楽しい体育の授業 2009年10月号
“仲間づくり”を意識したニュー体育授業

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楽しい体育の授業 2009年10月号“仲間づくり”を意識したニュー体育授業

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2009年9月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 “仲間づくり”を意識したニュー体育授業
特集の解説
根本 正雄
実践事例
体つくり 体ほぐし
テンポよく運動することで、仲間と関わる楽しさを体感する
堀 達也
体つくり 多様な動きをつくる運動遊び
多様な動きをつくる運動遊び三つのポイント
山本 新一
走・跳の運動遊び
コーンの位置変えが関わりを生む!
Mア 仁詩
走・跳の運動遊び 表現リズム遊び
子どもたちが熱中して取り組む仲間づくりのゲーム
森下 人志
走・跳の運動遊び ゴール型ゲーム
全員が得点できるシステムを作る
高橋 恒久
走・跳の運動遊び ネット型ゲーム
ワンバウンドOKだから簡単!ネット型ゲーム「プレルボール」
東郷 晃
走・跳の運動遊び ベースボール型ゲーム
みんなで上達し楽しめるティーボール
伊藤 秀男
体つくり 体ほぐし
運動を通して自然と体がふれ合うボールを使った体ほぐし運動
土屋 孝政
体つくり 体力を高める
陣取りゲームで体力もコミュニケーション力もつける
小野 一豊
器械運動 跳び箱
「場の工夫」と「集団跳び(シンクロ跳び)」でコミュニケーション力を育てる
上川 晃
器械運動 マット
まずは体のキャッチボールから
伊藤 篤志
器械運動 鉄棒
互いに関わり合う場面を意図的に設ける
村田 正樹
陸上運動 短距離・リレー
走る距離と順序を子どもに任せて工夫させるリレー競技の練習と試合
村上 弥
陸上運動 ハードル走
仲間同士でテクニカルポイントを見合う
岡 拓真
陸上運動 走り幅跳び
シフト幅跳び・実測競争でグループ競争を
田村 弘之
ボール運動 ゴール型
ふれ合いを多く仕組むバスケットボール
川谷 貴浩
ボール運動 ネット型
ミスをしてもほめられるバレーボールのルール
山本 真吾
ボール運動 ベースボール型
『打ったら!走れ』満塁から始めるベースボール
石田 博一
ミニ特集 10月 新指導要領で体育授業はこう変わる(マット)
1年生/基礎感覚を確実に習得させよう
太田 健二
2年生/指令「よじ登り・ステージ前転・開脚前転・側転!」に挑戦せよ!
石橋 健一郎
3年生/集団ゆりかごで基本の習得と場の工夫で自主性を高める
鈴木 恭子
4年生/壁倒立はこう授業する
三好 保雄
5年生/共通して習得させる技や技能
辻岡 義介
6年生/最低限の技能保障をしないと楽しめない
根津 盛吾
ライブで体感!TOSS体育講座
素晴らしいと憧れる授業の最重要ポイントは“笑顔に満ちた授業”である
村田 斎
〜2009 TOSS体育全国セミナー〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
運動量(時間)を意識しないと体は育たない
槇田 健
マンガで見る楽しい体育指導 (第115回)
根本体育直伝マンガ(パートナーに伝えるの巻)
岩野 節男岩野 紀子
ルール簡単おすすめゲーム・鬼ごっこ
大好評バンドエイド鬼ごっこ
並木 孝樹
年間を通して鍛えたい基礎感覚・基礎技能
バスケットボールで絶対に教えたい基礎技能
東條 正興
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
何のために踊るのかを考える「仲間を信じよう」
山根 歌奈子
運動量を保障する体育授業のシステム
説明の時間を削る
村田 淳
あの授業映像から「指導技術」を学ぶ
できない子をできるようにする体育の指導F集合させるときの微細技術「方法」と「語り方」
郡司 崇人
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第28回)
細胞を“つかんで引っ張る”実験の成功
齋藤 滋
ここが聞きたい!体育授業のQ&A
「体つくり運動」は楽しく継続的に意図的に行う!
持木 信治
TOSS体育最前線
TOSS体育全国セミナー―圧巻!体育模擬授業16本!
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
マット遊び
川津 知佳子
〜「なかま作り」を意識して行う〜
マット運動
岸本 勝義
〜ペア学習で学習カードを効果的に活用する〜
特別支援の子どもも活躍!楽しい体育授業
動きが激変!見本を見せ変化のある繰り返しの中で個別評定
八木澤 寿明
ライフスキルと健康教育 (第91回)
地味に努力を重ねるスキルと継続スキル
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第210回)
ていねいな授業
向山 洋一
体育科における学力保障 (第79回)
クラス全員が活躍できる!ならびっこティーボールA 井坂広輝氏の模擬授業
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第94回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第31回)
ティーボール
佐藤 泰之
〜ボールをキャッチする〜

特集の解説

“仲間づくり”を意識したニュー体育授業

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 従来の学習指導要領では、知識・理解、技能、態度の学力を育てることが求められた。

 しかし、今回の学習指導要領では、それらの学力と同時に、コミュニケーション能力を育てていくことも求められている。

 本特集では、コミュニケーション能力を育てる指導法について、紹介されている。

 JEF市原・千葉お届隊のサッカー指導があり、コーチの池上正氏から指導していただいた。

 今までのサッカー指導とは異なる指導観に基づいた、楽しい授業である。

 池上氏の指導はサッカーの基礎基本を身に付けさせながら、子ども同士のコミュニケーション能力を育成する内容である。

 教師が教え込むのではなく、子どもが自ら気付き、発見していく授業の組み立てである。組み立ては次のようである。

1 四つのサインを確認する

@ 手のひらを下に向ける→座ってください。

A 手のひらを上に向ける→立ってください。

B 口に中指を当てる→お話を聞いてください。

C 両手で拍手をする→集まってください。

2 ボールを持たないで仲間作りゲーム

@ コーンとコーンの間を回ると1点になる。

A 1人で3点をとる。

B 3点とった人を探して、2人になる。

C 2人になって、手をつないで2点をとる。

D 4人になって、1点をとる。

E 8人になって、1点をとる。

3 2人で(バウンド)パスをする。5回できたら合格

4 足でドリブルして、コーンとコーンの間を回る。3点とったら集まる

5 ドリブル競争をする

 @ ヨーイ・ドンでスタートする。

 A どちらが言うかを決める。

 B 勝った人は勝った人同士で競争する。負けた人は負けた人同士で行う。

 C 負けた人同士で勝ったら、勝った人同士で行う。

6 試合をする

 @ 4人組作る。

 A ビブスを着た4人と着ていない4人で行う。

 B ゴールは一つとする。

 C 笛の合図で始まり、笛の合図で終わる。

 以上の組み立てには、どんな人間を育てるかという思想が流れている。

 最初の「ボールを持たないで仲間作りゲームをする」ゲームは、サッカーの基礎技術を習得させるために役立つ。

 それ以上に人間関係作りに効果的なのである。コーンの間を通ることによって得点になる。

 目的が達成したら次の目標に向かって活動が始まる。2人組、4人組、8人組と同じような方法で仲間作りが行われていく。

 ゲームで楽しく遊ぶ中で、人間にとって大切な仲間作りが学習できるようになっていた。これは、最後のゲームでも同じである。ビブスを着た4人と着ていない4人でゲームを行う。

 池上氏は一切チーム作りを強制しない。チームができずにゲームのできないところもあった。それでも声を出さずに見ているだけである。

 この繰り返しを行う中で、子どもは自分から仲間を見つけ、自分から仲間に入る働きかけをしていくようになった。

 つまり、最初のゲームと同じように、人間関係作りを最終目標においている。その過程でサッカーの楽しさを体験させていくような組み立てになっていたのである。

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