楽しい体育の授業 2004年12月号
「器械運動が苦手」を巻き込む集団活動18選

K181

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楽しい体育の授業 2004年12月号「器械運動が苦手」を巻き込む集団活動18選

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2004年11月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 「器械運動が苦手」を巻き込む集団活動18選
特集の解説
根本 正雄
実践事例
基本の運動
〈マット遊び〉みんなでやれば楽しさ倍増シンクロ・マット遊び
藤田 貴也
〈マット遊び〉変身で楽しいマット遊び
小洞 健太
〈マット遊び〉ゲーム感覚「マット冒険王国」への挑戦
西田 幸二
〈跳び箱遊び〉恐怖心を取り除く集団跳び箱遊び
川村 浩史
〈跳び箱遊び〉馬跳び遊びで基礎感覚をつける
岩田 一博
〈跳び箱遊び〉個別評定がペア跳びを盛り上げる
河野 健一
〈鉄棒遊び〉「そろえるおもしろさ」にのめりこむ
伊藤 新吾
〈鉄棒遊び〉「鉄棒遊び」が子供を変えた
常田 幸宣
〈鉄棒遊び〉やって楽しい!見て楽しい!シンクロナイズド鉄棒
横崎 剛志
マット運動
目から鱗!「後転でうさぎの耳は有効か?」
溝端 達也
「一人」→「集団」の運動で弱点を克服する
森脇 達也
どの子も大満足!8人前転
瀬川 恵子
跳び箱運動
集団連続跳び箱は、跳び箱嫌いをなくせる!
大前 宣徳
学級づくりに集団跳び箱を
村上 幸宏
超かっこいい!連続跳び
猿渡 功
鉄棒運動
スピードのコントロールが、苦手な子の動きを高める
村田 正樹
シンクロ鉄棒で「合わせて着地 10点満点」
浅野 光
集団での「競争・思考・協力」で、苦手な子も意欲アップ!
渡辺 睦生
ミニ特集 新学習指導要領への提言「表現運動」
イメージをもって楽しく踊ろう
近藤 由佳
子供が熱中するよさこいソーラン
山口 浩彦
第一時間目最初の5分間の指導
橋 真
5時間で完成!「創作・よさこいソーラン」
大久保 奈生子
笑顔で表現運動
細田 公子
ライブで体感!TOSS体育講座
向山型なわとび級表の威力を実感する
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
体育における「四摂法」
白石 豊
マンガで見る楽しい体育指導 (第57回)
根本体育直伝マンガ(集団マットの巻)
岩野 節男岩野 紀子
1秒・1cmの記録アップはこの指示で起こす
へそと目線を意識させるソフトボール投げの発問
太田 健二
集中・熱中このゲームが子供を変える
団結力が高まる人間運び
鈴木 隆夫
障害児体育の実践 (第9回)
バリアフリーな運動会競技
高橋 安生
体育を好きにする女教師の体育指導 (第9回)
低学年の体育「大きく前ならえ」の3点指導
鈴木 恭子
子供が喜ぶ体育授業のシステム化 (第9回)
器械運動の授業システム
渡辺 喜男
〜マット運動2 準備運動の詳細と場の変形〜
効果絶大 インターネットの活用
「食育」もTOSSインターネットランド
三沢 博樹
健康な生活習慣を育む食の授業 (第9回)
旬の野菜って何?
三好 保雄
時代の流れに対応した「性教育・エイズ教育」 (第9回)
人類の将来を左右するエイズの授業をして、子供を社会へ
戸井 和彦
TOSS体育研究会報告
TOSS体育ソーラン教え方DVDを制作する
割石 隆浩
TOSS体育最前線
模擬授業で体育の授業を変える
駒井 隆治
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
なわ跳び(低学年)
金子 雅彦
〜意欲を引き出すなわ跳びカード〜
なわ跳び(高学年)
荒井 賢一
〜なわ跳びカードでレベルアップ〜
今、子供に伝えたい保健の指導
ゲーム脳の恐怖から子供を守ろう!
森本 雄一郎
ライフスキルと健康教育 (第33回)
認知を変える「ひとりの時間」(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第152回)
WHOが提唱したライフスキル教育
向山 洋一
体育科における学力保障 (第21回)
浜井俊洋氏の側方倒立回転の指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第36回)
テクニカルポイントはここだ! (第33回)
走り幅跳び1
並木 孝樹
〜踏み切りの局面から指導する〜

特集の解説

「器械運動が苦手」を巻き込む集団活動18選

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 器械運動の実態を調査すると、器械運動は嫌いであるという結果が出ている。できる、できないがはっきりしているからである。できない子供にとっては苦痛なのである。

 個人種目で、他との関わりが作りにくく、友達と楽しく運動ができないからである。そこで個人種目である器械運動を仲間との関わりができるように工夫し、集団で楽しむ器械運動の指導法について、本特集では紹介されている。

 跳び箱運動の下位運動にタイヤ跳びがある。一人で跳ぶとぎこちない跳び方をする子供がいる。連続で跳び越せない子供もいる。

 そういう子供たちに「シンクロタイヤ跳び」と名付けて集団で跳ばせた。最初は2人からはじめ、3人、4人と増やしていくようにする。

 するとぎごちない跳び方をしていた子供が、他の上手に跳べる子供の動きに合わせて集団で跳ぶことにより、リズミカルに跳べるようになった。

 上手に跳べない子供がいた。一番後ろにするとその子供だけ遅れる。集団跳びが崩れてしまうのである。そこで次の発問をした。

 跳ぶ順番を変えてもいいです。どんな順番にしたら調子よく跳べるか工夫してください。

 グループで話し合いをさせた。すると上手に跳べない子供を一番前にした。

 その子供の動きに合わせて他の3人が跳んでいくのである。見事な集団跳びになった。

 集団で跳ぶ中で、正しい手の突き放しや着地の仕方が身に付いていった。上手に跳べなかった子供も仲間と一緒に跳ぶことによって、楽しくできるようになった。どの子供の顔にも笑顔があった。

 このように、不安定な着地であったり、手の突き放しが弱かったりして調子良く跳べない子供でも、連続タイヤ跳びを行うことにより、リズミカルに跳べるようになったのである。

 次は跳び箱での連続跳びである。跳び箱を4台並べる。6人のグループで連続して跳んでいく。最初から6人は無理である。

 2人、3人、4人と増やしていく。人数が少ない時には合わせ易いが、人数が多くなると合わなくなる。

 6人で跳ぶと必ず途中でタイミングか合わない。そこで次の発問をする。

 どんな工夫をしたら、調子よく跳べるか工夫しなさい。

 声をそろえる、着手をそろえる、着地の音をそろえるなどの工夫が出る。練習を繰り返す中で、呼吸が合い、リズムが合い、テンポが合っていく。

 上手に跳べなかった子供も他の子供のリズムにそろっていく。全員がそろって跳べた時、達成感を味わうことができるようになる。

 集団で運動することにより、個人では得られない基礎技能が習得できる。また、仲間との関り合いも生まれ、連帯感、一体感ができていく。

 跳び箱、マット、鉄棒でも集団運動ができたという報告がされている。

 これからの器械運動は、個人で学習すると同時に集団で仲間との関わり合いをしながら、楽しく学習していくように提言していきたい。

 他の器械運動の種目についてもこのような集団運動を工夫した内容が紹介してある。実践をして、効果を確かめてほしい。

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