楽しい体育の授業 2002年12月号
子供熱中の授業システム化・大作戦

K157

«前号へ

次号へ»

楽しい体育の授業 2002年12月号子供熱中の授業システム化・大作戦

紙版価格: 869円(税込)

送料無料

電子版価格: 782円(税込)

Off: ¥87-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
保健・体育
刊行:
2002年11月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 子供熱中の授業システム化・大作戦
特集の解説
根本 正雄
実践事例
基本の運動
〈走・跳〉熱中! ドン・じゃんけん
山下 敏彦
〈用具の操作〉なわ跳びの向山式指導システム
小松 裕明
ゲーム
〈バスケットボール型〉段ボールゴールでシュート感覚を体感させる
菅野 博文
〈サッカー型〉チャイムが鳴ったらすぐはじめよう
塚口 誠
器械運動
〈跳び箱〉子供が熱中する授業の3つの条件
長谷川 敬志
〈マット〉マット運動は一瞬の芸術
山本 真吾
〈鉄棒〉鉄棒チャレンジ表を使った授業システム
辻岡 義介
陸上運動
〈短距離走・リレー〉活動と評価のシステムを子供に与える
前島 光一郎
〈ハードル走〉子供が考え、子供がたくさん動くハードル走
猿渡 功
〈走り幅跳び〉足の裏個別評定・グループ対抗総力戦で熱中!
浅野 光
ボール運動
〈バスケットボール〉運動量の確保と技術の向上を
新村 勲
〈サッカー〉楽しく自然に上達するシステムをつくる
前島 康志
〈ソフトボール〉実態把握から場・ルールの工夫まで
田代 光章
〈ソフトバレーボール〉レジ袋でどの子も楽しくレシーブ練習
齊藤 振一郎
表現運動
〈表現〉擬態語を使って楽しく表現「スイミー」
平田 真紀
〈リズムダンス〉子供がノリノリになる「向山型阿波踊り」のシステム
三浦 広志
体つくり
〈体ほぐし〉ゲームで行なう体ほぐしのシステム化
南 恵介
〈体力を高める〉「できない」状態から「できる」状態に挑戦
松本 勝男
ミニ特集 体育授業の基礎・基本「表現」の実践
これでばっちり! 低学年の表現遊びの導入指導
赤木 雅美
リズム太鼓を使って楽しく基礎感覚づくり
三沢 博樹
「へそ」で踊ることで、子供たちの動きが変わる
冨永 泰寛
ストーリーのパターン化で視点を鍛える
白戸 禎子
YOSAKOIソーランで力強さを!
高見 恵美
ライブで体感!TOSS体育講座
1時間の授業の組み立てを提案する
村田 斎
レベルアップ!ここが体育授業のポイント
授業の勢いを生み出す
高橋 健夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第33回)
根本体育直伝マンガ(旗取り競争の巻)
岩野 節男岩野 紀子
運動量アップ!この運動はこの場作りで
局面限定で攻撃サッカー
辻岡 義介
知的な体育発問・指示はこれだ!
なわ跳び指導の指示・アラカルト
岩田 一博
これでバッチリ!体育授業のマネジメント
子供に力をつける導入の工夫
田代 光章
どの子も熱中!学級がひとつになる体育ゲーム
クラス対抗「ハードルリレー」
高橋 真
苦手な子供も参加できるニュースポーツ
しっぽとりからの「フラッグフット」
根津 盛吾
運動会にイチオシ!この種目が子供を変える
マンネリ化を防ぐ「綱引き」
桑原 和彦
誌上授業ビデオ診断
リレー(陸上運動)
山口 收
体育授業のシステム化 (第9回)
阿波踊りのシステム
渡辺 喜男
〜向山洋一氏の実践〜
よく噛むことは体にも頭にも良い (第2回)
噛む習慣は生活習慣病を予防する
齋藤 滋
TOSS体育最前線
伴一孝氏「向山型体育」A
駒井 隆治
〜マット運動でねらうこと〜
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
バスケットボール型ゲーム(中学年)
星島 成壱
〜ボール運動にチャレンジ!〜
バスケットボール(高学年)
下薗 誠也
〜シュートが上達する練習法〜
小学校「保健」の授業作り12のアイデア (第9回)
“すっきりうんち”の秘密
近藤 真庸
ライフスキルと健康教育 (第9回)
HIV感染者への対応、行動選択ライフスキル(2)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第128回)
メチャブツケ(体育館ルール)
向山 洋一
体育科における到達度評価 (第9回)
キャッチ・ゴール(バスケットボール型ゲーム)
根本 正雄
〜堀健一氏の実践〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第12回)
テクニカルポイントはここだ! (第9回)
かかえ込み跳びはこわくない1
並木 孝樹

特集の解説

子供熱中の授業システム化・大作戦

千葉市立弥生小学校

根本正雄


 石橋健一郎氏は学習課程の中に、到達度評価を入れて活動と評価の一体化を図っていた。

発問 ボードのどこにボールが当たった時にシュートは決まるのでしょうか。

   4つのグループに分かれて行ないます。入ったら壁にはってある記録用紙の四角に×の印をつけなさい。

 20人の教師が5人ずつの4グループに分かれて、ドリブルシュートの練習をはじめた。リングの近くの壁には、ボードの形をした四角形をかいた画用紙がはられている。

 シュートをして入ったら、入ったところの位置を鉛筆で×の印をつけていった。次第に×が多くなっていった。×が多くなっていくにつれて1つの原則が見えてきた。

 ×はでたらめについているのではなく、一定の法則性があった。右から走っていったグループの×は右の縦線に沿ってつけられている。逆に左から走っていったグループの×は左の縦線に沿ってつけられている。

 思わずその規則性に驚いた。四角形の真ん中には×がついていない。真ん中に当たった場合にはゴールには入らない。練習の終わった後、次の発問をした。

発問 記録用紙を見て、わかることは何ですか。発表してください。

 子供役の教師からは次の意見が出された。

 ・線の上に当たると入ります。

 ・右端か左端に入っています。

 ・上のほうが入ります。

 結果は見れば一目でわかる。活動と評価が一体になっている。ドリブルシュートがよかったか悪かったかが自分たちで評価できるのである。

説明 線の上に当たったボールは柔らかく、線の下に当たったのは強過ぎます。縦線の真ん中に当たるとよいです。

 こういう授業が体育授業のシステム化である。教師がおしつけるのではなく、子供が自然に動き、独りでに学習していける内容に構成されている。つまり授業のシステム化がなされているのである。

 体育授業のシステム化は、次の3点の自動化を図ることである。

 @目標(ボードの枠に当て、シュートを入れる)

 A活動(シュートが入ったら×をつけていく)

 B評価(シュートが入ったか)

 目標―活動―評価が自動化され、子供だけで一連の流れが学習できる仕組みをシステム化されていると考える。

 そういう観点で見ると石橋氏の授業は、見事にシステム化されていた。×をつけるという活動が、シュートが入ったかどうかを評価する活動になっている。

 目標が達成されたかを自己評価する。達成されれば×をつける。達成されない場合には、どこに当てればよいのかを考え、仮説を立ててシュートする。

 その仮説に基づいてシュートする。正しければ入るし、正しくなければ入らない。

 入った時の位置を自分で評価し、記録していく中で友達の記録も見ることができるようになっている。

 友達との関わりも生まれてくる。正しい活動が友達の評価と重ね合わせることにより、自己の活動の正しさや過ちを認識し、判断し、活動につなげることができる。

 活動の動機付けは自分のやっていることがどうなっているかが認識できた時である。価値ある活動であると思えば意欲は高まる。

 記録用紙にはどこに当てれば入るのかの見通しが示されていく。やればやるほど線上に×がつき、動きは強化されていく。目標―活動―評価の活動を通すことにより学習は深められていく。このような授業をたくさん集めていけば、教師の授業の腕は上がっていく。このような授業作りを目指してほしい。

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ