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特集の解説
「器械運動が苦手」を巻き込む集団活動18選
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
器械運動の実態を調査すると、器械運動は嫌いであるという結果が出ている。できる、できないがはっきりしているからである。できない子供にとっては苦痛なのである。
個人種目で、他との関わりが作りにくく、友達と楽しく運動ができないからである。そこで個人種目である器械運動を仲間との関わりができるように工夫し、集団で楽しむ器械運動の指導法について、本特集では紹介されている。
跳び箱運動の下位運動にタイヤ跳びがある。一人で跳ぶとぎこちない跳び方をする子供がいる。連続で跳び越せない子供もいる。
そういう子供たちに「シンクロタイヤ跳び」と名付けて集団で跳ばせた。最初は2人からはじめ、3人、4人と増やしていくようにする。
するとぎごちない跳び方をしていた子供が、他の上手に跳べる子供の動きに合わせて集団で跳ぶことにより、リズミカルに跳べるようになった。
上手に跳べない子供がいた。一番後ろにするとその子供だけ遅れる。集団跳びが崩れてしまうのである。そこで次の発問をした。
跳ぶ順番を変えてもいいです。どんな順番にしたら調子よく跳べるか工夫してください。
グループで話し合いをさせた。すると上手に跳べない子供を一番前にした。
その子供の動きに合わせて他の3人が跳んでいくのである。見事な集団跳びになった。
集団で跳ぶ中で、正しい手の突き放しや着地の仕方が身に付いていった。上手に跳べなかった子供も仲間と一緒に跳ぶことによって、楽しくできるようになった。どの子供の顔にも笑顔があった。
このように、不安定な着地であったり、手の突き放しが弱かったりして調子良く跳べない子供でも、連続タイヤ跳びを行うことにより、リズミカルに跳べるようになったのである。
次は跳び箱での連続跳びである。跳び箱を4台並べる。6人のグループで連続して跳んでいく。最初から6人は無理である。
2人、3人、4人と増やしていく。人数が少ない時には合わせ易いが、人数が多くなると合わなくなる。
6人で跳ぶと必ず途中でタイミングか合わない。そこで次の発問をする。
どんな工夫をしたら、調子よく跳べるか工夫しなさい。
声をそろえる、着手をそろえる、着地の音をそろえるなどの工夫が出る。練習を繰り返す中で、呼吸が合い、リズムが合い、テンポが合っていく。
上手に跳べなかった子供も他の子供のリズムにそろっていく。全員がそろって跳べた時、達成感を味わうことができるようになる。
集団で運動することにより、個人では得られない基礎技能が習得できる。また、仲間との関り合いも生まれ、連帯感、一体感ができていく。
跳び箱、マット、鉄棒でも集団運動ができたという報告がされている。
これからの器械運動は、個人で学習すると同時に集団で仲間との関わり合いをしながら、楽しく学習していくように提言していきたい。
他の器械運動の種目についてもこのような集団運動を工夫した内容が紹介してある。実践をして、効果を確かめてほしい。
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- 明治図書