楽しい体育の授業 2003年4月号
「個人差を吸収する」体育授業開き

K161

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楽しい体育の授業 2003年4月号「個人差を吸収する」体育授業開き

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2003年3月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 「個人差を吸収する」体育授業開き
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年/走・跳の運動遊び
スモールステップで組み立てるリレーの授業
田代 光章
低学年/器械・器具を使っての運動遊び
『楽しさ』と『協力』で個人差を吸収!
中川 隆芳
低学年/用具を操作する運動遊び
友達づくりは、なわ跳びで
藤澤 芳昭
低学年/ボールゲーム
個人差吸収玉入れゲーム(1年生)
三好 保雄
低学年/鬼遊び
個人差を吸収する鬼遊びの授業
杉本 友徳
中学年/跳び箱運動
楽しくて「できる」「わかる」授業を
浜井 俊洋
中学年/マット運動
ペアーですれば個人差が隠れ楽しさ倍増
冨永 泰寛
中学年/鉄棒運動
くるりんベルトで楽しく回る
辻岡 義介
中学年/バスケットボール型ゲーム
汗いっぱいキャッチゴール
菊地 亨
中学年/サッカー型ゲーム
ミニゲームであきるほどボールに触れる場面を作り出す
村田 斎
中学年/ベースボール型ゲーム
授業開きはティーボールで!
久保寺 千広
高学年/跳び箱運動
集団跳びで楽しさと仲間のやさしさを引き出す
西田 幸二
高学年/鉄棒運動
できる技を活用し、バリエーションで勝負
村田 正樹
高学年/体ほぐし
「楽しい」「おもしろい」と必ず感想が出る体ほぐしの運動
桑原 和彦
高学年/短距離走・リレー
走る距離を選択させる月旅行リレー
根津 盛吾
高学年/バスケットボール
クラス全員にシュートチャンスを!
石橋 健一郎
高学年/サッカー
ゲートボールサッカーで運動の喜びを体験させる
三沢 博樹
高学年/ソフトバレーボール
ルールの工夫で誰でも楽しく
佐藤 政臣
ミニ特集 新学習指導要領への提言「陸上運動」
走・跳の運動
簡単おもしろい!そして多様な力がつく!「折り返しリレー」
持木 信治
短距離走・リレー
子供一人一人を評価し、確実に技能を習得させる
後藤 一則
ハードル走
リズムを体感させると動きが変わる
太田 健二
走り幅跳び
個別評定が子供を燃やす
三浦 広志
走り高跳び
楽しみながら助走リズムを習得
高橋 聡
ライブで体感!TOSS体育講座
今年こそライブで学び授業の腕を上げよう
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
正しい“ボール投げ”指導のポイント
林 恒明
マンガで見る楽しい体育指導 (第37回)
根本体育直伝マンガ(場作りの巻)
岩野 節男岩野 紀子
全員できた!学級の成功体験
誰1人できないと思わせてはいけない
竹森 正人
はじめの5分で子供をのせる運動
どの子も熱中する導入システム・ベスト3
山口 浩彦
体ほぐしで心も体もリラックス
「あんたがたどこさ」を「変化の繰り返しで」運動する
太田 輝昭
苦手な子も楽しめる教材作り
原則をはずさずより簡単に―走り幅跳びの場合―
八和田 清秀
誰もができる体育主任の仕事
所持物の確認をせよ
寺本 聡
誌上授業ビデオ診断
体ほぐしの運動
高橋 恒久
体育授業のシステム化 (第13回)
向山氏のなわ跳び指導システムを分析する2
渡辺 喜男
よく噛むことは体にも頭にも良い (第6回)
食育と咀嚼
齋藤 滋
TOSS体育研究会報告
新教材フラッグフットボール
池田 潤
TOSS体育最前線
体育の授業開きで何が見えるか
駒井 隆治
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
短距離走・リレー(中学年)
黒瀧 耕治
〜楽しく知的な回旋リレー〜
走り幅跳び(高学年)
小笹 宗男
〜助走、踏み切りに重点を置いた走り幅跳び学習カード〜
小学校「総合〈いのち・健康・福祉〉」の授業作り12のアイデア (第1回)
「点字ブロックは、本当に人にやさしいのか?」(1)
近藤 真庸
ライフスキルと健康教育 (第13回)
アサーション、ソシアルスキルの検討(2)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第132回)
論より証拠を
向山 洋一
体育科における学力保障 (第1回)
開脚跳びの基礎・基本1
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第16回)
TOSS体育中央事務局
テクニカルポイントはここだ! (第13回)
学級開きの「体ほぐし」は「体じゃんけん」から!
並木 孝樹
〜テクニカルポイント 大きい声を出す 友達と動きを合わせる〜

特集の解説

「個人差を吸収する」体育授業開き

千葉市立弥生小学校

根本正雄


 体育の最初の授業で何をするかは子供にとって大きな関心がある。学年のはじめなので、友達関係はできていない。

 精神的に不安な状態にある子供たちに体育の授業は大きな役割を果たす。運動を通してコミュニケーションができるからである。

     1.

 体ほぐしで「世界の挨拶」というのがある。歩きながら片手タッチ、両手タッチ、ハイタッチ、握手をしていく。歩きの次は走りながら行なう。タッチをしながら「こんにちわ」と言葉をかけて走る。

 このような運動を通して、はじめて出会った子供の緊張感はほぐれ、温かい雰囲気になっていく。新しい友達とのふれあいを通して交流がなされていく。

 体育の授業開きではこのような個人差を吸収する内容が適している。

 個人差がもろに出てしまう種目では、子供は余計に緊張感をもってしまう。特に運動の不得意な子供は心を閉ざしてしまう。

 授業開きであるからどの子供にとっても楽しい、おもしろいという体験をさせることが大切である。これからの授業に期待感がもてる内容にしていくことが授業開きの役割である。

 「個人差を吸収する」ことを私は、次のように考えている。

 1.誰でも参加できる。

 2.誰でも上達する。

 3.誰でも楽しめる。

 体ほぐしの内容はそれらの条件をすべて満たしている。

「世界の挨拶」の動きは、片手タッチ、両手タッチと簡単であるので誰でも参加できる。

 しかも最初は歩きながら、次は走りながらの動きと上達していく。自然に動きがよくなっていく。しかも楽しくできる。そのため、体育の授業開きに適しているのである。

     2.

 それでは他の運動では、どのように個人差を吸収した授業づくりをしたらよいのであろうか。

 石橋健一郎氏はバスケットボールの指導で、次のような工夫をしている。

1.リングの下に小マットを3枚並べる。

2.小マットにはシューターが1人だけ入る。

3.ボールはシューターにパスされ、誰にもじゃまされないで何回でもシュートができる。

 このルールの工夫によって、普段はシュートチャンスのない子供でもシュートのチャンスができ、シュートをする喜びや楽しさが体験できるのである。

 しかも、入ったら次の子供がシューターになる。上手な子供だけがシュートするのではなく、全員にシュートするチャンスが保障されている。

 上手な子供だけがボールをとり、シュートするのではなく、どの子供にも上達する機会が保障されている。

 しかも入るまで何回でもシュートできるシステムになっている。個人差が吸収されているのである。

 このような学習が授業開きで体験できた子供は、意欲をもってその後の学習にも参加してくる。

 本特集では、このような「個人差が吸収された」授業開きの実践例が紹介されている。実践事例をもとに、よりよい授業開きを行なってほしい。

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