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特集の解説
「このシステム」で体育授業をつくる・領域別一覧
千葉市立弥生小学校
根本正雄
2003年2月1日、熊本県菊池郡泗水町立泗水小学校で第9回熊本体育フェスティバルが開かれた。
5年生で「集団跳び箱」の飛び入りの授業を行なった。私は1つの仮説を持って授業に臨んだ。それは、「体育授業のシステム化」である。
いつでも、どこでも、誰でもできる指導のシステム化の仮説を確かめることであった。仮説は見事に検証された。私の仮説の正しさが見事に実証された。システム化の仕組みが明らかになった。
「体育授業のシステム化」とは子供が自ら活動し、目標を達成していく仕組みのことである。教師が関わらなくても子供が自ら学んでいく学習の仕組みである。
5年生の「集団跳び箱」を行なうに当たり、事前に担任の河野圭一氏に意識調査と技能調査をお願いした。
「体育授業のシステム化」を検証するには飛び入りの授業が最適である。なぜならまったく面識のない子供との授業が成立するには、システムが必要である。
今回の飛び入り授業では授業のシステム化を意識して取り組んだ。最高のシステム化は教師がいなくてもできる授業である。
私でなくても他の教師でも授業が成立するシステムである。そういう授業を構想し臨んだ。もし「体育授業のシステム化」の仮説が実証されれば、多くの教師に役立つに違いない。授業が楽しみであった。
体育授業のシステム化の手順
@実態調査をする。
A習熟過程表により実態を診断する。
B診断に基づき指導の構想を立てる。
Cテクニカルポイントを確認する。
D発問・指示を確認する。
E場作りを確認する。
授業は5年生のクラスで行なうことになっていた。体育授業のシステム化でもっとも大事なのは実態である。開脚跳びの実態を把握するところから出発する。
飛び入り授業の1週間前に担任の河野圭一氏に意識調査と技能調査を依頼した。結果は以下のようである。
調査が終わったら、習熟過程表により実態を診断する。開脚跳びができるまでの習熟過程表は次のようである。
基礎感覚 @逆さ感覚 A振りの感覚
Bバランス感覚 C高さ感覚
基礎技能 @うさぎ跳び Aタイヤ跳び
B馬跳び C連続馬跳び
運動課題 @またぎ越し A踏み越し
B腕立て跳び上がり C開脚跳び
Dかかえ込み跳び
この表を基にして河野学級の実態を診断した。基礎感覚づくりのケンケン跳び、壁逆立ちグルグル回り、うさぎ跳びは全員ができている。しかもうさぎ跳びは全員が10回以上できている。
開脚跳びのテクニカルポイントは、「手―足―手」の順次性である。平面での動きを跳び箱という高さのあるところでの動きが開脚跳びである。いきなり跳び箱で行なうのではなく、平面の易しい場で「手―足―手」の順次性の動きを行ない、どの程度できているかを調査するのである。
連続して10回以上できていれば、「手―足―手」の順次性は習熟している。河野学級の子供は全員達成していることが分かる。しかもほとんどが25mを20回以上できている。1回、125cmである。跳び箱の長さは90cmである。完全に跳び箱を跳び越せる力が習熟している。
しかも壁逆立ちグルグル回りも全員5回以上できている。このことから河野学級の子供たちは全員、基礎感覚が身に付いていると診断した。
この診断をもとに飛び込みの授業を行なった。詳しく記録は本誌の根本の連載を参照してほしい。
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- 明治図書