楽しい体育の授業 2012年7月号
“子ども激変”魔法の運動言葉32選

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楽しい体育の授業 2012年7月号“子ども激変”魔法の運動言葉32選

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2012年6月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 “子ども激変”魔法の運動言葉32選
特集の解説
“子ども激変”魔法の運動言葉32選
根本 正雄
体つくり運動・“激変”の言葉
低学年/落っこちたら、わにさんに食べられちゃうよ!
溝端 久輝子
中学年/「まりつき」の指導に三つの魔法の言葉を
岡 麻知子
高学年/上げ足『クルッ』でSケン制覇
森 博之
器械・器具を使っての運動遊び・“激変”の言葉
マット
体の部位を意識させよう!
根木 恭子
鉄棒
「足の向こうの景色を見てごらん」
中桐 信哉
跳び箱
「ケン・パ」から「トン・パ」へ―誰でもリズムよく跳べる
千葉 雄二
ゲーム・“激変”の言葉
鬼遊び
子どもが集中し夢中になる魔法の言葉かけ
金子 純子
シュートボール
「ゴールをはさむ」でパスを生みだす
東條 正興
ネット型/プレルボール
「ポーン、ポーン、バコーン」
瀧日 幸雄
器械運動・“激変”の言葉
鉄棒
『ピョン』『クルン』というリズム言葉
桑原 和彦
恐怖心が強い子に脱力させる言葉かけ
小野 隆行
マット
擬態語と視点を明確にする言葉が効果的
寺本 聡
イメージができる言葉をかける
角家 元
跳び箱
体重移動の感覚をつかませる魔法の言葉
村田 淳
跳び箱の跳び方が変わるこの言葉
□□□□□
陸上運動・“激変”の言葉
短距離・リレー
「ちらっと足もと」でスタート
中野 慎也
「はい」という言葉一つで動きが変わり、意識も変わる
並木 孝樹
ハードル走
「伸ばして、足裏見せて」
三好 保雄
説明せず、やり方を探させる
酒井 基成
走り幅跳び
足がついたら、すぐしゃがむ・ぐりっと踏み切る
渡辺 喜雄
踏み切りから着地までの動きは「グリコ!」「エビ!」で
早川 揮一朗
水泳・“激変”の言葉
クロール
「耳出す!」の言葉で、け伸びの姿勢をマスターさせる
鬼頭 衛
平泳ぎ
平泳ぎは「がにまたポーン」のイメージで
千葉 康弘
背泳ぎ
「耳に当たるように回す」「おへそを出す」と具体的な動きを示すことで、背泳ぎが上達する
澤田 好男
ボール運動・“激変”の言葉
ゴール型/サッカー
「パスラン」で攻撃の幅を広げる
本宮 淳平
ゴール型/バスケットボール
バスケットボールの特長を無理なく伝える、とっておきの言葉
村田 斎
ネット型/ソフトバレーボール
パスをつなげる三つの魔法の言葉
岩田 史朗
ベースボール型/ティーボール
思い切りバットを振ることを意識させる「空振りしてもOK」の安心感
佐藤 泰之
ベースボール型/ソフトボール
「打つ」技能を高める声かけとボールの変化
中川 貴如
表現&ダンス・“激変”の言葉
表現リズム遊び
つないだ手は、やさしく「ふわっ」
金子 真理
リズムダンス
「1・2・3・1・2・3のリズムにのって!」
村上 京子
表現運動
子どもの心に届け!共感の言葉「かっこいい!」「すてきだね」
佐藤 貴子
ミニ特集 7月・すぐに授業ができる!今月の単元計画
<低学年・鉄棒>体の小さい低学年のうちから、逆上がりに必要な基礎感覚を身に付けさせ、子どもの実態に応じた指導を選択する
原田 朋哉
<中学年・鉄棒>授業システムをつくる
前島 康志
<高学年・鉄棒>パーツに分けて鉄棒運動の授業をマネジメントする
平山 勇輔
ライブで体感!TOSS体育講座
若手教師に授業の基礎・基本を伝える「体育授業マネジメントマスター講座」
村田 斎
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
逆さ感覚と背筋力をつける
松藤 司
マンガで見る楽しい体育指導 (第148回)
TOSS体育直伝マンガ(台上後転やってみる?)
石橋 健一郎
スポーツ選手にインタビュー/子どもたちへのメッセージ (第2回)
つらいことの中に楽しみを見つけ、上向きの人生を歩いていく
瀬藤 幹人根本 正雄
〜瀬藤 幹人氏:日本SB(スーパーバンタム)級4位(元SB級暫定王者)〜
いくつ知っていますか?遊具を使った運動遊び (第4回)
鉄棒編
大中 州明
10分で分かる体育指導のコツ (第4回)
美しく跳ばせる跳び箱指導
阪下 誠
すぐ役立つ体育授業のマネージメント (第4回)
水泳指導
脇坂 浩之
〜個人差の吸収〜
若手教員必見!教材・教具のユースウェア (第4回)
顔を水につけられない子どもがヘルパーと背浮きで泳げるようになる
川口 達実
このルールで全員が得点! ボールゲーム (第4回)
シュートゲームを変化させ、全員得点を実現させる
山本 東矢
〜バスケットボールで〜
組体操 成功への道のり (第4回)
組体操の運動を日常化
佐藤 泰之
〜夏休みに組体操の宿題を〜
参観日オススメ授業アラカルト (第4回)
学習形態の工夫で参観授業のなわ跳びを盛り上げる
東郷 晃
子どもが運動好きになるニュースポーツ (第4回)
逆転現象を仕組んで運動好きに!
大谷 智士
〜ターゲット系ニュースポーツ『ディスコン』〜
最新情報を取り入れた保健の授業 (第4回)
高学年女子に健康的なダイエットを教える
越智 敏洋
ライフスキルと健康教育 (第124回)
ほめるライフスキル教育
武田 敏
特別支援の体育指導、この手立てでできた! (第4回)
まったく泳げなかった子が、だるま浮きで泳げるようになった!!
野ア 隆
体育的行事の運営計画はこうやる (第4回)
大きな行事ほど、その準備で成功の9割が決まる
稲嶺 保
〜運営計画で変更点を見える化する〜
実録「根本ワクワク体操教室」 (第4回)
初めは泣いてお母さんと離れなかった子が、笑顔になった
川津 知佳子
TOSS体育ときめき情報 (第16回)
「熱中症」予防のカギは体づくりにあり
TOSS体育中央事務局
〜「インターバル速歩」とは〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
低学年/鉄棒遊び
水野 彰子
〜楽しい鉄棒カードと教師のほめ言葉で子どもたちを鉄棒好きに!〜
中学年/鉄棒運動
山本 新一
〜全ての学習カードは「向山式なわとび級表」の形に憧れる!〜
高学年/鉄棒運動
川原 雅樹
〜小学校での鉄棒すべてマスター 鉄棒カード〜
授業の腕を高める論文審査 (第243回)
「ゲーム運動」で、何を大切にすべきか
向山 洋一
体育科における学力保障 (第112回)
島田猛氏の「根本正雄 側方倒立回転の指導分析」A
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第126回)
7月号
TOSS体育中央事務局
授業の腕を上げる体育クリニック (第16回)
体育授業シーンで考える「授業の原則十カ条」・その2
TOSS体育中央事務局

特集の解説 “子ども激変”魔法の運動言葉32選

TOSS体育授業研究会代表/根本 正雄


 4年生で台上前転の指導をされた先生の報告があった。

 跳び箱1段にマットをかぶせて、「トン、トン、トーン」のリズムで跳ばせたところ、跳び箱と踏み切り板の間に頭が落ちて、けがをするところだったと反省していた。

 元筑波大学附属小学校の林恒明氏は、同じ指導で「マゲ、マゲ、ピン」という指導をされた。

 「トン、トン、トーン」の言葉と「マゲ、マゲ、ピン」という言葉を比較してみると、林氏の言葉の方が、子どもの動きは変わる。

 平成24年2月に第20回日本体育教育技術学会が東京で開かれた。

 村田正樹氏は後方支持回転の指導で、「ひざを曲げて、鉄棒をももの付け根にカチッとはめます」という指導をされた。映像を使った発表で、好評であった。

 鉄棒に体を固定させる指導言葉として、「カチッ」はとても効果があったと報告されている。「強く」とか「ぎゅっと」よりも、イメージが伝わるからである。

 中村賢氏は、「例えを使った器械運動の指導」の実践例を発表された。例えを使う効果として、次のように述べている。

@ 理想的なフォームをイメージしやすい。

A 指示・説明の内容を「ひと言」に凝縮することができるため、伝わりやすい。

B ポイントが記憶に残りやすい。

 イメージしやすい、伝わりやすい、記憶に残るという効果がある。具体例として、次の「例え」を紹介している。

・前転 トンネルをのぞいて回ろう。ウサギの耳をつくって立とう。

・後転 後ろ向き熊から回ろう。

・側転連続 大型バスのタイヤで回ろう。

・開脚跳び 大きな富士山をつくろう。

・頭はね跳び カギカッコをつくってから足を振り上げよう。

 本特集では、以上のような動きの変わる魔法の運動言葉が紹介されている。次の内容が紹介されている。

@ 魔法の言葉

A 具体的な指導場面

B 魔法の言葉で、どのような効果があったのか。指導過程の様子、数値、写真、図などで示されている。

 魔法の言葉は、シンプルに表現されている。短いフレーズで述べた方が、子どもの心に突き刺さる。

 子どもが口ずさめる、平易な言葉がよい。そして、子どもの生活や体験の中にある言葉が望ましい。

 そして、どんな場面で活用されたのかが示されている。

 「マット運動で前転のできない子どもへの指導」とか、「跳び箱で体重移動がうまくできない子への指導」など、場面や条件を限定して紹介されている。

 一般的な場面ではなく、限定された場面での指導言葉が述べられているので、授業に活用することができる。

 そして、その言葉によって子どもの動きがどのように変化したのかが紹介されている。

 一番分かりやすいのは、数値である。指導前と指導後でどのくらい変化したのかが分かると、追試の目安になる。

 数値で示せないものは、写真、図、変容の様子、子どもの感想などで知ることができる。中には、子どもの動きが激変した様子を示されているものもある。


 優れた言葉は、先人の知恵の結晶である。

 子どもの動きが変わる言葉を学び、子どもに伝えていくことは、次の世代に受け継ぐことになる。自分の栄養にもなる。

 本特集で紹介された言葉を実践して、効果を確かめてほしい。そして、さらに優れた魔法の言葉をつくりだしていってほしい。

 必ず、子どもは変化していく。言葉の果たす働きを知っていく中で、体育の指導技術も磨かれていく。

 型を学び、型から脱する中で、子どもも教師も変わっていくのである。

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