- 特集 原理・原則からそれた我流指導の落とし穴
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- 子供がやる気を出す師範のポイント
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特集の解説
原理・原則からそれた我流指導の落とし穴
千葉市立弥生小学校
根本正雄
新学習指導要領が実施された。その中で強調されているのは基礎・基本の定着である。どのように基礎・基本を定着させていくのかが問われている。
同時に教師の指導力が問われ、指導力不足の教員に対する研修や処分が打ち出されている。
本特集では、子供の基礎・基本を定着させるための指導法について紹介されている。
指導にも原理・原則がある。原理・原則に基づいた指導をすれば、子供は変わっていく。基礎・基本も身に付いていく。
ところが原理・原則を外すと指導はぶれ、子供は荒れていく。「我流をなくす」というのは「原理・原則に従う」ということである。
たとえば、集合の原理・原則がある。
1.3m以内に集まる。
2.10秒以内に集まる。
3.子供の目線で話す。
原理・原則を知っているかいないかで、子供への指導は変わっていく。
知らない場合はどのようになるか。
1 子供は集中しないでばらばらに集まる。集合までに時間がかかる。
2 教師の近くに座る子供、遠くに集まる子供と分散する。
3 分散しているので教師の話が全員に徹底しない。話を聞く子供と聞かない子供が出る。
4 子供は座らせ、立って話すので子供と教師の視線が合わず徹底しない。
若い教師の授業を見ていると子供がなかなか集まらず、大声で叱咤している場面にぶつかる。知っている場合は次の指導ができる。
1 10秒以内に集まるという原則を知っているので、リズム太鼓を10回たたいて「太鼓が10鳴るうちに集まりなさい」と指示する。
2 時間が限定されているので教師も子供も集中できる。
3 3m以内が集中して話を聞ける距離なので、教師の近くに集合させる。「3m以内に集まりなさい。バスケットボールのサークルの中に入りなさい」と指示する。
4 場所が限定されているので集合の目安がわかり、短時間で集合できる。
5 子供と同じ目線になるには教師が座らなければできない。上から見下ろすのではなく、子供と同じ視線になることによって視線を合わせることができる。
6 視線を合わせることによって子供とのコミュニケーションがスムーズにできるようになる。
「先生の目を見て聞きなさい」という指示を出すことができる。
このように原理・原則がわかっていると具体的な発問・指示が生まれてくる。指導の方法が工夫できる。
どれだけ多くの指導の原理・原則を知り身に付けているかで、子供の動きは変わっていくのである。
今月の特集では次の手順で実践が示されている。
1 我流で行なうとどうなるか。
2 教材の原理・原則が示されている。
3 原理・原則に基づいた指導方法が示されている。
@テクニカルポイント
A発問・指示
B場作り
4 指導方法によって子供がどの程度変容したのか数値で示されている。
以上の実践を参考に我流をなくしてほしい。
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- 明治図書