楽しい体育の授業 2003年10月号
“この走・跳・投”指導で運動能力がグーンと伸びる

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楽しい体育の授業 2003年10月号“この走・跳・投”指導で運動能力がグーンと伸びる

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2003年9月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 “この走・跳・投”指導で運動能力がグーンと伸びる
特集の解説
根本 正雄
実践事例
走の技能を高める指導/低学年
楽しんで走る場面を作り出す
辻 弘一
楽しく遊びながら技能を高める!
赤木 雅美
走の技能を高める指導/中学年
ストライドを伸ばす指導
小石 俊聡
ラダーを活用して敏捷性を高める
中村 厚志
走の技能を高める指導/高学年
半分の距離でめあてをつかもう
福島 太三
ストライドを磨け!
森 康行
跳の技能を高める指導/低学年
できることから、スモールステップで楽しく経験する
田中 裕一
年間通して続けることで跳ぶ技能を高める
木田 庄継
跳の技能を高める指導/中学年
ゲームで楽しく体力・技能づくり
稲葉 忠之
準備運動とサーキットトレーニングでグーンとアップ、「跳の技能」
新地 比呂志
跳の技能を高める指導/高学年
ミニハードルとゴムひもを使って跳力アップ
吉岡 健二
授業の中で自然と跳躍力アップ
高橋 聡
投の技能を高める指導/低学年
新聞紙で投げる力をつける
南野 勇
ボール投げは、こうすればできる!
小宮 千絵
投の技能を高める指導/中学年
新聞バトンで「投」の力をつける
乙野 倫子
投げる技術を高めるにはステップを踏んで
江見 和彦
投の技能を高める指導/高学年
「マイボール」で習うより慣れろ
南 惠介
「玉入れの玉」と「ペットボトル投げ」で投能力アップ!
堀場 弘喜
ミニ特集 新学習指導要領への提言「短距離走・リレー」
低学年/かけっこ・リレー
変化のある繰り返しで身に付ける
川口 達実
中学年/短距離走・リレー
類似の運動を豊富に経験させて
宮内 孝
バトンパスは追いかけ走で
西尾 文昭
高学年/短距離走・リレー
個に応じた場作り・バトンパス
小笹 宗男
システムを作り、「一時一事」の指導をする
猿渡 功
ライブで体感!TOSS体育講座
体育授業のシステム化を提案する
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
「授業の雰囲気」をつくる
高橋 健夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第43回)
根本体育直伝マンガ(月ロケットリレーの巻)
岩野 節男岩野 紀子
全員できた!学級の成功体験
え?2年生が本当に?「二重跳びが跳べた!」
田代 光章
はじめの5分で子供をのせる運動
鉄棒の上で、はいポーズ!
久保寺 千広
体ほぐしで心も体もリラックス
自然に交流が生まれる運動
末永 賢行
苦手な子も楽しめる教材作り
成功するかかえ込み跳びの場作り
根津 盛吾
誰もができる体育主任の仕事
健康教育の推進を具体化する
齋藤 直樹
誌上授業ビデオ診断
フォークダンス
両部 桂一
体育授業のシステム化 (第19回)
集合のマネジメント2
渡辺 喜男
よく噛むことは体にも頭にも良い (第12回)
学校給食の現場からE
齋藤 滋
〜学校に「栄養教諭」を創設〜
TOSS体育研究会報告
準備が簡単・仲間づくりができる運動
竹森 正人
TOSS体育最前線
全国セミナーで注目!根津盛吾氏の「アルティメットの授業」
駒井 隆治
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
かけっこ・リレー(低学年)
山口 正仁
〜月旅行かけっこ〜
短距離走・リレー(高学年)
千島 章
〜短距離走は「8秒間走で」カードは「シンプルで、使いやすく」〜
小学校「総合〈いのち・健康・福祉〉」の授業作り12のアイデア (第7回)
総合版“交通事故のない街”を創る(1)
近藤 真庸
ライフスキルと健康教育 (第19回)
自己コントロールスキル
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第138回)
大きなテーマであり、引用文献もよい
向山 洋一
体育科における学力保障 (第7回)
村田正樹氏の「逆上がり」の指導@
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第22回)
TOSS体育中央事務局
テクニカルポイントはここだ! (第19回)
走・跳につながる準備運動2
並木 孝樹

特集の解説

“この走・跳・投”指導で運動能力がグーンと伸びる

千葉市立弥生小学校

根本正雄


 子供の「体力」は毎年低下しているという報告がされている。文部科学省は2002年10月、2001年度の体力・運動能力調査報告書を発表した。

 その結果、「走る」「跳ぶ」「投げる」といった基礎運動能力は男女共低下傾向にあることがわかった。

 特に6〜17歳で過去最低記録を更新したのは次の種目である。50m走は7歳男女、9歳男女、10〜11歳男子が過去最低である。

 ソフトボール投げ・ハンドボール投げは6歳女子、15〜17歳女子である。立ち幅跳びは6歳男女、7歳女子、8、9歳男女である。これらの種目の運動能力は特に低下していることがわかった。

 小学生の体力が低下しているのである。なぜ低下しているのであろうか。

 平成14年9月30日、中央教育審議会から出された「子どもの体力向上のための総合的な方策について」(答申)の中で、子供の体力の低下の原因を次のように述べている。

 「保護者をはじめとした国民の意識の中で、子どもの外遊びやスポーツの重要性を軽視するなどにより、子どもに積極的に体を動かすことをさせなくなった」

 昔は集団での外遊びが中心であった。泥棒と警察、エスケン、陣取り、石けり、缶けり、ゴム跳び、馬跳び、かくれんぼなどの遊びが日常的であった。それらの遊びを通して体力が培われていた。

 最近の子供は少子化に伴い、屋内でのテレビ、ゲームが多くなった。

 テレビの視聴時間との間に相関関係があるという。7〜8歳と10歳の女子以外は、視聴時間が長いほど運動能力が低いという。テレビにより戸外での運動が減り、その分、家の中で過ごすことが多くなった。そのために体力が低下しているのである。

 それでは体力向上の対策は何であろうか。

 小学校で特に落ちている投能力で考えてみる。筑波大学の高橋健夫氏は次のように述べている。

 投能力の低い原因として生活経験が少ないことが挙げられる。昔はめんこ、釘さしなどの遊びによって、投げる運動に必要なアナロゴンが培われていた。

 現在の子供は、投げる準備局面ができていない。手首とひじだけで投げている。遠くに投げるには体全体を使わなければならない。

 昔の遊びにはそれらの要素が入っていた。例えば落下傘投げ、河原投げ、石投げなどである。上に投げることで準備局面ができ投能力が培われていた。

 現在はことごとくそれらが遊びの中から消えている。そのために投げる能力が落ちてしまったのである。投能力を高めるのは、学校でしかできない。特に小学校の2年生くらいの低学年くらいから始める。

 高橋氏が紹介してくれた運動遊びは次の内容である。これらを体育の授業、生活科、総合的な学習の時間に取り入れていく中で投能力が高まっていくようにする。

1.ドスコイ投げ  足を上げて、片足ケンケンで投げる。

2.ロケット投げ 15mくらいの長さを1m毎に黄・赤の目印をつけておく。短時間でおもいきり投げる経験をさせる。どれだけ伸びたか競争をさせる。

3.トルネード投げ

 @ 体をそらせスローインする。

 A 横にねじる肘は伸ばしたまま肘が下がらないようにして投げる。

4.バトン投げ スナップの練習をする。

5.遠投投げ 体育館の上にロープを張りそれを越すように高く投げる。

 以上のようなゲームは、遠くに投げられないと楽しめない。ドリルが必要なのである。楽しく何回でも繰り返していく。学校では運動の楽しさ、体力を高めていく楽しさを体験させていくようにするのである。

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