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特集の解説
子供熱中の授業システム化・大作戦
千葉市立弥生小学校
根本正雄
石橋健一郎氏は学習課程の中に、到達度評価を入れて活動と評価の一体化を図っていた。
発問 ボードのどこにボールが当たった時にシュートは決まるのでしょうか。
4つのグループに分かれて行ないます。入ったら壁にはってある記録用紙の四角に×の印をつけなさい。
20人の教師が5人ずつの4グループに分かれて、ドリブルシュートの練習をはじめた。リングの近くの壁には、ボードの形をした四角形をかいた画用紙がはられている。
シュートをして入ったら、入ったところの位置を鉛筆で×の印をつけていった。次第に×が多くなっていった。×が多くなっていくにつれて1つの原則が見えてきた。
×はでたらめについているのではなく、一定の法則性があった。右から走っていったグループの×は右の縦線に沿ってつけられている。逆に左から走っていったグループの×は左の縦線に沿ってつけられている。
思わずその規則性に驚いた。四角形の真ん中には×がついていない。真ん中に当たった場合にはゴールには入らない。練習の終わった後、次の発問をした。
発問 記録用紙を見て、わかることは何ですか。発表してください。
子供役の教師からは次の意見が出された。
・線の上に当たると入ります。
・右端か左端に入っています。
・上のほうが入ります。
結果は見れば一目でわかる。活動と評価が一体になっている。ドリブルシュートがよかったか悪かったかが自分たちで評価できるのである。
説明 線の上に当たったボールは柔らかく、線の下に当たったのは強過ぎます。縦線の真ん中に当たるとよいです。
こういう授業が体育授業のシステム化である。教師がおしつけるのではなく、子供が自然に動き、独りでに学習していける内容に構成されている。つまり授業のシステム化がなされているのである。
体育授業のシステム化は、次の3点の自動化を図ることである。
@目標(ボードの枠に当て、シュートを入れる)
A活動(シュートが入ったら×をつけていく)
B評価(シュートが入ったか)
目標―活動―評価が自動化され、子供だけで一連の流れが学習できる仕組みをシステム化されていると考える。
そういう観点で見ると石橋氏の授業は、見事にシステム化されていた。×をつけるという活動が、シュートが入ったかどうかを評価する活動になっている。
目標が達成されたかを自己評価する。達成されれば×をつける。達成されない場合には、どこに当てればよいのかを考え、仮説を立ててシュートする。
その仮説に基づいてシュートする。正しければ入るし、正しくなければ入らない。
入った時の位置を自分で評価し、記録していく中で友達の記録も見ることができるようになっている。
友達との関わりも生まれてくる。正しい活動が友達の評価と重ね合わせることにより、自己の活動の正しさや過ちを認識し、判断し、活動につなげることができる。
活動の動機付けは自分のやっていることがどうなっているかが認識できた時である。価値ある活動であると思えば意欲は高まる。
記録用紙にはどこに当てれば入るのかの見通しが示されていく。やればやるほど線上に×がつき、動きは強化されていく。目標―活動―評価の活動を通すことにより学習は深められていく。このような授業をたくさん集めていけば、教師の授業の腕は上がっていく。このような授業作りを目指してほしい。
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- 明治図書