教育遺産

K306

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楽しい体育の授業 2015年3月号体育授業の腕をあげる“スキル&システム”―未来への教育遺産

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2015年2月5日
対象:
小学校
仕様:
B5判 82頁
状態:
絶版
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目次

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特集 体育授業の腕をあげる“スキル&システム”―未来への教育遺産
特集の解説
体育授業の腕をあげる“スキル&システム”―未来への教育遺産
並木 孝樹
永久保存版!向山が語る『楽しい体育の授業』の功績・軌跡
TOSS体育の出発点―跳び箱を跳ばせられる技術がなぜ教師の世界の常識にならなかったのか
向山 洋一
「楽しい体育」よ永遠に―新時代の体育を構築する
一貫してめざしてきた「誰でもできる楽しい体育指導法」
根本 正雄
次世代の体育研究をこう構築する―ヤング・6つの提案
子どもの事実を数値で示す
松島 博昭
体育授業の引き出しを増やすための校内実技研修を
佐藤 泰之
毎時間が研究授業
工藤 俊輔
先人の実践に学ぶ
平山 勇輔
効果的にICT機器を活用した授業が、子どもの運動技能を高める
堂前 直人
体育授業のシステムをいかに作り上げるか
大野 眞輝
体育授業の腕をあげる法則―1時間の組み立て方
この布石が知的で楽しい体育をつくりだす
頑張ったら得をするシステムで1時間を組み立てる
小野 隆行
ルールを変えれば体育が激変する
当たり前だと思っていることが子どもに力をつける内容なのか検討する
桑原 和彦
熱中・夢中になる授業の組み立てはこれだ
『授業の原則』と『変化のある繰り返し』で組み立てる
塩谷 直大
子どもの動きがみるみる変わる個別評定
「個別評定」で子どもの動きを引き出す
太田 健二
この「モノ」を授業に生かして体育を知的にする
知的な短なわの授業とは、次の三つにこだわること。第一に「物」、第二に「ロープの長さ」、第三が、「熱中させるシステム」
溝端 達也
体育授業の腕をあげる法則―究極の指導を伝える圧縮版
これが究極のマット運動
「技のファミリー」、「ほめて、ほめて、ほめまくる」―どちらも究極への道
渡辺 喜男
これが究極のボール運動
熱中ボール運動は学ぶ教師だけが創れる
木村 重夫
これが究極の表現運動
一人→ペア→グループの流れで、表現する楽しさを教える!
佐藤 貴子
これが究極の鉄棒運動
簡単な動きを発展させる
村田 正樹
共有財産化―次世代に伝えたい向山型体育の授業遺産
向山型準備運動〜変化のある繰り返し〜
汗をかくほどの運動量を確保する
桜木 泰自
子どもが熱中した阿波踊り
四段階のステップで教える。個別評定で、動きを上手にさせる
上木 信弘
跳び箱は誰でも跳ばせられる
向山体育の原点―効果抜群の開脚跳び指導法
迫田 一弘
超速くなったリレー指導のポイント
細分化・局面の限定・変化のある繰り返し・個別評定―これぞ指導法の工夫だ
根津 盛吾
向山型体育でよさこいソーランの指導が激変
子どもたちの心に火をつける要素
塩苅 有紀
ここがポイント・ハードルの指導をこうする
キーワードは「システム化」
黒瀧 耕治
なわ跳びはこの指導で子どもが熱中する
このシステムで子どもが伸びる
三好 保雄
向山型水泳指導で子どもが泳げる事実
どの子も泳げるようになる向山型水泳指導システム
根本 直樹
次世代に伝えたい向山型体育の研究遺産・記憶遺産
模擬授業文化が体育を変えた
岡 麻知子
向山型の授業記録を提案する
佐藤 泰之
向山型体育用語一覧
上川 晃
ライブで体感!体育授業最前線
たった1日でたくさんの収穫!
佐藤 泰之
〜TOSS体育関東フレッシュセミナーin神奈川〜
レベルアップ 体育の授業を変える (第24回)
運動量があり、発問のある体育の授業を目指す
千葉 雄二
体育の基本用語事典 (第24回)
運動量の確保
東條 正興
誰も教えてくれなかった体育入門 (第12回)
体育授業の基本&力を伸ばす七つのポイント
福田 辰徳
準備のいらない体育指導 (第12回)
遊びの王様!
川端 弘子
〜鬼遊び〜
発達障害のある子どもへの体育 OK・NG対応 (第12回)
教材を素材や形状から見直す
五十嵐 勝義
〜新聞紙ボール〜
子どもの動きを高める意識誘導型指導法 (第12回)
倒立前転
中村 賢
〜足を意識誘導する〜
10分で運動神経をよくする体育レシピ (第12回)
マット運動で運動神経を向上させる
原田 朋哉
小田原式応援団指導法 (第12回)
「盛り上げるコツ」B
小田原 誠一
〜決めポーズ・締めは、カッコイイ応援コンバットマーチで!〜
汗びっしょり体力づくり (第12回)
伝承遊びで体力づくり
冨築 啓子
シンクロ運動で一体感 (第5回)
シンクロ運動の授業の基本的組み立て
太田 健二
ライフスキルと健康教育 (第150回)
健康的行動のスキル
武田 敏
これって本当に必要?体育的行事の常識 (第12回)
本当に冬だけ? 冬だけの運動? なわ跳び運動の常識
田中 敦
保護者に受ける授業参観「新ネタ」 (第12回)
体育授業参観・成功のポイント
本吉 伸行
開眼!プロスポーツ選手のコメント (第12回)
『あきらめない心』
大谷 智士
〜車椅子テニスプレーヤー・国枝慎吾選手〜
世界の体育事情 (第12回)
学校体育の「輸出」
田村 治男
〜日本の体育を広める文科省の動き〜
TOSS体育サークル紹介 (第22回)
TOSS中丹教育サークル
谷口 修康
〜「体育って楽しい!」と声があがる日をめざして!サークルと共に!〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
<低学年/かけっこ・リレー>「折り返しリレー」と「回旋リレー」で体育の授業に思考場面を
井戸 砂織
<高学年/短距離・リレー>チームで作成を考えよう! ワープリレー
森元 智博
授業の腕を高める論文審査 (第275回)
エビデンスのある研究論文
向山 洋一
向山洋一氏の論文審査―その軌跡と分析
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
並木 孝樹
TOSS体育ニュース (第158回)
3月号
TOSS体育中央事務局
できるようになる指導法の工夫 (第12回)
逆上がりは高い姿勢で始めて、引きつける感覚を体感させる
村田 淳

特集の解説 体育授業の腕をあげる“スキル&システム”―未来への教育遺産

TOSS体育授業研究会事務局/並木 孝樹


 『楽しい体育の授業』誌は、1988年に月刊誌として創刊され、この3月号で306号を迎えた。約27年間にわたって体育の授業を研究し、実践を追究してきた。「楽しい体育」の原点は、向山洋一氏の「跳び箱は誰でも跳ばせられる」にある。跳び箱が跳べないのは「体重が重いからだ」「怖がっているからだ」「踏み切りが弱いからだ」と、全て跳べない原因は子どもにあると考えられてきた。しかし、向山氏は次のように主張した。

 『跳び箱が跳べない原因は、教師の指導の未熟さにある。教師が勉強をせず教え方を理解していないからである』と断言した。向山氏は5分ほどで跳ばせる方法を考案し、成功率が95・7%という事実をつくりだしたのである。それは向山式跳び箱指導法として広まっていった。数々のドラマがある中で、何度も感動するエピソードがある。

 元中学校の英語教師で、少林寺拳法を少年に指導している幹部がいた。自分自身が跳べない。向山氏の本を読み、夜中にこっそり体育館でステテコ姿で試した。そして跳べた。

 向山氏は、「すぐれた教育技術・教育方法」は伝達することが可能であることを実感した。これこそが教育の学問なのだと確信した場面だった。

 やがて法則化運動に発展し、根本正雄氏が法則化体育を立ち上げた。向山氏の主張をさらに追究されたのである。

 「いつでも、どこでも、誰でも、できる体育」

を一つの方針として位置づけ、体育授業のスキルとシステムの追究をし、様々な実践を全国に広げていった。これは体育授業の大変革であり、教育史上に遺し、次世代に伝えていくべきものである。いわば教育遺産とも言える価値ある運動であり、授業実践である。

 本号では、次世代に伝えるべき体育授業のスキルとシステムを、これからの世代を担う若い教師たち、体育の授業をよりよいものにしていこうとする実践家の方たちに伝えていただきたく、永久保存版として編集した。それは体育の未来像を語ることでもある。

 今号の特集は次の通りである。


T次世代の体育研究をこう構築する―ヤング・6つの提案

U体育授業の腕をあげる法則―1時間の組み立て方

V体育授業の腕をあげる法則―究極の指導を伝える圧縮版

W共有財産化―次世代に伝えたい向山型体育の授業遺産

X次世代に伝えたい向山型体育の研究遺産・記憶遺産


 Tでは、今までの体育研究をふまえて体育のスキル・システムをどのように構築していくかについて、若い世代からの提言をしていただいた。

 Uでは、初任者から5年目くらいの方に向けて、1時間の体育の組み立ての原理・原則を、「布石」「ルール」「個別評定」「モノ(教材・教具)」の視点から具体的に実践を紹介し、すぐに追試できるように紹介いただいた。

 Vでは、今までの各単元で行われてきたスキル・システムを踏まえて、永久保存版となるような指導法・実践事例を紹介し、1つの授業だけでなく単元を見通せる内容をご提案いただいた。

 W:「跳び箱は誰でも跳ばせられる」は向山洋一氏が提唱された。これは教育史に残る画期的な教育運動であり、共有財産化していくべきものと考える。向山氏の実践は向山型体育として広まっていった。跳び箱だけでなく、「準備運動」「阿波踊り」「リレー」「よさこいソーラン」「ハードル」「なわ跳び」「水泳」は代表的なものである。向山型体育を共有財産化すべくポイントを具体的に示していただいた。

 Xでは、向山氏が提唱した教育運動は「跳び箱や水泳の論争」「立ち合い授業」「全国のサークル活動」等様々な分野にわたる。ここでは向山型体育で広められた「模擬授業」「授業の記録化」「用語」などの授業文化を次世代に伝えるように示していただいた。

 先人から学んだことを改善、改良してさらによりよい授業にしていくのが、今に生きる私たち教師の仕事である。

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