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編集後記
私は『わらってよカバのはいしゃさん』(さくらともこ作/そのやすじ絵/岩崎書店)という絵本が、小さい頃のお気に入りでした。私のように思い出の絵本があるという先生方も多いのではないでしょうか。
ただ、このような絵本を授業で活用したいと思っても、教材化するのは容易ではなさそうです。そこで、本号では、絵本を活用した授業づくりのプロセスを数多くご紹介いただきました。
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なかでも大野睦仁先生の『りんごがひとつ』の実践は圧巻でした。身近な生活の場面と絵本を自然につなぎ、子どもたちが「自分ごと」として考えられるように仕掛けられています。抽象的な価値を語るのではなく、日常の延長線上に学びを置く大野先生の工夫は、誰もが真似したくなる実践だと感じました。
さらに、戸来友美先生の「道徳の授業に絵本の力をかりてみませんか?」は、読みながら胸が高鳴りました。絵本のもつ「やさしく子どもの心に入り込む力」を、余すことなく授業に活かしていこうとする熱意が伝わり、「自分の教室でも今すぐやってみたい!」と思わせてくれる説得力があります。理論と実践をつなげる文章のわかりやすさも秀逸で、読み終えたあと背中を押されるような感覚を覚えました。
そして、藤原友和先生の『くまとやまねこ』を用いた友情の授業は、今回もっとも心に残りました。友情という大テーマを、抽象ではなく絵本の豊かな物語世界を通して考えさせる構成はまさに芸術的です。子どもが「友だちって何だろう?」と自分の内面を見つめ直すきっかけを与えるその授業は、道徳の真髄そのものだと感じました。藤原先生の記事を読んだとき、「こんな授業を自分もつくりたい」と心から思いました。
もちろん、ほかの先生方の記事もそれぞれに深い学びがありましたが、とりわけ大野先生、戸来先生、藤原先生の3本は、道徳授業に悩む多くの教師にとって「道しるべ」となるものだと思います。本全体を通して、「絵本で子どもの心を開く」という確かな可能性を実感しました。
この1冊を読み終えて、私自身も次の授業でどの絵本を手に取り、どう子どもたちに届けようかと、心がワクワクしています。