- 特集 苦手種目を逆転!大好きにする指導ワザ
- 特集の解説
- 苦手種目を逆転!大好きにする指導ワザ
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- 低学年
- 鬼遊びを中心とした「陸上遊び」
- 年間を通じて、ルールを工夫しながら取り組む
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- 風船を使った体ほぐし
- ボール運動の苦手を吹き飛ばす風船遊び
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- 折り返しリレーで楽しいバトンパス
- 楽しみながら体を動かし、苦手意識をもたせない
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- シンクロ前転でパワーアップ
- 楽しい雰囲気の中で動きを合わさせる指導を
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- 跳び箱を使った運動遊び
- 楽しい活動を通して跳び箱に親しませる
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- 「あんたがたどこさ」で集団なわ跳び
- シンクロの練習から大なわ跳びへ
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- 中学年
- 前転〜「みかん」から「バナナ」へ〜
- 大きな前転をできるようにする
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- 達成率100%の後方片膝かけ回転
- 振りから回転へ発展させるステップ指導
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- 仲間との一体感を味わう跳び箱運動
- シンクロ横跳び越しで一体感を味わう
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- ネット型ゲーム「プレルボール」
- ルールの工夫により全員に活躍の場を与える
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- シュートがみるみる上達するバスケットボール
- ランニングシュートを身に付けよう!
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- 高学年
- 1時間に50回・リレー記録を伸ばすバトンパス練習
- リレーを大好きにする指導のポイント3
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- 合い言葉は「ハードルは短距離走」
- 的確な“ツボ”指示と声かけで
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- ボールを持たない時のサッカー指導
- オフザボールでは、フリースペースを見つけて走り込め!
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- 関わりを持ち、達成感を味わう協力なわ跳び
- 協力が不可欠!2in1の実践
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- 表現運動「スポーツ名場面」
- スポーツを題材に、デフォルメ(誇張)した動きに挑戦させる!
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- ミニ特集 1月・すぐに授業ができる!今月の単元計画
- <低学年・ボール投げ遊び>ゴールにつながる空間を理解させるシュートゲーム指導
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- <中学年・プレルボール>クラス全員が活躍できるプレルボール
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- <高学年・バスケットボール>単元を通したドリルゲームで「ボール操作」を身に付け、簡易化されたゲームで「ボールを受けるための動き」に気付かせる
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 長丘幼稚園の体育ローテーション参観&体育模擬授業12連発
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- 〜TOSS体育フレッシュセミナー九州in福岡〜
- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 汗をかくほどの運動を支える四つの視点
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第154回)
- TOSS体育直伝マンガ(ダブルダッチは誰でも跳べる!)
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- スポーツ選手にインタビュー/子どもたちへのメッセージ (第7回)
- つらいことも含めて、受け入れていく人生を
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- 〜トライアスロンの第一人者:宮塚 英也氏〜
- いくつ知っていますか?遊具を使った運動遊び (第10回)
- 遊具を使ったサーキット運動
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- 10分で分かる体育指導のコツ (第10回)
- 大なわ指導に初挑戦!〈その2〉
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- すぐ役立つ体育授業のマネージメント (第10回)
- なわを利用した準備運動
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- 若手教員必見!教材・教具のユースウェア (第10回)
- どの子も楽しくできる棒を使った運動
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- このルールで全員が得点! ボールゲーム (第10回)
- 少人数試合形式シュートゲームで全員得点を達成する〈サッカー〉
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- 組体操 成功への道のり (第10回)
- 全員でみせる大技の成功は、それまでの小さな技の指導で決まる
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- 参観日オススメ授業アラカルト (第10回)
- 保護者参加型の参観で、卒業単元がさらに思い出深くなる
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- 子どもが運動好きになるニュースポーツ (第10回)
- 体力よりも頭脳で勝負!『カローリング』
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- 最新情報を取り入れた保健の授業 (第10回)
- 校内研修で「児童虐待」を具体的に考える
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- ライフスキルと健康教育 (第130回)
- ライフスキル視点で道徳教育(中国)〈2〉
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- 特別支援の体育指導、この手立てでできた! (第10回)
- ケンパーとなわ跳びの関係を検証する
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- 〜1年かけてケンパーができるようになった子が、なわ跳び1回跳べるようになった〜
- 体育的行事の運営計画はこうやる (第10回)
- エクセルにデータを打ち込み、効率的に並べ替える
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- 実録「根本ワクワク体操教室」 (第10回)
- 実録!ワクワク体操教室指導風景
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- TOSS体育ときめき情報 (第22回)
- 「体力・運動能力」の評価に問題あり
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- 〜「平均」では見えないことがある〜
- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- 低学年/ボール投げ
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- 〜投げる手と反対の足を出すことを教える指導ステップ〜
- 中学年/プレルボール
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- 〜打ちつける機会を増やし、プレル技能向上!〜
- 高学年/バスケットボール
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- 〜“心電図”で課題を浮き彫りにする〜
- 授業の腕を高める論文審査 (第249回)
- つたなく初歩的な研究であるが
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- 体育科における学力保障 (第118回)
- 生徒の運動欲求を満たした指導
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- 〜京都府立舞鶴支援学校の体育科組体操の授業A〜
- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第132回)
- 1月号
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- 授業の腕を上げる体育クリニック (第22回)
- 体育授業シーンで考える「授業の原則十カ条」・その8
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特集の解説 苦手種目を逆転! 大好きにする指導ワザ
TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄
鉄棒運動の指導が苦手だという声を聞く。福井県の村田正樹氏は、宮城県石巻市で行われた体育セミナーで、見事な鉄棒の指導をされた。
練り上げられた指導技術が示され、的確なテクニカルポイントの指摘により、どこをどのようにすればよいのかが明らかになったためである。
「達成率100%の後方片膝かけ回転」の指導をされた。村田氏は、後方片膝かけ回転のテクニカルポイントとして、次の3点を示した。
@ひざの裏に鉄棒を固定する。
A肘を伸ばして回転に入る。
B振り足を鉄棒に近づける。
15分間の模擬授業で、初めて後方片膝かけ回転ができた教師が16名中3名いた。村田氏は、「どことどこに力を入れたらよいですか」と発問した。
上手に回れる教師に示範させ、「肘と背を伸ばす」ことと、「振り足を鉄棒に近づける」ツボを発見させた。その後の練習で、3名ができるようになったのである。
「どうしてできるようになったのですか」と聞くと、2名は「肘と背中を伸ばしました」といい、もう1名は「振り足を鉄棒に近づけました」と答えた。村田氏の示した指導のツボが、見事に的中したのである。
同じ体育セミナーで宮城県の村山浩康氏は、マット運動で「前転〜みかんからバナナへ〜」という指導をされた。
体を丸め小さく回る前転ではなく、回転の途中で体を前に投げ出し、回転加速のある大きな前転ができる指導を行った。
村山氏は、大きな前転のテクニカルポイントとして、次の三点を示した。(浜井俊洋氏の実践よりの引用)
@前回りの始動のときに、手を遠くに着く。
A頭をできるだけ近くに着く。
Bバナナの形から徐々に体を小さくする。
大きな前転ができる教師に示範させた。そして、「どこが上手ですか」と聞いた。すると「手を遠くに着く。膝が伸びている。おしりに近づける」という答えが出された。
村山氏は、その後、手押し車から前転をさせ、膝の伸びた大きな前転を体感させた。
次は、マットに赤いテープを3本貼り、「一番遠くに着手すると3点、真ん中は2点、一番近いところは1点です」と指示した。
遠くに着けば着くほど、膝の伸びた大きな回転ができるようになる。
村山氏も「膝を伸ばす、遠くに着手する」という指導のツボを明示することによって、ねらいを達成させていった。
本特集では、村田正樹氏や村山浩康氏のように、苦手な体育を克服するツボ(テクニカルポイント)を示して、どのように子どもが変容したのかが示してある。次のような項目でまとめてある。
1 授業の主張点
2 指導のツボ(テクニカルポイント)
3 指導のポイント
4 単元計画
5 本時の指導
6 子どもの変容
7 参考文献
指導のツボが分かっても、授業の主張点が明確でないと展開できない。そこで、最初に授業の主張点が示されている。
主張点に応じて、指導のツボ、指導のポイントが説明されている。本特集の目玉である。
それに基づいて単元計画、本時の指導が展開されている。一部分の指導ではなく、単元全体の流れの中でどのように指導するのかが明記されている。
学級の実態に応じて、内容を組み換えたり変更したりして、子どもにとって最善の指導を行う。
その中で、指導のツボを活用し、子どもを変容させ、楽しい体育授業づくりをしてほしい。
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- 明治図書