楽しい体育の授業 2003年7月号
「このシステム」で体育授業をつくる・領域別一覧

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楽しい体育の授業 2003年7月号「このシステム」で体育授業をつくる・領域別一覧

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2003年6月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 「このシステム」で体育授業をつくる・領域別一覧
特集の解説
根本 正雄
実践事例
基本の運動・走・跳の遊び
「ねことねずみ」をシステム化する
石本 康一郎
基本の運動・器具、用具
バトンタッチを取り入れた楽しい連続長なわ
渡辺 喜男
バスケットボール型ゲーム
コートの工夫と学習のシステム化
山ア 雄史
サッカー型ゲーム
運動量の保障を第一に考える
西田 裕之
マット運動
「きれいな前転」に必要な2つの課題
河村 要和
鉄棒運動
6年生、後方支持回転に挑戦
藤澤 芳昭
跳び箱運動
授業をシステム化することで子供がどんどん動く
萩原 昭広
短距離走・リレー
子供が熱中して走る8秒間走
根津 盛吾
ハードル走
グループ活動で記録を向上させる
後藤 圭一
走り高跳び
個人差を吸収した高跳びシステム
川村 浩史
走り幅跳び
個別評定と場作りで空中動作が変わる
岩田 一博
バスケットボール
時間と回数を限定し、繰り返しで技能を高める
山下 敏彦
サッカー
キーワードは、『全員参加・楽しく・自然に』
松尾 浩昭
ハンドボール
ボールを持たない時の動きづくり
稲田 尚誠
フラッグフットボール
ランプレーの充実がゲームを成功させる
池田 潤
水泳
向山洋一氏の「なわとび進級カード」システムをまねた水泳システム
太田 輝昭
表現
自分たちで動きをつくる練習のシステム
平間 紀子
リズムダンス
動きを引き出すリズムダンスのシステム
冨 幸子
ミニ特集 新学習指導要領への提言「鉄棒運動」
ひこうき跳びの指導ポイント
辻岡 義介
教育課程の編成もまた貴重な実践
八和田 清秀
毎時間続けるからこそできる!鉄棒遊び
田代 光章
基礎感覚を養い、楽しみ方を工夫
篠山 耕一
基礎感覚を養う運動遊びは、帯で取り組む
国友 靖夫
ライブで体感!TOSS体育講座
命を守る水泳指導の具体化
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
運動している時間は何分間?
石黒 修
マンガで見る楽しい体育指導 (第40回)
根本体育直伝マンガ(短距離走の巻)
岩野 節男岩野 紀子
全員できた!学級の成功体験
1人の子の事実がクラス全体を変える
持木 信治
はじめの5分で子供をのせる運動
楽しい鬼あそび
後藤 義郎
体ほぐしで心も体もリラックス
「風船を使った体ほぐし」のバリエーション
高橋 真
苦手な子も楽しめる教材作り
ペットボトルでボウリング
猿渡 功
誰もができる体育主任の仕事
運動会を盛り上げる
菊田 明博
誌上授業ビデオ診断
フラッグフットボール
行實 克彦
体育授業のシステム化 (第16回)
日本体育教育技術学会での飛び込み授業システム2
渡辺 喜男
よく噛むことは体にも頭にも良い (第9回)
学校給食の現場からB
齋藤 滋
〜軟食を硬食へ〜
TOSS体育研究会報告
誰にでもできる応援団指導の原則
山口 浩彦
TOSS体育最前線
2年生の85%が25m泳げる!
駒井 隆治
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
鉄棒遊び(低学年)
生駒 靖子
〜チャレンジしよう ベスト15〜
鉄棒(高学年)
塩谷 雅
〜ポイントラリーで基本技をマスター〜
小学校「総合〈いのち・健康・福祉〉」の授業作り12のアイデア (第4回)
いま、10歳。「“2分の1”成人式」
近藤 真庸
ライフスキルと健康教育 (第16回)
セルフコントロールのライフスキル(3)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第135回)
実践論文はこうありたい
向山 洋一
体育科における学力保障 (第4回)
開脚跳びの基礎・基本4
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第19回)
TOSS体育中央事務局
テクニカルポイントはここだ! (第16回)
開脚前転は手と足のタイミング
並木 孝樹

特集の解説

「このシステム」で体育授業をつくる・領域別一覧

千葉市立弥生小学校

根本正雄


 2003年2月1日、熊本県菊池郡泗水町立泗水小学校で第9回熊本体育フェスティバルが開かれた。

 5年生で「集団跳び箱」の飛び入りの授業を行なった。私は1つの仮説を持って授業に臨んだ。それは、「体育授業のシステム化」である。

 いつでも、どこでも、誰でもできる指導のシステム化の仮説を確かめることであった。仮説は見事に検証された。私の仮説の正しさが見事に実証された。システム化の仕組みが明らかになった。

 「体育授業のシステム化」とは子供が自ら活動し、目標を達成していく仕組みのことである。教師が関わらなくても子供が自ら学んでいく学習の仕組みである。

 5年生の「集団跳び箱」を行なうに当たり、事前に担任の河野圭一氏に意識調査と技能調査をお願いした。

 「体育授業のシステム化」を検証するには飛び入りの授業が最適である。なぜならまったく面識のない子供との授業が成立するには、システムが必要である。

 今回の飛び入り授業では授業のシステム化を意識して取り組んだ。最高のシステム化は教師がいなくてもできる授業である。

 私でなくても他の教師でも授業が成立するシステムである。そういう授業を構想し臨んだ。もし「体育授業のシステム化」の仮説が実証されれば、多くの教師に役立つに違いない。授業が楽しみであった。

 体育授業のシステム化の手順

 @実態調査をする。

 A習熟過程表により実態を診断する。

 B診断に基づき指導の構想を立てる。

 Cテクニカルポイントを確認する。

 D発問・指示を確認する。

 E場作りを確認する。

 授業は5年生のクラスで行なうことになっていた。体育授業のシステム化でもっとも大事なのは実態である。開脚跳びの実態を把握するところから出発する。

 飛び入り授業の1週間前に担任の河野圭一氏に意識調査と技能調査を依頼した。結果は以下のようである。

調査が終わったら、習熟過程表により実態を診断する。開脚跳びができるまでの習熟過程表は次のようである。

 基礎感覚  @逆さ感覚   A振りの感覚

       Bバランス感覚 C高さ感覚

 基礎技能  @うさぎ跳び Aタイヤ跳び

       B馬跳び   C連続馬跳び

 運動課題  @またぎ越し A踏み越し

       B腕立て跳び上がり C開脚跳び

       Dかかえ込み跳び

 この表を基にして河野学級の実態を診断した。基礎感覚づくりのケンケン跳び、壁逆立ちグルグル回り、うさぎ跳びは全員ができている。しかもうさぎ跳びは全員が10回以上できている。

 開脚跳びのテクニカルポイントは、「手―足―手」の順次性である。平面での動きを跳び箱という高さのあるところでの動きが開脚跳びである。いきなり跳び箱で行なうのではなく、平面の易しい場で「手―足―手」の順次性の動きを行ない、どの程度できているかを調査するのである。

 連続して10回以上できていれば、「手―足―手」の順次性は習熟している。河野学級の子供は全員達成していることが分かる。しかもほとんどが25mを20回以上できている。1回、125cmである。跳び箱の長さは90cmである。完全に跳び箱を跳び越せる力が習熟している。

 しかも壁逆立ちグルグル回りも全員5回以上できている。このことから河野学級の子供たちは全員、基礎感覚が身に付いていると診断した。

 この診断をもとに飛び込みの授業を行なった。詳しく記録は本誌の根本の連載を参照してほしい。

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