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特集の解説
到達学力・評価基準明示の通知表表記例
千葉市立弥生小学校
根本正雄
1.到達学力・評価基準の考え方
学習指導要領では基礎・基本の定着が大きなねらいになっている。体育科の「基礎・基本」は、学習指導要領に示された目標と内容の全体である。
具体的には、技能(運動)の内容、態度の内容、学び方の内容である。これらの目標がきちんと達成されているかを観点別学習状況で評価していく。
従来のような集団に準拠した評価ではなく、「目標に準拠した評価及び個人内評価」を行っていく。つまり、絶対評価を行っていくのである。
他人との比較ではなく、目標に照らしてどれだけ到達したのかを評価していくのである。
「目標に準拠した評価及び個人内評価」は、基礎学力の保障につながる。基礎・基本に内容を絞り、確実に習得させることがねらいになっている。
そのためには、基礎学力がどの程度習得されたのかをたえず評価していく必要がある。
習得されていなければ、さらに指導して基礎学力を定着させていく。評価の問題は、基礎学力の保障をどのようにしていくのかと関連しているのである。
それでは、体育科の評価はどのように行ったらよいのであろうか。
評価に当たっては、知識や技能の到達度を的確に評価することは大事であるが、それだけではなく、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力までを含めた学習の到達度を適切に評価していく。
つまり、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の四つの観点で行っていく。
以上の観点で評価を行い、基礎学力が定着したかをチェックしていく。その際気をつけなければならないことは、指導に生かす評価を行っていくことである。
つまり指導と評価の一体化を図っていくのである。到達度評価によって、目標に達していない子供をチェックし、指導の工夫を行い目標に到達させていくことを大きなねらいとしている。
2.通知表作成の手順
本特集では以上の考え方に基づき、具体的な通知表の表記例が示してある。基本的には、次の項目で分かりやすく示されている。
1、到達学力(基礎・基本の内容)
2、評価基準
3、具体的な通知表記入例
通知表は各学校によって形式、内容が異なる。学校の実態に応じて本特集の記入例を参考にしてほしい。
どんな通知表でも到達目標が示されていなければ評価はできない。各学校の到達目標を検討し、基礎・基本の内容を押さえることが第一の作業である。
次はその到達目標に対して、どの程度達成したのかの評価基準が示されていなければならない。
A基準、B基準、C基準の目安が示され、どの学年・どの学級も同じように評価されていく必要がある。
学年・学級によって基準が異なったのでは、学校としての客観性がなくなる。保護者への信頼も失われていく。
最後は具体的な通知表の記入例が示される。どのように記入したのかが、具体的に理解できなければ通知表を作成することができない。
そのような手順を経て通知表ができる。本特集の実践例をもとにして、各学校の通知表を作成してほしい。
本年度のものをもとにして改善、修正を図りながらよりよい通知表づくりをしていってほしい。
到達目標、評価基準の具体的な内容については、拙著『体育科の達成目標と授業改革低・中・高学年』(明治図書)を参照していただければ幸いである。
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- 明治図書