- 特集 黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石
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特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
黄金の3日間でつくる“年間システム”の布石
黄金の3日間で何をしたらよいのかという問題がある。1年間の体育授業づくりの最初の指導が、それ以後の学習を作っていく。
ある学校の校内研究会に招かれた。3年生の鉄棒遊びの授業を見て驚いた。1時間のシステムづくりが見事にされていたからである。
@ 準備運動をする。 ・3分間走 ・体操
A 補強運動 ・班対抗鉄棒リレー
ア ダンゴ虫 イ 前回りおり5回 ウ 足抜き回り3回
B 各自の課題に挑戦する。
C 振り返りをする。
D 補強運動をする。・忍者修行(タイヤ跳び→鉄棒スラローム走→ジャングルジム)
E 整理運動をする。
最初に準備運動があった。先生の合図でトラックを走り始めた。毎時間の始めには3分間走と決まっているので、どの子どもも真剣に走っている。
走り終わると準備運動である。4列横隊になり体育係の子どもが前に出て、号令をかけて行っている。
教師は腕の曲がらない子ども、前屈のできない子どもなどの個別指導に当たっている。教師が指示しなくても子どもだけで準備運動が行われていた。
鉄棒遊びに入ると、班ごとに鉄棒の前に整列して、体育座りになった。教師が「班対抗鉄棒リレー」と指示すると前列の子どもがスタートの構えをした。
「始め」と合図すると一斉に走り始め、ダンゴ虫リレーが開始された。それが終わると前回りおり5回、足抜き回り3回のリレーがなされた。
リレー形式になっているので、どの子どもも全力で取り組んでいる。遊ぶ子どもはいない。全員が集中して取り組んでいる。
きちんとやる順番、回数が決まっていたので、子どもだけでもリレーがどんどん進んでいった。教師は着順を判定するだけである。
班対抗鉄棒リレーが終わると、各自の課題に挑戦していった。学習カードをもとに自分の挑戦する課題を確認し、練習の場を選択していた。場には、めあて毎に名前が掲示してあるので、子どもは迷わずに移動できた。
グループの子どもと助け合いながらの練習が始まった。くるりんベルトを使っているグループ、台付鉄棒を活用しているグループと多様な活動である。
目当てが明確なので子どもは自主的に活動している。場の使い方、補助具の使い方がきちんと指導されているので、教師が指示しなくてもきちんとできるシステムになっている。
練習が終わると振り返りである。学習カードに本時の学習で伸びたところ、頑張った事、協力した事などを自己評価していった。そして、次時の目当てを記入していった。
最後は補強運動である。鉄棒運動で使用しない体の部分を運動していく。忍者修行としてタイヤ跳び→鉄棒スラローム走→ジャングルジムを行っていた。
ここでよかったのは、一つの課題をクリアーする度に担任にハイタッチをしたことである。
ハイタッチすることによって、教師も子どもも確認できる。評価がシステム化されているので、子どもは黙っていても活動できる。
最後は整理運動である。準備運動と同じ隊形になり、体育係の子どもを中心にして行われた。
1時間の授業がシステム化されているので、教師の指示や説明は少なくてすむ。結果として運動量が多く、楽しい学習になったのである。
本特集では、教材毎に鉄棒遊びで示したようなシステムが紹介されている。黄金の3日間で指導しておくべき内容が分かりやすくまとめられている。
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