楽しい体育の授業 2008年4月号
黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石

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楽しい体育の授業 2008年4月号黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2008年3月10日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

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特集 黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年
〈固定施設遊び〉遊具遊びを準備運動につなげる
佐藤 貴子
〈折り返しリレー〉楽しく知的な運動を仕組んで統率する
川口 達実
〈鉄棒遊び〉全員を体育大好きっ子に!きっかけは、鉄棒遊びから
石橋 健一郎
〈鬼遊び〉絶対に欠かせない鬼遊びの指導
前島 康志
〈ドッジボール〉上学年でドッジボールを楽しめるようにするために身に付けさせたい「ボールを投げる力」・「ボールを捕る力」
小林 宏
〈サッカー遊び〉ドリブルゲームで技能も交流もアップ
南木 雅弘
中学年
〈リレー〉低・高学年との系統性を考えて、内容を限定して指導する―黄金の3日間で授業パターンを作り、システムで指導する―
三宅 孝明
〈マット運動〉倒立を軸とした体育授業のシステムづくり
辻岡 義介
〈跳び箱運動〉器具・授業システムをマネジメントする
高橋 恒久
〈ポートボール〉キーワードは「誰にでも」「たくさん運動」「上達」「楽しい」
小井戸 政宏
〈ラインサッカー〉どの子も楽しみながらしっかりと汗をかくシステム作り
鬼頭 衛
〈ハンドベースボール〉仲間づくり・ルールづくりの布石を打つ
太田 健二
高学年
〈短距離走・リレー〉3本柱(趣意説明・システム・成功体験)を意識する
根津 盛吾
〈なわ跳び〉向山型なわとび指導で授業をシステム化する
牛腸 要
〈マット運動〉仲間づくりと場の工夫とで授業のシステムをつくる
上川 晃
〈跳び箱運動〉体育のマネジメントを授業で身に付ける
黒瀧 耕治
〈バスケットボール〉“シンプルなシステム”そして“力強くほめる”
村田 斎
〈ソフトバレーボール〉ルールの進化でゲームの質を変える
堀 健一
ミニ特集 4月の体育はこう指導する(短距離・リレー)
低学年
楽しく、そして授業をパーツで組み立てる
鈴木 隆夫
中学年
「体育って楽しいなあ」と思わせる8秒間走
阪下 誠
どの子も走力が伸び、力一杯競い合うことが楽しくなる
齋藤 徳三
高学年
三つのパーツで組み立てる、運動量たっぷりの短距離走
郡司 崇人
個人差を吸収し、どの子も楽しく汗をかくように組み立てる
桑原 泰樹
ライブで体感!TOSS体育講座
「楽しい体育は誰でもできる」を実感する TOSS体育フレッシュセミナー四国
郡司 崇人
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
足元から子どもの身体(からだ)を見直す『足育学習』の導入を!
大前 宣徳
マンガで見る楽しい体育指導 (第97回)
根本体育直伝マンガ(準備運動の目的の巻)
岩野 節男岩野 紀子
子どもが熱中!低学年体育の指導
「まあいいか」が命取り…はじめの指導が大事!「集合」指導に全力をあげよ!
田代 光章
体育科の系統的指導
マット運動1「前転」
浜井 俊洋
拍手喝采これでYOSAKOIソーランが成功
子どもの輝く姿が人を動かす
千原 一弘
新卒教師必見!体育授業を面白くするコツ
「立ち位置」と「目の高さ」の使い分けは初歩!
木村 孝康
テクニカルポイントを踏まえた授業づくり
ポイントをポイントのままで教えない
村田 淳
最新情報を盛り込んだ食の授業 (第10回)
唾液はホントに汚いの?
齋藤 滋
苦手な子どもも満足する鉄棒指導
逆上がり達成のための布石を打つ
三輪 仁志
成功体験を保証するなわ跳び指導
「なわ跳びがうまくなる会」で新記録を!
嶋林 聡
体育指導でドラマをつくる
1人の子の事実がクラスを変える
持木 信治
TOSS体育最前線
村田斎氏の体育のはじめの指導
TOSS体育中央事務局
〜「システム化」の第一歩を〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
かけっこ・リレー遊び(低学年)
木場 智也
〜めざせ!かけっこ・リレー達人!〜
短距離・リレー(高学年)
山口 浩彦
〜リレーのタイムがあがるカードづくり〜
水泳指導の秘密兵器
フィンを使ってイルカに近づこう!!
下永田 修二
ライフスキルと健康教育 (第73回)
生命尊重の教育とライフスキルT
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第192回)
原理にもどりつつ絶え間ない工夫と努力を
向山 洋一
体育科における学力保障 (第61回)
野洲高校サッカー部の指導A
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第76回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第13回)
足打ち跳び
竹森 正人
〜腕支持感覚は基本中の基本〜

特集の解説

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄

黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石


 黄金の3日間で何をしたらよいのかという問題がある。1年間の体育授業づくりの最初の指導が、それ以後の学習を作っていく。

 ある学校の校内研究会に招かれた。3年生の鉄棒遊びの授業を見て驚いた。1時間のシステムづくりが見事にされていたからである。

@ 準備運動をする。 ・3分間走  ・体操

A 補強運動  ・班対抗鉄棒リレー 

ア ダンゴ虫 イ 前回りおり5回 ウ 足抜き回り3回

B 各自の課題に挑戦する。

C 振り返りをする。

D 補強運動をする。・忍者修行(タイヤ跳び→鉄棒スラローム走→ジャングルジム)

E 整理運動をする。

 最初に準備運動があった。先生の合図でトラックを走り始めた。毎時間の始めには3分間走と決まっているので、どの子どもも真剣に走っている。

 走り終わると準備運動である。4列横隊になり体育係の子どもが前に出て、号令をかけて行っている。

 教師は腕の曲がらない子ども、前屈のできない子どもなどの個別指導に当たっている。教師が指示しなくても子どもだけで準備運動が行われていた。

 鉄棒遊びに入ると、班ごとに鉄棒の前に整列して、体育座りになった。教師が「班対抗鉄棒リレー」と指示すると前列の子どもがスタートの構えをした。

 「始め」と合図すると一斉に走り始め、ダンゴ虫リレーが開始された。それが終わると前回りおり5回、足抜き回り3回のリレーがなされた。

 リレー形式になっているので、どの子どもも全力で取り組んでいる。遊ぶ子どもはいない。全員が集中して取り組んでいる。

 きちんとやる順番、回数が決まっていたので、子どもだけでもリレーがどんどん進んでいった。教師は着順を判定するだけである。

 班対抗鉄棒リレーが終わると、各自の課題に挑戦していった。学習カードをもとに自分の挑戦する課題を確認し、練習の場を選択していた。場には、めあて毎に名前が掲示してあるので、子どもは迷わずに移動できた。

 グループの子どもと助け合いながらの練習が始まった。くるりんベルトを使っているグループ、台付鉄棒を活用しているグループと多様な活動である。

 目当てが明確なので子どもは自主的に活動している。場の使い方、補助具の使い方がきちんと指導されているので、教師が指示しなくてもきちんとできるシステムになっている。

 練習が終わると振り返りである。学習カードに本時の学習で伸びたところ、頑張った事、協力した事などを自己評価していった。そして、次時の目当てを記入していった。

 最後は補強運動である。鉄棒運動で使用しない体の部分を運動していく。忍者修行としてタイヤ跳び→鉄棒スラローム走→ジャングルジムを行っていた。

 ここでよかったのは、一つの課題をクリアーする度に担任にハイタッチをしたことである。

 ハイタッチすることによって、教師も子どもも確認できる。評価がシステム化されているので、子どもは黙っていても活動できる。

 最後は整理運動である。準備運動と同じ隊形になり、体育係の子どもを中心にして行われた。

 1時間の授業がシステム化されているので、教師の指示や説明は少なくてすむ。結果として運動量が多く、楽しい学習になったのである。

 本特集では、教材毎に鉄棒遊びで示したようなシステムが紹介されている。黄金の3日間で指導しておくべき内容が分かりやすくまとめられている。

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